この本の中の,柿沼敏江「新しい音律を求めて - パーチの創作楽器」に,Harry Parch の The Letter の自筆譜があった.トップ画像はその一部.Voice の他に4つの楽器Pol, Kithara, Bass Marimba, Diamond Marimba が指定されている.
Youtube に演奏例はたくさんあるが,下の動画が楽器がよく視えると思う.
楽器が5つあるが,Pol = Castor and Pollux をふたつに分解しているのかな ?
Voice は速いご詠歌のようでもあり,遅いラップのようでもある.その合間に演奏が入るというパターン.
43 音階を持つ楽器たちだが,それを意識して聴く必要はないだろう.
パーチは楽器の身体性を重視し,演奏者に「華麗に,舞うように演奏する」ことを求めたというが,この演奏はどうだろう.
パーチ自身は自分の音楽を広めようとか,43 音音階を残したいとは考えていなかった.自分の弟子は別の音階を作るべきだと言っていた.パーチの考えを受けついで行こうと思っている人は何人かいるそうだ.
柿沼さんは「楽器を作ることは重要」と結んでいる.
パーチにならってアコースティック楽器を作るにはすごいエネルギーが必要だ.現在では計算機で音色も音階も自由に作れるのだが,そのために早晩飽きてしまい,エネルギーが続かない...と感じるのは,ぼくだけ ?
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