エレナー・アップデール, 杉田 七重 訳,創元推理文庫 (2016/8).
Amazon の内容(「BOOK」データベースより)*****
囚人493ことモンモランシー。警察から逃げる際瀕死の重傷を負ったが、運良く若き外科医ファーセットの治療の被験者となり、一命をとりとめた男。無事刑期を終えたモンモランシーは高級ホテルに滞在しながら、昼間は紳士、夜は泥棒、ふたつの顔を使い分け、次々とお宝を頂戴していく。だがある日暴れ馬を取り押さえたことで、彼の運命は大きく変わることに。痛快シリーズ第一弾。*****
惹句で内容が保証されているようなもの.ご都合主義的ストーリーが楽しめた.
訳者後書きには「『フランケンシュタイン』『ジキル博士とハイド氏』『レ・ミゼラブル』『怪盗紳士リュパン』... まるで古今東西の名作のいいとこどりのようなプロット...」とあり,確かにそのとおり.
でも重傷の治療をフランケンシュタインにこじつけるのは ちよっと.
著者は紳士と泥棒のふたつの顔を持つことのジキル・ハイド性をしきりと強調するが,あまり伝わらない.
マドレーヌがジャン・ヴァルジャンという前身がばれることを恐れるのとよく似た場面が多いが,深刻ではない.怪盗紳士の身許がバレそうでバレない状況はイギリス的.脇役ではホテル経営者の娘シシーがよい.
怪盗ルパン (昨今はリュパンというらしい) にくらべるとずっとリアル.主人公もそこらにいる人と同じような性格の持ち主として描かれている.時代を反映しているのだろう.
主人公は下水道網を利用して盗みをはたらくのだが,ポーランド映画「地下水道」を思い出した.あれは怖かった !
Amazon の内容(「BOOK」データベースより)*****
囚人493ことモンモランシー。警察から逃げる際瀕死の重傷を負ったが、運良く若き外科医ファーセットの治療の被験者となり、一命をとりとめた男。無事刑期を終えたモンモランシーは高級ホテルに滞在しながら、昼間は紳士、夜は泥棒、ふたつの顔を使い分け、次々とお宝を頂戴していく。だがある日暴れ馬を取り押さえたことで、彼の運命は大きく変わることに。痛快シリーズ第一弾。*****
惹句で内容が保証されているようなもの.ご都合主義的ストーリーが楽しめた.
訳者後書きには「『フランケンシュタイン』『ジキル博士とハイド氏』『レ・ミゼラブル』『怪盗紳士リュパン』... まるで古今東西の名作のいいとこどりのようなプロット...」とあり,確かにそのとおり.
でも重傷の治療をフランケンシュタインにこじつけるのは ちよっと.
著者は紳士と泥棒のふたつの顔を持つことのジキル・ハイド性をしきりと強調するが,あまり伝わらない.
マドレーヌがジャン・ヴァルジャンという前身がばれることを恐れるのとよく似た場面が多いが,深刻ではない.怪盗紳士の身許がバレそうでバレない状況はイギリス的.脇役ではホテル経営者の娘シシーがよい.
怪盗ルパン (昨今はリュパンというらしい) にくらべるとずっとリアル.主人公もそこらにいる人と同じような性格の持ち主として描かれている.時代を反映しているのだろう.
主人公は下水道網を利用して盗みをはたらくのだが,ポーランド映画「地下水道」を思い出した.あれは怖かった !