永久ストーマ ?

 左 上から読んでも下から読んでも「がんまんが」電子版．あっという間に読了したが，続編があるのだった．

ところで，人工肛門というと聞こえが悪いので，ストーマというらしい (尿路ストーマもある)．
大腸癌では癌近傍の癌を切って，残った腸の両端をつなぎ合わせるが，縫合部に便を通さないように，一時的にストーマを作るのがふつうらしい．この場合は術後 3-12 カ月にストーマ閉鎖の手術を行う．
しかし癌が肛門に近いときは，癌とともに肛門も切除せざるをえない．この場合は， 生涯 人工肛門のお世話になること (永久ストーマ) が不可避．

16 トンの場合は癌と肛門の距離は４cm くらい． 肛門を温存するか (括約筋間直腸切除術 ISR 右の図の左)，最初から肛門を切除してしまうか (腹会陰式直腸切断術 右) の判断が微妙． 最近は ISR 選択が主流らしい．

しかし肛門温存手術 ISR で一時ストーマを閉鎖した場合，次のような地獄が待っているという，

*　１日に20-50回トイレに行かざるを得ない / すなわち，急に強い便意が襲う．便を出しきれない感じですぐまた行きたくなる / 空便 (おなら) と実便が区別できない．
*　従って外出できない　/　(...16 トンは無職だが) 仕事の予定を入れることができない．
*　肛門周辺がただれて痛い．

直腸は大便を排出するまでの一時貯蔵庫であり，小便の膀胱に対応する場所である．ISR で直腸の一部あるいは全部を切除すれば，上記の症状が出るのは当然だ．一般的にはこれらの症状は一時的なもので，徐々に改善することが期待できるという．しかし改善に年単位の時間がかかることが多く，全く改善しない場合もある．

16 トンは後期高齢者であり，上記後遺症の克服はかなり困難だろう．残り少ない人生をトイレ通いで浪費したくはないと思えば，肛門切除・永久ストーマに走った方が賢明かも...

もう一点．遠からず訪れる終末期には，シモの世話もヒト様にゆだねる局面が予想される．このとき，ストーマだったら断然 便利なはず !!