アナゴの鮨が美味しかったので,
吉野雄「鮓・鮨・すし すしの事典」旭屋出版 (1990)
をヒモトイた.写真は明治 10 年に描かれた与兵衛のすし.
著者は日本橋・吉野鮨本店の三代目.ちなみに現在お店は五代目が切り盛りしている.三代目はすし研究で有名だが,昭和 30 年代のテレビドラマ「事件記者」や伊丹十三作品には俳優として登場した.
旭屋出版は食と料理の本の出版社で,月刊誌「食堂界」連載をまとめたのがこの370ページの大著.定価 4800 円とあるが,古書で 1000 円くらいで購入したと思う.
前半がすしの歴史,後半がすしダネ各論で,赤身,光もの,白身,煮物などに分類されている.
アナゴの項は2段組 18 ページと力が入っている.アナゴは日本には 20 種類はいるがすしダネはもっばらマアナゴらしい.アナゴにおける「野じめ」(水揚げ後すぐにしめること) と「活け」の違いがエピソードを交えて語らるが,野じめはねっとり,活けは粉のようなやわらかさ,なんですと.
調理法は下拵えから始まって 16 ページ.煮方には「生上げ」「白煮」「漬け込み」がある.焼きアナゴは関西から輸入されたやり方だそうだ.など...
当地ではスーパーでも生のアナゴを売っているので,そのうちこの本と首っ引きで煮てみようかな.