夏休みも後数週間というところで、前期の中間評価が発表になり、面談が始まる時期となりました。
中3生はいよいよ進路について考えなければならない時が来ました。
昨年度までは前期選抜があったため、なるべくなら受験をせずに楽に済ませたい・・・とランクを落として、あくまで前期狙いで決める生徒も少なからずいました。
どのように学校を決めるかは各家庭での考え方もそれぞれであり、その決定に関して批判は出来ませんが、安全圏狙いでランクを下げることのデメリットもお考えいただきたいところです。
というのは、数年前の実際の話でしたが、入学してから大変になってしまったという話しがあります。
その生徒は前期選抜でなんとしても合格を決めたいとの思いから、自分の実力よりかなり下の学校を志願し無事合格しました。前期合格という生徒自身の目標が無事達成され、本人やご家族にとっては言うことなしだったと思います。ところが、入ってからが大変でした。実際入学して、授業を受けていても、本人は中学の時のように普通に授業を受けていたようですが、なんと周りの生徒からは「いいこぶりっこ」と見られるようになり、クラスメートから嫌われるようになってしまいました。学力の差もあるため、先生からは気に入られていることが他の生徒には面白くなかったせいもあるようでした。結局彼女は、分かっていても分からない振りをするようになり、あえて不真面目な態度をとるようになっていきました。
もちろんランクを下げて入学すればこのようなことに必ずなるわけではありません。
ただ、受験のストレスを減らすことばかりを優先して希望校を選ぶのもどうかと思うのです。
高校はその後の人生の進路(大学、就職、資格を取るなどなど)への橋渡しをする大切なところでもあります。
高校の決定にはその先の可能性をなるべく広げられるようなところを選ぶのも悪くはないのではないでしょうか。
高校には大学からの指定校推薦も来ていますが、当たり前の話、よりランクの高い学校には難関大学からの推薦枠がたくさんあります。
また同じ高校生でも学校のレベルによって、使う教科書のレベルも全く違います。
上位校とそうでないところでは、極端な言い方をすると、大学入試レベル~中1並みぐらいの差になります。
それで、いま申し上げた事実に加え、先の生徒のような実例も踏まえて、せっかく実力があるならば、それに見合ったところ、あるいはちょっと上のところをぜひとも考慮に入れていただきたいと思うところです。