琉球新報の【<社説>定年延長の閣議決定 撤回こそ信頼回復の道だ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1130411.html)。
永田健特別論説委員による、西日本新聞のコラム【時代ななめ読み/「検事とマージャン」で考えた】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/612849/)。
《黒川弘務前東京高検検事長の賭けマージャン問題を受けて、森雅子法相が「法務・検察行政刷新会議(仮称)」を法務省内に設置する意向を示した。検察に対する信頼回復が目的だという。ただ、会議で何をするかは明確ではない。法相は、信頼が揺らいでいる原因を衆院法務委員会で問われ「原因をはじめ、これから必要な検討を開始する」と答えていた。刷新を名目にして、見当違いの方向に議論が進んでいかないか、疑念を抱く》
《「検事長と記者が賭けマージャンをするほど『ずぶずぶの関係』になってしまうというのは、報道の在り方として適切なのか」 今回はそこを考えた。われわれ報道人にとってかなり厄介な問題なのだ。…「検事長と定期的にマージャンする記者…すげえ」 正直なところ、これが私が最初にこのニュースを聞いた時の感想だった。…私のこのコラムは「できる記者」からは「食い込む力のないやつが何を言ってる」と片付けられるかもしれない。力のなさは認めるが「できない記者」だからこそ見えてくるものもある、と反論しておこうか。(特別論説委員・永田健)》。
この琉球新報の社説は云う。《現状は、法秩序の維持をつかさどる法務省が秩序を壊す側に回っている。法治主義の危機だ。そこを是正することこそ急務である。安倍晋三首相や森法相の責任を厳しく追及しなければならない》、と。「ある」けど、「とらない」…《余人をもって代え難い-》と言い続けたアベ様と森雅子法相の責任は極めて重大。
西日本新聞の社説【法務行政の刷新 検察の体質改善も必要だ】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/612999/)も、《何をどう反省し、組織をいかに立て直すのか。政府の問題認識が判然としない。もし事実関係を曖昧にしたまま幕引きを急ぐ狙いなら、国民の不信感はむしろ増すばかりだ》と。今回も、アベ様らは、泥縄をやろうとしていると思います。
東京新聞の社説【首相と訓告処分 責任逃れの度が過ぎる】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/32187?rct=editorial)も、《賭けマージャン問題で辞職した黒川弘務前東京高検検事長の訓告処分は誰が決めたのか。安倍晋三首相は任命権者でありながら、法務省の判断だと繰り返し説明する。責任逃れの度が過ぎないか。賭けマージャンは刑法が禁じる賭博だ。人事院の懲戒処分指針は賭博をした職員は「減給または戒告」、常習的に賭博をした職員はさらに重い「停職」と定める。発覚前に自主的に申し出た場合などは処分の軽減もあり得るが、「職責が特に高いとき」や「公務内外に及ぼす影響が特に大きいとき」などは、逆に処分を重くする、としている。黒川氏の処分は人事院の指針ではなく、法務省の内規に基づく訓告とされ、処分が軽いとの批判が与野党や国民から噴出している》。
金平茂紀さん「コロナ自粛の最中、賭けマージャンをしていた黒川弘務元東京高検検事長に《訓告》という超軽い処分…頭がクラクラしてきます。ウィルスのせいではありません。魚と組織はアタマから腐ると言われています」。組織が腐るはずです、だって、アベ様という〝おカシラ〟が腐っているのですから。
『●《検察官というのは法を犯した人を起訴できる唯一の仕事であるはず
なのに、その人が、かけ麻雀…しかも事実を伝えるべき仕事の新聞記者と》』
賭けマージャンという、クラッシュなこの結末のもう一つの驚きは、産経新聞および朝日新聞の記者の関与。
《大竹しのぶは22日、インスタグラムに「検察官というのは法を犯した人を起訴できる唯一の仕事であるはずなのに、その人が、かけ麻雀をしていたなんて、しかも事実を伝えるべき仕事の新聞記者と」と記し「自粛を守り、沢山の人が苦しい思いをしています。長い間守ってきたお店を閉めた人、面会することも許されず、病院で亡くなった方もいることでしょう。先が見えずに命を絶ってしまった方もいました。犯罪に走った人も。そして命をかけて働いている医療従事者の方たち、明日からどうやって生きていけばいいのか、途方に暮れている人たち。そんな人がいる中で、なぜ麻雀ができるのだろう。わからない」とつづっている。新聞は沈黙し続けるのか》?
