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嶋中 労「コーヒーに憑かれた男たち」 中公文庫 (2008/03)
コーヒーに憑かれた男たちとは,自家焙煎珈琲店のあるじで,著者のいう御三家は
関口一郎 (東京銀座カフェ・ド・ランブル)
田口 護 (東京南千住カフェ・バッハ)
標 交紀 (東京吉祥寺もか)
そして別格が,襟立博保である.ただしコーヒーに憑かれた女たちも登場する.
全部コーヒーのことで一冊本が埋まるのかと思ったが,ときどき挿入される関係ない記述が息抜きとして働き,あっという間に読めてしまった.
獅子文六に「可否道」という小説があって,茶道にならってコーヒー道を立ち上げようと言うはなしだった.とにかくこの本ではコーヒーはおいしければいいので,可否道・茶道よりは分かりやすい.とはいえこの本にも「品のあるコーヒー」などが云々され,紙コップは冒涜などという字句も出ては来る.うまい・まずいと良い・悪いは違うという禅問答みたいなくだりもある.
自分は毎朝コーヒーを淹れているので,コーヒーの達人たちの言うことも少しは理解できるつもり.
コーヒーは豆でなく焙煎で決まる
ブルーマウンテンとありがたがることはない
コーヒーは枡で売れ
最後のは,焙煎すればするほど水分が飛んで軽くなるから,重さで売ると売る側は損をするということ.ぼくは深煎りが好きなので,かねがねコーヒー屋さんに悪いと思っていた.
湯を注いでふくれない豆は駄目.スタバは焙煎してから月日が経っているから致命的なんだそうだ.
良いコーヒー豆を何年何十年とおくと幽玄の味をかもすそうで,この本はこのレア・オールドにずいぶんページを割いている.視察に来たアメリカのコーヒー屋が「腐った豆を飲んでいる」とおどろくくだりがおもしろい.こんど東京に行ったらのんでみようか.怖いものみたさに共通する心理だな.
コーヒーに憑かれた男たちとは,自家焙煎珈琲店のあるじで,著者のいう御三家は
関口一郎 (東京銀座カフェ・ド・ランブル)
田口 護 (東京南千住カフェ・バッハ)
標 交紀 (東京吉祥寺もか)
そして別格が,襟立博保である.ただしコーヒーに憑かれた女たちも登場する.
全部コーヒーのことで一冊本が埋まるのかと思ったが,ときどき挿入される関係ない記述が息抜きとして働き,あっという間に読めてしまった.
獅子文六に「可否道」という小説があって,茶道にならってコーヒー道を立ち上げようと言うはなしだった.とにかくこの本ではコーヒーはおいしければいいので,可否道・茶道よりは分かりやすい.とはいえこの本にも「品のあるコーヒー」などが云々され,紙コップは冒涜などという字句も出ては来る.うまい・まずいと良い・悪いは違うという禅問答みたいなくだりもある.
自分は毎朝コーヒーを淹れているので,コーヒーの達人たちの言うことも少しは理解できるつもり.
コーヒーは豆でなく焙煎で決まる
ブルーマウンテンとありがたがることはない
コーヒーは枡で売れ
最後のは,焙煎すればするほど水分が飛んで軽くなるから,重さで売ると売る側は損をするということ.ぼくは深煎りが好きなので,かねがねコーヒー屋さんに悪いと思っていた.
湯を注いでふくれない豆は駄目.スタバは焙煎してから月日が経っているから致命的なんだそうだ.
良いコーヒー豆を何年何十年とおくと幽玄の味をかもすそうで,この本はこのレア・オールドにずいぶんページを割いている.視察に来たアメリカのコーヒー屋が「腐った豆を飲んでいる」とおどろくくだりがおもしろい.こんど東京に行ったらのんでみようか.怖いものみたさに共通する心理だな.
仲間のウィスキー、ワインのように「道」がまだ確立していません。
酒造りをねたにした漫画などから推測すると,洋酒より日本酒の方が「道」が好きのように思えますが.
http://presscity.hp.infoseek.co.jp/cafe-higashi-en.htm