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「こんなもんでいいでしょ?」

2012年03月17日 | ご挨拶
西村佳哲「自分の仕事をつくる」を、たまたま手に入れて読んでいます。



プロダクトデザイナーへのインタビューを中心に、「仕事」に対する取り組み方の考察がなされているわけですが、参考になる言葉が山ほど。まえがきだけでもグッときました、曰く「たとえば安売り家具屋の店頭に並ぶ、カラーボックスのような本棚。化粧版の仕上げは側面まで、裏面はベニヤ貼りの彼らは『裏は見えないからいいでしょ?』というメッセージを、語るともなく語っている。(中略)様々な仕事が「こんなもんでいいでしょ?」という、人を軽くあつかったメッセージを体現している」

この、耳に痛い言葉に影響されて、というわけではありませんが、塗装中の#016はバックの塗装を剥がして塗り直し中です。



実は三度、剥がしました。最初はキズをつけてしまったため、二度目は木地着色がうまくいかず、三度目はクリヤー塗布までいったのに、ピンホール(針で刺したような穴)が生じたためです。どれも、それなりに補修はできたのですが、とりあえずの補修で最後までやった後でやり直しという、最悪の事態を避けるために、早めに対処しようと思ったわけです。

「こんなもんでいいでしょ?」という仕事はしないように心がけてはいるつもりでも、どうしようもなく妥協して「これで許して下さい」という仕事になってしまうこともあります。でも、手を抜いての「これで」ではなくて、最低でも、最大限やっての「これで」にしなければならないと考えていて、それで今回もやり直しとなりました。最悪は回避できたので、とりあえずの安堵感はありますが、同時に心的ダメージも結構それなりにあって、技量の無さにガックリ、です。が、災い転じて吉にしたいと思います。

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