Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

フリッツ・クライスラー

2008-07-31 12:27:19 | 新音律
フリッツ・クライスラーは20世紀最高のヴァイオリニストだ...とH越先生がしょっちゅう言っていた.酔っぱらうとクライスラーのまねをなさったが,いま思うとクライスラーの来日時は産まれておられなかったのではないか
クライスラーは「愛の喜び」「愛の悲しみ」といった小品の作曲という認識だったが,先生に言われてベートーベンのヴァイオリン協奏曲のLP (後でCDに買い替えた) を買った.1926年の録音.遠くの運動会のような管弦楽だが,途中から登場するヴァイオリンは意外にきれいで,癒される演奏.

クライスラーは自分が作曲した小品を,『過去の(忘れられた)作曲家の作品を「再発見」した』と称して演奏した.盗作の逆だから,奥ゆかしいようなものだが,ある批評家が「名曲だが演奏はたいしたことはない」と言ったのを契機に,作曲者詐称が明るみに出たそうだ.

ジャズのプレイヤーは得意のフレーズをアドリブにちりばめるが,クライスラーの小品は,クライスラー・フレーズ (悪く言えば手癖) の連続という感じ.ジャズのブルース・フィーリングには,クライスラーの場合はウィーン情緒が対応する...なんちゃって,自分はウィーンに行ったことはありませんが.でも,このひとはその気になればジャズが出来そうだったのに.

このクライスラーの「ベートーベンの主題によるロンディーノ」をビブラフォンで弾いてみたいと思って,ピアノ伴奏の楽譜を探し出した.このタイトルの「ベートーベン」はやっぱり嘘で,全部彼の作曲らしい.
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