西内啓「統計学が最強の学問である」ダイヤモンド社(2013/1).変なタイトルの本なので図書館で借りてみた.
3 ページ,ほとんど冒頭にあみだくじ必勝法が出ている.縦線を (この場合は) 8本引き,当たりに星印をつける.その後 12 本の横線をでたらめに引く.これを 1000 回繰り返すと,縦線毎の当たりの分布は正規分布に近くなる.統計学さえ知っていればあみだくじは有利に引くことができる,というイントロ.
これは「どこが当たりか」がわかっていれば,その当たりに直結している線を選べ,と言っているに過ぎない.どこが当たりか分からなければ統計学は無力である.たとえば右端が当たりで,それを隠して試行すれば,4を選んだら外れる確率が大きい.
普通は下の方を折り返して,どこが当たりか分からないようにして,横線を引くことを始めるのではないか.
あみだくじの横線は,縦線の行き先を 1:1 で交換するに過ぎない.この本の実験が言っているのは,8本の縦線に対して 12 本の横線では本数が少な過ぎて,十分に交換が行われず,最初の設定が履歴として残るということだろう.
「あみだくじには何本の横線が必要か」という問題には発展しそうだが,統計学が最強の学問であることを証明してはいない.
本そのものについては,読了してから...
追記
ネットを漁ったら,同じように考える方が,横線の数を変えて当たり分布をシミュレーションで求めておられた.
Minkyのよもやま日記 あみだくじは公平か? - 『統計学が最強の学問である』より http://skellington.blog.so-net.ne.jp/2013-07-10である.
Minky さんの結論は*****
- 線を引く本数が少ない場合は、当たりと同じ線上に線を引くというのがよさそうである。
- 線を引く本数が多くなっていった場合、一様分布に近づくので、スタート地点に関係なくなる。
- とはいえ、あみだくじで線を引くのって、せいぜい1本か2本であり、100本も線を引いたりしない。
- となると、当たりがどこにあるのか知っているのと知っていないのでは、公平性に大きく差があるという結果になる。
我が意を得たり !!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます