ABE GUITARS

ギター・ウクレレ制作
フレット楽器全般 修理調整

アコースティックギター用PUのバランス調整について

2009年01月30日 | アコギPU取付
昨日の話のついでに、アコースティックギター用PUのバランス調整について考えてみたいと思います。そもそも「バランスが取れている」とは、どういう状態なのでしょうか?
私は「開放弦、フレット上問わず、一定の音圧(*)で音が出ていること」がバランスが取れた状態、と定義したいと思っているのですが、事はそう単純ではありません。難しいのは、「開放弦でのバランス」だけではなく「開放弦とフレットを押さえた時とのバランス」「上昇フレーズでのバランス」「下降フレーズでのバランス」「ダウンピッキングとアップピッキングとのバランス」など、様々な要素を考慮した上で、これらの平均値あるいは最大公約数を探っていく必要があることです。例えば、開放弦でのバランスがOKでも、フレットを押さえた時の音とのバランスがアウトという場合や、その逆のパターンもあるわけです。
このような多様な要素を考えに入れながらの調整は困難を極めることも多く、丸1日でも終わらず、日を改めて耳をリフレッシュさせてから再度調整することも間々あります。完璧はありえないので、どこかで妥協し、あとはご依頼主の判断を仰ぐことになります。
こうしたバランス調整は、基本的にアンダーサドルタイプのPUで必要な作業ですが、昨日ご紹介したように、貼り付けタイプでもバランス調整が必要になる場合もあるとなると、少し暗澹たる気分になってしまいます、本音としては。でも、弾き手にとっては一番重要なポイントなので、妥協点を高く設定したバランス調整ができるよう、日々精進を重ねたいと思っております。

(*)「音量」よりは「音圧」の方が、大きさだけではない、音の多面性を表す言葉として適切ではないかと思います。

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