『●「平成の治安維持法」…「一般人がこの国からいなくなり
嫌な世の中になるのは時間の問題」(政界地獄耳)』
《★衆院法務委員会は28日の理事会で、5月2日に法務委員会を
開くことを同委員長・鈴木淳司の職権で決めた。連休中だが共謀罪の
審議はこの間も行われる。同日の同委員会では、法務省刑事局長・
林真琴が共謀罪の適用について「携帯品や外形的事情で区別される」
と判断基準を説明。法相・金田勝年は「花見であればビールや弁当を
持っているのに対し、下見であれば地図や双眼鏡、メモ帳などを
持っているという外形的事情がありうる」と具体的な判断を述べた。
野党は「外形上区別がつかず、内心を処罰されることにつながる」
と反発を強めた》
新しい東京高検検事長について。虎は倒れたが、後門の狼だったのか…反アベ様派と聞いていたのに。
マガジン9【言葉の海へ 第120回:安倍内閣と「青木の法則」(鈴木耕)】(https://maga9.jp/200527-4/)によると、《「民主党時代の悪夢」とは、安倍首相の常套句だが、しかし、ぼくにとっては「アベノアクム」のほうが何倍も恐ろしかった。そのアクムに、もうじき幕が下りようとしている…。最後に、これだけは書いておかなければならない。黒川弘務氏の後任には、林真琴名古屋高検検事長が充てられる。だが、それで一件落着とはならないのだ。林氏は、あの悪名高い、いわゆる「共謀罪」の成立に力を注いだ人物である。盛り上がった「共謀罪反対」の声を叩き潰した当の本人であることを、ぼくは忘れてはいない》。
『●アベ様マネー1.5億円の原資は? その一部はアベ様や自公に《還流》?
そりゃぁ、賭けマージャンな黒川弘務氏を検事総長にしたいよねぇ』
『●金平茂紀さん《…政府の方針、頭がクラクラしてきます。ウィルスのせい
ではありません。魚と組織はアタマから腐ると言われています》』
何度でも引用。金平茂紀さん、「コロナ自粛の最中、賭けマージャンをしていた黒川弘務元東京高検検事長に《訓告》という超軽い処分、さらに、コロナ対策の専門家会議の議事録を作らないという政府の方針、頭がクラクラしてきます。ウィルスのせいではありません。魚と組織はアタマから腐ると言われています。考え直しては如何でしょうか」(報道特集、2020年5月30日)。
『●検察庁法改正案を廃案に! 〝見送り〟ではダメ! 一括化・
継続審議、アベ様は「検察」の「け」の字も口にせず…どこまで姑息なのか!』
《本紙にこの情報をもたらしてくれたディープスロート氏が、
再び連絡して来て、こう漏らす。「『アクセスジャーナル』で
この還流疑惑が報じられたことは、官邸はもう翌、土曜日には
知っていた。還流疑惑は公明党関係者へもあるのだから、そりゃあ、
山口那津男代表が与党なのに検察庁法改正案に沈黙するのも無理ないよ。
昨日、今国会での見送りが急浮上。結局、安倍首相と
二階俊博自民党幹事長が決めたんだ」》
『●公選法違反な河井克行元法相夫妻、賭けマージャンな黒川弘務
東京高検検事長、選挙妨害で《民主主義の根幹を壊す犯罪行為》なアベ様』
これも何度でも。山岡俊介さん【<主張>検察庁法改正案、今国会断念もーー検察は還流疑惑追及の手を緩めるな!】《真相は、本紙が5月15日に報じた、「河井夫婦公選法違反事件の闇」(1・5億円の一部が還流!?)の件がひじょうに効いてのことであるという》。「還流」ですよ、ひっどいものです。さて、誰に「還流」したんでしょうね? アベ様や自公への《還流》?
