阿部ブログ

日々思うこと

警視庁公安部外事三課の情報漏洩

2010年10月28日 | 日記
2010年10月28日、ネット上に警視庁公安部外事三課のものと思われる114ファイルが流出した。
個人的な感想としては大した情報は見あたらないな~。

この情報漏洩は「コントロール」された朗詠、いや漏洩だ。
所謂、ヒューミント物のファイルのみで、電子的手段による様々な監視・追跡については皆無。
この漏洩の目的は多分、少々の機密ぽい事実とその他、様々偽情報を混ぜ込んだ類の情報を流して、この漏洩情報で動き出す奴らを特定の方向に誘導するのが狙いかと邪推したくなる。

平成20年4月作成の「大規模国際テロ事件発生時の初動捜査体制」などは、まあ誰が考えてもこうだろう、と言う内容で、テロ対策にあたる142名の実名入りのリストや、「国際テロリズム緊急展開班の班員名簿一覧」や新規指定候補者一覧などまあまあの内容。

国際テロ緊急展開班のファイルもあり、この班の大部分は鑑識が占めているが本当?
この緊急展開班の新規指定候補者に至っては氏名は勿論、生年月日、住所、電話番号、家族構成、特技などが記載された、しかも写真入りの13名の名簿がある。携帯の番号も記載されているので、番号の変更が必要だ。
実在する人物だとすればの話。

また他のファイルを見ると国際テロ事案が発生したら、直ちにモスクとイラン大使館を監視する事になっており、パルトークと言うチャット・サイトのメッセージをチェックする事などの対応をする事となっている。

面白いのはイラン大使館員の給料に関するリスト。全権特命大使より給料の多い館員がいるし、大使館には日本人スタッフ11名もおり、その給料の額も記載されてある。この他、東京三菱銀行が提供したイラン大使館の銀行口座の入出金リストがあるが、やはり金の流れを把握する事は重要である事が一見してわかる。

しかしイラン大使館とかイスラム教徒を単純にテロリストと想定するのは、単純すぎないか?
まあ、FBIやCIAなどからの要請で情報を提供しているデータもあるが、現場では違和感ありながら作業しているのが、なんとなく透けて見える。

この手の情報漏洩は無くならないだろう。
ただファイルを見ていて思うことは、東アジア反日武装戦線は爆弾闘争を行ったが、これからはサイバー空間上での虚実の闘争が繰り広げられるのだろうと言う事。

この警察系のサイバー戦では、仮想敵が本気だったら警察の通信基盤や監視ネットワークが狙われる可能性が高いと考えている。もし警察の通信手段を麻痺、若しくは擾乱されたら、警察は混乱し、身動きがとれない。指揮が出来ないし、命令も伝達出来ない。物理的にモノを破壊するまでもない。

イスラエルがシリアを爆撃した際、レーダーシステムに侵入、若しくは仕掛けてあったロジック爆弾を起動させF-15が接近しているにも関わらず、シリア空軍のレーダーには何も映らず、迎撃出来なかった事は有名。
これと似たような事は、日本でも起こりうることだ。

有事などに起動する緊急時のネットワークもあるだろうが、これら通信&ネットワークのハードウェアは勿論、ソフトウェアについても要チェックでソースコードレベルでの安全検証が必須。特に外国から調達した物には細心の注意が必要だろう。ブラックボックスのママ使うのはやめた方が良い。いざ鎌倉の時に動かないとか、動いても相手のコントロールされる可能性はゼロではない。

最後に、この手の公安調査においては、信頼のおける通訳と言うか、かなり広範な言語に対応できる捜査支援体制が必要なだし、単なる当該国の言語に習熟しているだけでなく、その国・地域の習俗、文化、歴史にも通暁している事が望ましいが、この手の人材を公務員から見出す事は難しいだろうから、人事採用制度を多様化することも検討要ではある。