よく思うことの一つに、今の生徒は実によく教科書を読まないな、という嘆息があります。
「よく読んでいるなあ」ではありません。
「読んでいないなあ」です。
それでいて、「勉強の仕方が分からない」なんていう台詞がたまに出てくることがあります。
そういう時、最近ではもう遠慮なく「まずは教科書をしっかり読みなさい。話はそれから」と言います。
教科書だけでなく、一般に本を読むという行為の中から得られるものの量(したがってその価値)は膨大なものがあります。
よく勉強の出来る人は、教科書のページの中のどの箇所が重要か、反対にどのあたりがそれほどでもないかが、あたかも立体的に目に飛び込んででもきているのではないだろうかと私には思えます。
実際、ある一橋大学の学生が教科書を読んでいるサマをじっくり観察した時に、私はそれを確信したことがあります。
彼は、「あ、この部分は重要」「ここは飛ばしても可」といった感じで能動的にそれを読み込んでいたのです。
ただ眺めているのとは全く違う読み方というものがそこにはありました。
で、そういうものを参考に、さらにそれらを組み立て直した、いわば教科書読みのメソッドとでも呼ぶべきノウハウをACSでは取り入れて、あれやこれや様々な教材等を乱用しないで済む勉強を日々積み重ねています。
大雑把かもしれませんが、一定レベルの範囲の県立高校入試であれば、教科書をしっかり読みこなすことで十分にこれにパスすることの出来る力は付けられると私は思います。