この時期は、この1年間の反省と、4月からの新年度の展望(というよりももっと具体的な目標やそれを達成するための手法)をつめるための面談を多数行っています。
そういう中、(正直なことを言えば)「またか」というような質問をされることがたまにあります。
それは「家で子供がちっとも勉強しないんです」
や
「やる気が起こらないんです」
や
「勉強の仕方が分からないんです」
などなど。
もう一度言いますが、こういう問いかけやら愚痴を聞いた時の正直な感想は「またか」です。
それは何故でしょうか。
「家でちっとも勉強しない」のは、考えるまでも無くそのご家庭の中の話であって、外部の人間がああだこうだいっても、それを監視するわけでも出来るわけでもないですから、会話が一方通行になるしかありません。
それでもこれまでは何度も「学習塾としての具体的な案」を提示してきましたが、結果がどうであったかというと、せいぜい1ヶ月もそれが出来ればよい方で、でもいつの間にか元の状態に戻ってしまい、「家でちっともやらない」になってしまいました。
考えてみれば当り前な話で、「家でやらない」のは、その家の中における生活慣習やサイクルのあり方の問題、ひいては保護者の指導力などに起因するのであって、外部の者が示す対症療法的な策でどうこう出来るものではないからです。
「やる気が起こらないんです」なども同じ系統の話です。
「やる気」は、それをする本人の力で、その内部で培うもので、たとえ相手が学習塾であっても、外部に「気」のきっかけを求めることは、やはり少し違うと思います。
まあ、それでも具体的なことを交えて二つ三つ役立ちそうな案を示すことが出来ないではないですが、でも上の例と同じで、たとえそれで少しうまく行ったとしても、やはりいつの間にか元の状態に戻ってしまい、やっぱりいつの間にか「やる気」がどうのという話になってしまうでしょう。
敢えてきついことを、しかしこれまでの経験からの想像も交えて言えば、「やる気が起こらなくて」などという人の殆どは、そもそも真剣にそれに向き合い、それを解決しようという姿勢すら疑問です。
これは「勉強の仕方が分からない」も同じですが(そういう生徒の殆ど総てが、一日あたりの勉強時間が極端に少ないか、すくなくとも平均以下ですし、教科書をマトモに読み込んでもいません)、安易に外部に弱さを曝け出す前に、自分自身をまず省みて、そこにある問題を見つめ、自分はそこで何をどうすべきなのかということを自分自身で一度(本当は何度でも)熟考することから始めるべきだと思います。