2016/3/22-23 天気:晴れ→曇り/雪
メンバー:szt(単独)
五竜に行ってきた.
初日の天気はご覧の通り晴れ.朝一番にゴンドラに乗りアルプス平までやってくる.スキー,スノーボードの人たちも楽しそう.
登山の格好をした人は私以外に3人いた.
地蔵ノ頭よりこれから向かう五竜がよく見える.
地蔵ノ頭には案内板があって火打,妙高がはっきりとわかった.8:50五竜に向けて歩き出す.
一ノ背髪,二ノ背髪を順調に通過.途中追い抜いた地元のおじさんの話では雪はとても少ないそう.今日中に五竜の頂上まで行けるのでは?ということだった.
しばらく歩いていくうちに,鹿島槍が見え始め,
遠見尾根を見渡しながら五竜が望めるようになる.
遠見尾根からは鹿島槍北壁が大迫力で見渡せる.確かに壁がそびえたっていてとてもかっこいい.それにしても写真ではこの迫力が伝えられない.仕方ないか.
中遠見を10:11に通過し,11時過ぎには西遠見山直下まで来てしまう.
雪はとても少なく,連休明けのためだろうトレースもあってコースがわかりやすい.予定ではここらへんにテントをたてて翌日に五竜に向かう予定だったが,天気予報ではこれから先が下り坂.
今までの越後駒,北岳の時の雪の状態や景色の距離感を基に,ここから頂上まで行って戻ってこられると思い,急遽五竜の頂上へ向かうことにする.
ここに戻る時間までは読めなかったので,風も少なそうでブロックも積んであるところにテントを設営する.
11:55幕営地から五竜に向けて出発する.
明るいうちにテントに戻ってこられるといいなと思っていたのだが・・・・
12:03西遠見山を通過.鹿島槍北壁も角度が変わって少し違う印象だ.目的地の五竜頂上も迫ってきた.白岳の斜面は直登するところは雪崩は大丈夫そうな気がする.
12:41白岳の稜線にでる.去年行った唐松岳,唐松山荘がよく見える.
ここからは予想通り風が強い.
12:55五竜山荘に到着.ここで念のためダウンジャケットも着込んでいよいよ頂上へ向かっていく.
風はとても強いがトレースがあり不安はあまりない.アイゼンもばっちり効くし,クラストしているので雪に足を取られることもほとんどない.黒部側をトラバースするうちに所々急な場所はあるがそれほど怖さは感じなかった.
頂上に近づくにつれ雪壁は立ってくる.雪壁越しに鹿島槍が見えたので参考までに.
頂上直下の登りの前に鹿島槍が綺麗だったのでまた一枚.ここから見ると北壁の角度がわかってきてこれまたかっこいい.こんな景色を眺めていると,チャンスがあれば北壁に挑戦してみたくなる.
でこちらが頂上までの道のり.
振り返るとこんな感じ.急ではあるが怖さは感じない.だからと言って落ちたら大変.冷静に頂上を目指していき,,,
14:01山頂に到着した.15時頃までにたどり着ければいいなと思っていたが予想より1時間早かった.
頂上の雪庇はこんな感じ.きっと今年は雪が少ないのだろう.そうでなければ初日のこの時間にここまで来られないはずだ.
剱,立山,薬師?がよく見える.
それぞれアップで撮ってみた.
鹿島槍はもちろんのこと,槍もみえる.方向的には北鎌越しの槍なのか?
去年行った唐松岳だ.あの時もこんな感じで眺めは良かったっけ.でも今日の方が風は強くて雪が少ないか.
軽く栄養補給,水分補給をして下り始める.そういえば今日はあんまりお腹が空かない.北岳の時とは比べ物にならないくらいパワーを使っていない気がする.
この尾根登ってきたんだな~
まずは五竜山荘を目指して冷静に降りて行こう.
15:01五竜山荘に到着.途中クライムダウンを交えたり,ダブルアックスでトラバースしたりと冷静に楽しみながら下ってきた.吹き上げてくる風が強く,下りだというのにそれほどスピードは出せなかった.小屋の陰に隠れるだけで体感気温がまるで違う.
白岳の頂上付近には15:17.
白岳の稜線を超えるともう風はほとんどなく,時折強い風が吹き付けるだけになる.
明るいうちにテントに着けそうだ.と思いながら下っていく.しかし,,,
戻ってみるとテントがない.
テントの固定が甘かったらしく,テントは跡形もない.中に食糧,シュラフ,ストーブ類を入れていたがそれらも全くない...
慌てて頂上アタックを決めたため,がっちりペグで固定しなかったのがいけなかったみたい.風はそんなに強いところじゃないと思ったんだけど・・・
この時点で15:45.この天気からすると,暗くなる前にはアルプス平にたどり着くことはできるが・・・
前夜の天気予報で崩れるのは翌日の昼頃からとのことだったので,ビバークすることにした.
ところが,ラジオの夕方の天気予報では0時以降に崩れ始めると・・・
予報通り雪が舞い始め寒い一夜を過ごすことになった.
翌日は5時過ぎにビバーク地をあとにする.
昨晩の天気予報通り視界はとても悪かった.GPS持っていたからいいけど,持ってなければとても降りられるような天気ではなかった.
写真は中遠見の辺りで6:16.
五竜の方向を見るが全く見えない.
歩いていて思ったのは,視界がきかないと地蔵ノ頭へ向かうところが非常にわかりづらかった.
何とかアルプス平駅にたどり着く.始発のゴンドラで車まで戻り無事下山することができた.
スキー場のゲレンデはGPSなしでは歩くことはできなかった.本当にGPS様々であった.
でもそれ以上に初歩的なミスをしないようにしなければ.天気が日程の後半で崩れることがわかっていたから焦りを生んだのだろう.振り返ると下山のための地形確認もおろそかにしていたと思う.
課題の多い山行であった.そして失った装備を取り戻すための出費も多そうだ・・・
szt