主人公たちはみな学校に行っているという,なつかしい世界.あえて小学生・中学生・高校生と分類したが,これは主人公の年齢で分類したにすぎない.
小学生むき
綾辻行人「びっくり館の殺人」講談社 2006/3
---内容(「BOOK」データベースより,他の2点も同じ)三知也が小学校六年生のとき、近所に「びっくり館」と呼ばれる屋敷があった。いろいろなあやしいうわさがささやかれるその屋敷には、白髪の老主人と内気な少年トシオ、それからちょっと風変わりな人形リリカがいた。クリスマスの夜、「びっくり館」に招待された三知也たちは、「リリカの部屋」で発生した奇怪な密室殺人の第一発見者に!あれから十年以上がすぎた今もなお、事件の犯人はつかまっていないというのだが…。---
小学生時代,月刊誌に連載の江戸川乱歩の二十面相(後に四十面相に成長した)に夢中になったのを思い出した.内容が健全でないところはよろしい.ミステリとしては,こども向きならこれでも良いのかもしれないが,「...館」というタイトルに加え,「虚無への供物」が顔を出すあたり,大人のミステリマニアも意識しているので,お粗末と言いたい,ルビ付きで本に風格が出たようだ.加えて,もったいないくらいの装釘挿画.
中学生むき
魚住直子「非・バランス」講談社文庫 2006/5
---ひとつ、クールに生きていく。ふたつ、友だちはつくらない。
そう心に決めていた中学生の私の前に、不思議な一人の女性があらわれた。彼女こそ、理想の大人だと思う私の毎日は少しずつ変わっていくが…。少女と大人―傷つきやすい2つのハートが出会った、ある夏の物語。第36回講談社児童文学新人賞受賞。---
こどもの世界のいじめ問題に対する識者やマスコミの反応はいかがわしい.大人の世界はもっと大変なのにと思ってしまう.この小説での,いじめから次第に回復する少女と,それに反比例して元気がなくなる大人(サラさんという名前が良い)との対比はうなづける.ミステリー的だがミステリーではありません.著者はH大学の卒業生です.
高校生むき
日向まさみち「本格推理委員会」角川文庫 2006/12
---小・中・高校の一貫教育学校・木ノ花学園の音楽室に、死んだはずの女性が現れたとの噂が流れる。探偵の素質を持った少年少女を選抜して結成された“本格的に推理をしてしまう委員会”『本格推理委員会』に、理事長の命令で入ることになった高校生の城崎修は、その怪談話の発生源を探り始めるが、そこには思わぬ真実が待ち受けていた! 第1回ボイルドエッグズ新人賞を受賞した、痛いほどに純粋な次世代青春&ミステリ。---
このジャンルははじめて.コミックを文章で読んでいるような感じに面食らった.武闘派の美少女とかスーパー女教師とか,このジャンルでは必ず登場するらしいが,いかにも嘘くさい設定だ.主人公がまじめに悩むあたり,読んでいて恥ずかしいが,青春しているところがうらやましい.同一人物をふたりに書き分けるというのはよくある手だが,ここに出てくると思わなかった.
小学生むき
綾辻行人「びっくり館の殺人」講談社 2006/3
---内容(「BOOK」データベースより,他の2点も同じ)三知也が小学校六年生のとき、近所に「びっくり館」と呼ばれる屋敷があった。いろいろなあやしいうわさがささやかれるその屋敷には、白髪の老主人と内気な少年トシオ、それからちょっと風変わりな人形リリカがいた。クリスマスの夜、「びっくり館」に招待された三知也たちは、「リリカの部屋」で発生した奇怪な密室殺人の第一発見者に!あれから十年以上がすぎた今もなお、事件の犯人はつかまっていないというのだが…。---
小学生時代,月刊誌に連載の江戸川乱歩の二十面相(後に四十面相に成長した)に夢中になったのを思い出した.内容が健全でないところはよろしい.ミステリとしては,こども向きならこれでも良いのかもしれないが,「...館」というタイトルに加え,「虚無への供物」が顔を出すあたり,大人のミステリマニアも意識しているので,お粗末と言いたい,ルビ付きで本に風格が出たようだ.加えて,もったいないくらいの装釘挿画.
中学生むき
魚住直子「非・バランス」講談社文庫 2006/5
---ひとつ、クールに生きていく。ふたつ、友だちはつくらない。
そう心に決めていた中学生の私の前に、不思議な一人の女性があらわれた。彼女こそ、理想の大人だと思う私の毎日は少しずつ変わっていくが…。少女と大人―傷つきやすい2つのハートが出会った、ある夏の物語。第36回講談社児童文学新人賞受賞。---
こどもの世界のいじめ問題に対する識者やマスコミの反応はいかがわしい.大人の世界はもっと大変なのにと思ってしまう.この小説での,いじめから次第に回復する少女と,それに反比例して元気がなくなる大人(サラさんという名前が良い)との対比はうなづける.ミステリー的だがミステリーではありません.著者はH大学の卒業生です.
高校生むき
日向まさみち「本格推理委員会」角川文庫 2006/12
---小・中・高校の一貫教育学校・木ノ花学園の音楽室に、死んだはずの女性が現れたとの噂が流れる。探偵の素質を持った少年少女を選抜して結成された“本格的に推理をしてしまう委員会”『本格推理委員会』に、理事長の命令で入ることになった高校生の城崎修は、その怪談話の発生源を探り始めるが、そこには思わぬ真実が待ち受けていた! 第1回ボイルドエッグズ新人賞を受賞した、痛いほどに純粋な次世代青春&ミステリ。---
このジャンルははじめて.コミックを文章で読んでいるような感じに面食らった.武闘派の美少女とかスーパー女教師とか,このジャンルでは必ず登場するらしいが,いかにも嘘くさい設定だ.主人公がまじめに悩むあたり,読んでいて恥ずかしいが,青春しているところがうらやましい.同一人物をふたりに書き分けるというのはよくある手だが,ここに出てくると思わなかった.