NHKラジオの朗読で,漱石の坊ちゃんを再読ではなく再聴.
新入社員が社内抗争に巻き込まれるサラリーマン小説.ただしここではそこに中学生たちが絡むのがおもしろい.社内ならぬ学内抗争の主体は,赤シャツと山嵐で,坊ちゃんはストーリーでは脇役である.
人物の性格が思い切り類型的なのが潔い.坊ちゃんとばあやの関係はちょっと変だが,他には女性は登場しない.マドンナも点景みたいな存在.
奸物制裁には鉄拳が必要.だから戦争は無くならない と言った趣旨の文があったと思う.
初読時は戦後食糧難の記憶が鮮やかだったので,卵をぶつけるのはもったいないと思ったのを覚えている.
これだけ馬鹿にされても,なおかつこの小説を宣伝に使う松山市は逞しい!