ブラッド・ランドの地が、またキナ臭くなってきた。
ホワイトハウスは、2017年度の 国防予算教書において、European Reassurance Initiative関連予算を増額するとして公表。その要求額は2016年度の4倍の34 億ドル。
これに呼応するように、NATO Force Integration Unit(NFIU)の組織作りが着々進められている。拠点は下記の6箇所。
(1)Bucharest (ルーマニア)
(2)Bydgoszcz (ポーランド)
(3)Riga (ラトビア)
(4)Sofia (ブルガリア)
(5)Tallinn (エストニア)
(6)Vilnius (リトアニア)
NFIUは、上記の各国軍とNATO軍の双方を取り持つ組織で、2016 年 7 月実戦体制を整える。これはワルシャワ・サミットに合わせるという意味があり象徴だ。
それと、リトアニア、ポーランド、ウクライナ3国は、合同旅団(4000人規模)の組織し、 2017 年までに実戦体制を整える予定。この旅団は対ロシアで共闘することに最大の意義がある。特にポーランドが主導する(Very High Readiness Joint Task Force に、イギリス軍1000名を派遣する計画もあり、またポーランドのDuda大統領は、NATOの事務総長との会談で、可能な限り常続的なプレゼンスの確保を要請している。対ロシアについては、ポーランドは過去の経験から楽観しておらず安全保障面で妥協する気はない。
ロシアのクリミア介入後、東欧諸国などで特殊作戦部隊を新設・強化する動きが活発化している。チェコは第601特殊作戦群を補完・補強する部隊の編成を検討。直接ロシアの脅威に直面しているウクライナは 特殊作戦部隊を強化し、新たな特殊作戦訓練所を開設している。
ロシアの進出と脅威を軽減するブラッド・ランド諸国の防衛努力が報われるように祈りたい。