アクセスジャーナルの記事【<お知らせ>本紙・山岡、「安倍事務所へ1・5億円一部還流疑惑、黒川前検事長ワイロ疑惑」でインタビュー受ける(IWJ/岩上安身代表)】(https://access-journal.jp/51502)によると、《本紙既報の、河井夫婦への1・5億円の選挙資金の一部が安倍事務所に還流されたのでがないか、そして黒川弘務前東京高検検事長の刑事事件に関してのワイロ疑惑について…実に3時間近くインタビューを受けた》。
さらに、アクセスジャーナルの記事【<記事紹介>「公職選挙法違反に関与も…安倍総理『電撃逮捕』衝撃シナリオ」(『週刊大衆』6月15日号)】(https://access-journal.jp/51513)によると、《『週刊大衆』(双葉社)の「旬NEWSワイド」コーナーの1本ながら、安倍晋三首相が逮捕される可能性があるという衝撃的な記事が載っている。こんな記事が、キオスクやコンビニでも売られている週刊誌でも報じられるのは初めてのことではないか》。
また、日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/G7→隔離→夏休み…トンズラ首相】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202005300000027.html)によると、《★いずれも集まることの意義は認めながらもトランプの大統領選挙のための写真撮影に付き合うだけでワシントンに向かい、帰国してから2週間の隔離に付き合うほど暇ではないとの認識だろう。さて官房長官・菅義偉も「検討中」としているが、25日の会見で首相・安倍晋三は「諸般の事情が許せば出席する」と極めて前向き。行きたくてしょうがないのだろう。また長官は日本政府が帰国者全員に求めている2週間の隔離待機を「仮定の話に答えることは差し控える」と妙な言い回しでかわした…国民がこれから苦難の道に突入する時に国会を閉じて外遊、そのまま夏休みとはトンズラ首相としか言いようがない》。
『●逃げるは恥だし役立たず、国会からも「トンズラ総理」…
「所信表明も代表質問も拒否」な国会軽視の横暴』
『●アベ様らが《霞が関官僚》を支配して堕落させ、《国会の質疑、
ひいては、国権の最高機関たる国会の存在価値それ自体を貶め》た』
「国権の最高機関で《信号無視》を続けるアベ様…、
#募ってはいるが募集はしてない。両者は違いますよ、とでも
アベ様御得意の閣議決定しそうで怖い。で、(サンド伊達さん風)
「日本語における《募集》と《募る》が明確に異なることに
つきましては、先ほど、トランプ大統領と電話会談を行い、思いは完全に
一致しました」といった具合か? 松尾貴史さん、
《国会ドラマ「逃げるは恥だし役立たず」》」
『●#COVID19 記者会見モドキから「逃げるは恥だし役立たず」…
《首相動静 29日…6時、記者会見。7時12分、自宅。》』
《… →夏休み》ではなく、「… ➙ #さよなら安倍総理! #犯罪者は刑務所へ!」であってほしい。切に願っている。
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【https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1130411.html】
<社説>定年延長の閣議決定 撤回こそ信頼回復の道だ
2020年5月30日 06:01
黒川弘務前東京高検検事長の賭けマージャン問題を受けて、森雅子法相が「法務・検察行政刷新会議(仮称)」を法務省内に設置する意向を示した。検察に対する信頼回復が目的だという。
ただ、会議で何をするかは明確ではない。法相は、信頼が揺らいでいる原因を衆院法務委員会で問われ「原因をはじめ、これから必要な検討を開始する」と答えていた。刷新を名目にして、見当違いの方向に議論が進んでいかないか、疑念を抱く。
問題の根幹は検察庁法に反して黒川氏の定年を延長したこと、時の政権の判断で検察官の定年・役職定年の延長を可能にする検察庁法改正案を国会に提出したことにある。
黒川氏は賭けマージャンが発覚して辞職した。検察庁法の改正を含む国家公務員法改正案は廃案が検討されている。仮にそうなったとしても、違法な閣議決定が手付かずのままでは、今後もあらゆる場面で同様の無法が繰り返される懸念が消えない。一刻も早く取り消す必要がある。
最大の問題は長年にわたって受け継がれてきた法律の運用を一内閣の判断で180度変えてしまったことだ。
検察庁法22条は「検事総長は、年齢が65年に達した時に、その他の検察官は年齢が63年に達した時に退官する」と明記している。退官しないという選択肢はどこからも読み取れない。
