楽しみな塾生がいます。
塾生は基本みんな楽しいのですが、彼の場合、のんびりゆっくりの性格プラス、入会してくるまで勉強らしい勉強を系統立ててやってきた形跡が極めて乏しく、その点で葉ハンデを背負っていました。
入会後、かれこれ1年が過ぎましたが、はじめの半年はやっていて実際何度途中で諦めようとしたかわからないという悲惨な状態でした。
そんな彼を「楽しい」という目で見られるようになったのは、そこはやはりテストの点数や成績面の目に見える向上があるからですが、それだけではありません。
最初あれだけ勉強に対する忌避の態度が激しかった彼が、最近のテストの結果に着実な手ごたえを得てくるに従って、塾以外の場所~自宅でも一人でコツコツ自学を積むことができるようになってきたのです。
はじめの段階が、彼の中に勉強に対するきっかけとでもいうべき種蒔きをすることにあったとすると、今の彼は蒔かれた種からはっきりとした芽が出てきたところといえます。
これを、学校の先生や私たち塾の人間の目の届かない自宅においてできるようになってきたことは、これから確実にそこに大きくて強い生命力の花が咲く準備が整ってきているということであり、それが現在進行形で良い方向に進みつつあることが「楽しい」理由なんです。