暗記させろ!

2022-09-14 10:43:38 | 学習塾・勉強の仕方

小中学生がなにかの科目を勉強するとき、初めにやらなければならないことは、大抵の場合暗記です。暗記する作業、暗記の努力と言っても良い。応用問題に進むのは、この暗記作業を終えてからです。なにがしかの理由があったり時間が切迫しているときは、暗記すべき項目を見ながら応用問題に取り組むということもありますが、それにしてもその暗記作業は事後にちゃんとやっておかないと後悔します。ここでいう後悔とは、類似の問題が出てきたときに、暗記項目がすっと出てこないためにいともたやすくそこで躓いたり足踏みしてしまうということです。

暗記するものはたくさんあります。国語なら漢字、言葉の意味、文章を作るときや読むときの約束事(これを文法といいます)など、数学なら公式、社会と理科は教科書に出てくるほぼ全ての言葉、数字、その関係など、英語は単語(書くときに必要なスペル、アクセントを含む読み方、それに勿論訳)。

昨日書きましたが、今どき安直にスマホなどを教室に持ち込んで、これを見ながら設問の答えの欄を埋めていき、それで何かが出来た気になる子がいますが、彼らの殆どはこれがただのカンニングであって、そこで必要な暗記作業を置き去りにしたままでは何の意味もないことになかなか気づきません。気づいてもこれ(暗記作業)に手をつけようとしません。

この作業を何の苦もなくやってのけられる子もいます。昔の私がそうでした。講師たちのほぼ全員がそうであったか、あるいはもしそうでなかったとしても、彼らはこの一見面倒で苦痛な作業から逃げ出すことはせず、すべきときにはすべきことをやって、そして今に至っていますから、各自各様のやり方や工夫が身についています。彼らは教室で、これをおしみなく開陳します。

20年ほど前になりますが、天王町の教室で、あるお母さんが毎日のように「(子供が)家で勉強しないんです」といって電話してきたことがります。私が「何をしているんですか」と聞き返すと「ゲームばかり」。このおかあさんが言うところの「ちっともやらない勉強」とは、即ち暗記作業です。極めて単純な作業です。ゲームは出来て、単純な作業はできないといって、親はゲームを買い与えられても子供の顔色をみて言うべきことも言えないなら、ここで決めるべきはもう諦めて子供のオレ様世界を許してしまうか、一念発起して子供との対決の修羅の道に踏み込むかのどちらかです。

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