にもかかわらず政府は国家公務員法の定年延長の規定を強引に適用した。定年退職を定める同法の条文には「法律に別段の定めのある場合を除き」とあり、検察庁法で定年の年齢を定める検察官は対象にならない。これらは長年踏襲されてきた自明の解釈だ。
検察庁法に定年延長の規定がないので国公法を適用するのは問題ない―という政府の論法はこじつけ以外の何物でもない。つじつま合わせができなくなって「解釈を変更した」と言い出した。
法律でできないとされていることをできるようにするには法を改正するしかない。解釈の変更には限度がある。正反対に変えるのは立法権を侵す越権行為だ。
これが許されるなら、国会で制定された法律の運用を時々の内閣の判断でいかようにも変えていいことになる。「法の支配」が破壊され、三権分立は形骸化する。
現状は、法秩序の維持をつかさどる法務省が秩序を壊す側に回っている。法治主義の危機だ。そこを是正することこそ急務である。安倍晋三首相や森法相の責任を厳しく追及しなければならない。
刷新会議で真っ先に取り上げるべきなのは定年を延長した閣議決定の取り扱いだ。検察庁法改正案に反対する意見書を提出した松尾邦弘元検事総長らを委員に加え、冷静に議論した方がいい。
閣議決定の撤回こそが信頼回復につながる第一歩であり、唯一の進むべき道だ。
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【https://www.nishinippon.co.jp/item/n/612849/】
時代ななめ読み
「検事とマージャン」で考えた
2020/5/31 11:00
西日本新聞 オピニオン面 永田 健
黒川弘務前東京高検検事長が記者と賭けマージャンをしていたことが発覚し、辞職に追い込まれた。
そもそも賭けマージャン自体が違法であるし、緊急事態宣言の発令中に「3密」状態で遊んでいたのもよろしくない。ただ、私にとって切実に感じられたのは次のような論点である。
「検事長と記者が賭けマージャンをするほど『ずぶずぶの関係』になってしまうというのは、報道の在り方として適切なのか」
今回はそこを考えた。われわれ報道人にとってかなり厄介な問題なのだ。
◇ ◇
「検事長と定期的にマージャンする記者…すげえ」
正直なところ、これが私が最初にこのニュースを聞いた時の感想だった。
新聞社の伝統的な価値観とは-。「記者は特ダネを書いてナンボの存在。特ダネを取るには、情報が集まる当局(捜査機関、役所、政府、与党など)の幹部に『食い込む』ことが絶対に必要だ。だからあの手この手でお偉方に食い込め!」
この価値観に従えば、最もガードが堅いとされる検察組織の最高幹部とマージャンする関係を築いていた記者は、飛び切りの「できる記者」だ(実際、ここまで食い込むには並の努力では無理)。こんな「食い込み至上主義」が現在も報道機関を覆っている。
しかし弊害もある。食い込んだ記者はしばしば取材対象やその組織の論理にからめ捕られる。情が移ることもあって、相手を批判する距離感を見失いがちだ。
「取材対象の問題点を暴かないのなら、何のための食い込みか」「食い込んだようで情報操作に利用されているのではないか」などの指摘は、今回のマージャン問題に登場した「できる記者」にも当てはまる。
◇ ◇
もう一つ考えておきたいのは「食い込み」によって得られる「当局密着型特ダネ」の質の問題である。
実は当局の幹部に食い込んで取ってきた特ダネの大半は「他のメディアより半日早い」特ダネなのである。明日の午後に当局が発表する内容を先んじて明日の朝刊で報じる、というようなことだ。紙面づらは見栄えが良く社内の評価も高いが、読者や視聴者が「半日早い」をどれほど求めているかは疑問である。
一方、最近のメディア界には、こうした「当局密着型特ダネ」とは違った「問題提起型特ダネ」の流れがある。例えば子どもの貧困、非正規労働者の苦境、中年引きこもりなど、見過ごされがちな社会事象を「実は大きな問題なんですよ」と初めて提起する報道だ。
1面の大見出しで読者を驚かすことはないが、世間に「問題」の所在を知らしめ、解決への糸口をつくるという点で価値は高い。お偉方とマージャンしてもその種の記事は出てこない。
◇ ◇
検事長とマージャンした記者を「すげえ」と思った私も含め、報道機関は自ら問い直すべきなのだ。今求められている特ダネとはどんな記事か。これまで通りの価値観で労力をつぎ込み続けていいのか-。
私のこのコラムは「できる記者」からは「食い込む力のないやつが何を言ってる」と片付けられるかもしれない。力のなさは認めるが「できない記者」だからこそ見えてくるものもある、と反論しておこうか。
(特別論説委員・永田健)
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