abymanの思考の旅日記

思考に思いついたこと。目に焼きついた風景の日記。

バブー(魔物)のこと

2020-05-14 23:15:29 | 日記

雲がなんか語りかけているように思えた!
衣替え、本の整理をしていたら、18歳の時に書いた短編が出てきた。
片付けするのも忘れて読んでしまう!
「へ〜、こんなこと書いたんや?」

バブー(魔物)

夜、夢をみて泣いた。
どんな夢だったのか思い出せないでいる。
布団に起き上がってもしゃくり上げて止めどなく涙が出てしまう。
喉が詰まり、声を圧し殺す。
嗚咽が天井に当たり、僕の体に戻って来るように思えた。ぐしょぐしょになったベトベトの布団の上で、汗なのか涙なのか手がヌルヌルという感触で滑る。
何故か、父から聴いた『バブーの話』が脳裏に浮かんだ。
父が18歳ぐらいの時のことだ。生まれ育った甑島の切り立った岸壁に1本の大きな木があった。
ある日、村人が、
「あの木にバブーが宿った。恐ろしか!みんな木に近づくと取り殺されるぞ」
村の老婆たちは遠い木に向かって手を合わせて拝んだ。
         つづく


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