Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

猫だましい

2008-09-04 07:23:24 | 読書
河合 隼雄,新潮社(2000/05)
2002年には文庫になっている.単行本のカバーの招き猫 (村上春樹氏蔵とか) は不細工で可愛いが,文庫本は大島弓子さんの感想マンガつき.

内容(「MARC」データベースより)
古今東西の猫物語を心理療法家の眼で解読すると、人間の姿がくっきり見えてくる。長靴をはいた猫、空飛び猫、宮沢賢治の童話、日本の昔話、100万回生きた猫など、猫をめぐる物語世界を分析。『新潮』連載を単行本化。

猫は怪しい生き物だから,猫が出てくれば,小説も絵本もおとぎ話も漫画も怪しいものになる.心理学者には猫は格好の材料だ.文章がうまいので,この本を読めば原本を読んだ気分になれる.

12ある章のタイトルは内容の見当がつくようになっているが,「とろかし猫」だけはわからなかった.ここのテーマは谷崎潤一郎の「猫と庄造とふたりの女」だった.映画では森繁の庄造役がはまっていた.

「空飛び猫」と「ゲド戦記」が同じ作者による,というのをこの本で初めて気づかされた.ゲドは訳本を買い,その後空飛びを洋書で買ったため.

あとがきに,「店員はすべて猫で,猫の本ばかり売っている猫の本屋などあると愉快であろう」という趣旨の文章があった.猫の店員は無理だが,猫のような女店員ならすぐに揃いそう.

背表紙を見たとき,猫騙し(ねこだまし)かと,はやとちりした.これは相撲の戦法で,立合いと同時に相手力士の目の前で両手をぱちんとやってびっくりさせる手.しょっきりでは良く見るが,舞の海が実際にやったらしい.

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2 コメント

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Unknown (グーグー)
2008-09-06 07:09:07
...は登場しますか
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グーグーさん (16トン)
2008-09-06 17:23:15
グーグーだって猫ですが,ここには古い猫しか登場しません.
もっとも,「新潮」連載当時グーグーがいたかどうかは,微妙という気もしますが.
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