あべちゃんの写楽生活

撮ることが楽しいのか、楽しいから撮るのか

東宝の特撮はいいね

2015年06月02日 16時29分59秒 | 写真

 

1962年公開の東宝特撮映画「海底軍艦」を見た。

もともとSF映画は好きなのだが、ゴジラ、モスラあたりの時代の

特撮映画が特に好きだ。

この映画はネタバレしない程度に説明すると、

田崎 潤扮する旧日本海軍の神宮司大佐が海底軍艦で悪をやっつける、

という簡単なストーリーだ。

メインターゲットが子供なのでこれくらいでいいのだろう。

しかし、子供にせがまれてイヤイヤついてきた大人も楽しめるように

なっているのがすばらしい。

特撮監督はあのウルトラマンシリーズの円谷英二だ。

子供だからといって、手を抜いた表現をしていない。

しっかり細部にもこだわって作ってある。

 

とくにこの映画で気に入っているポイントが2つある。

この特殊潜水艦の正式名称は「轟天号」なのだ。

私の推測だが、これはイ510号なのだと思う。

旧日本海軍の巨大潜水艦イ400号の上をいく・・・という意味で

つけられたのだと思う。

510に轟天(ごうてん)という字をあてたのだろう。

海底軍艦という呼び名は一般人が、何だか知らないが、とてつもなく

強くすごい、まるで軍艦のようだ、と呼んでいた通称なのだ。

旧日本海軍の将校が海底軍艦と言った瞬間、何だか物語が

チープなものになってしまう。

彼らは20年間、他を拒絶し目的達成のために必死に船を作っていた。

海底軍艦などといった他人が付けた通称などではけっして呼ばないはずだ。

私が神宮司大佐でも、けっして呼ばない。

すごくリアル。

子供はスルーだろうが、公開当時はまだ戦争体験者が大量に存命

だったから大人はしびれたろうね。

 

もう1つのポイントは、東宝の特撮全般に言えることなのだが、

「これはSFですから、最初から最後まで100%ウソです」

と言っていないこと。

SFの中には、西暦3000年のアンドロメダ星雲の星が舞台の話しとか、

想像することすらできないものがある。

スターウォーズなんか、その部類だよね。

SFだからそれでいいのだが、東宝特撮は一部に「ひょっとしたら・・・」があるんだよ。

海底軍艦の敵は地底人。

地球がある以上、地底人など100%いない、とは断言できないだろう。

もちろん限りなく0に近い可能性ではあるが・・・

ゴジラの誕生は水爆実験がきっかけだ。

へドラはヘドロが原因。

ひょっとしたらそういうこともあり得るかもね、というニュアンスを残している。

そこに荒唐無稽な娯楽映画とはちょっと違う味がある。

突然、訳のわからない宇宙人が攻めてきた、というのではないのだ。

そこがいいんだよ。

 

おまけ

 

近ごろは「ドラえもん」も大人が楽しめるようになってるらしいね。

映画館で子供は楽しんで、大人はドラ泣きするらしい。

お金を払うのは親だからね。

大人が「見て良かった」となれば、子供にせがまれても

喜んでついていくよね。