[※ 「一本化しなくていいです マイナ保険証に「No!」」(週刊金曜日 1486号、2024年08月30日) ↑]
(2024年11月24日[日])
税金をドブガネ。マイナポイント (← コレも私たちの税金) で〝釣り〟、従来の保険証を廃止して、マイナンバーカードを強制する…一体幾らの税金をドブガネすれば気が済むのかね。資格確認書という「裏保険証」(🄫荻原ひろ子氏)で対応すれば十分ということは、従来の保険証でいい訳で、壮大な税金の無駄遣いだ。(長周新聞)《現行の保険証を残す方が経費も事務負担もなく済む》。
福岡範行記者による、東京新聞の記事【保険証「廃止」のために税金388億円消える 「やめるだけ」とはいかなかった…誤算続きのマイナ一本化計画】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/367301)によると、《マイナ保険証の導入のため国が2014〜24年度に投じた8879億円のうち、現行の健康保険証廃止に伴って発生した費用は388億円に上っていた。多くは、保険証代わりとなる「資格確認書」関連の経費だった。現行の保険証廃止で生じるマイナ保険証の穴をふさぐために、多額の税金が投じられていた。(福岡範行)》。
カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党は一体どこまでドブガネする気かね? さっさと、「紙の保険証の廃止」を廃止 (← 延期ではない) すればよいだけ。
東京新聞の記事【保険証「廃止」のために税金388億円消える 「やめるだけ」とはいかなかった…誤算続きのマイナ一本化計画】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/367301)。《◆「名称以外に大きい変更はない」けどカネはかかる ただ、現行の保険証を残していれば、そもそもシステム改修は不要だ。券面に印字される内容も、現行の保険証とほとんど変わらない。川崎市では保険証と取り違えて発送したほどだ》。
長周新聞の記事【現行の健康保険証を残せ マイナカードの強制普及 医療機関で命にかかわるトラブル続出】(https://www.chosyu-journal.jp/shakai/32757)。《現行の保険証が廃止(新規発行停止)される12月2日まで残り1カ月を切っている。国民のだれもが必要な健康保険証を廃止することでマイナンバーカードの利用率を高めることを狙ったはずだったが、実力が追いつかずトラブルが続出しており、9月のマイナ保険証の利用率はわずか13・87%にとどまっている。批判世論の高まりのなかで、マイナ保険証を持たない人に発行する「資格確認書」の有効期限も当初の1年から5年に延長されており、マイナ保険証をつくらず資格確認書を待つ判断も広がっている。国民の根強い抵抗によって「健康保険証のデザイン切り替え」のような結末になりそうな雰囲気でもある。医療機関側の準備もまったく整っていない。であれば、現行の保険証を残す方が経費も事務負担もなく済むわけで、「保険証を残せ」の声はますます強まっている》。
『●岸田文雄首相も河野太郎大臣も、錯乱していないか? 《マイナンバー
カードに一本化》したりせず、《現行の健康保険証》のままで良い』
『●ズブズブ壺壺ヅボヅボでない自民党議員はほぼ居ないようだが、《「政治
とカネ」の疑惑を抱える》議員も多数で、キシダメ首相自身も…』
【政界地獄耳/いまこそマイナカードの出番!?「政治とカネ」で問われる
自民党の政権担当能力】…によると、《★次の更迭候補は
「政治とカネ」の疑惑を抱える復興相・秋葉賢也といわれるが、
ここにきて週刊文春が昨年の衆院選の選挙運動費用収支報告書に
白紙の領収書94枚が添付されていると指摘。首相自身にも
公職選挙法違反の疑いがもたれた》
『●(東京新聞)《学業や研究とは関係のないマイナカードの使用状況で、教育
施設に与えるカネの多寡を決めるというのだ。道理が通る手法だろうか》』
『●「監視社会ならん!市民ネット沖縄」《…国民に不安と不信をもたらす
マイナンバーの制度そのものを根本的に見直し廃止することを求めます》』
『●《政府の対応が批判されると、河野は「日本だけデジタル化に背を向ける
ことはできない」と意味不明なことを言い出した。フルスロットルの…》』
「《河野太郎デジタル相は「(トラブルは)マイナンバー、
マイナンバーカードのシステムの仕組みに起因するもの
ではない」として、悪いのは登録を誤るなどデータを
入力した人間、ヒューマンエラーだという立場を崩して
いない》…SNSでは、河野太郎氏こそ「エラーヒューマン」
との、もっともな指摘が。」
『●自公お維コミの皆さん、《まずは政治家の政治資金の出入りを、政治家が
大好きなマイナンバーカードにひもづけて透明性を高めたらいかがか》』
『●自公お維コミ国会議員や地方議員がまずはマイナカードを取得して見せて
は? …琉球新報【<社説>マイナカード返納 保険証廃止を撤回せよ】』
『●【<ますます迷走マイナ保険証> 防大内部告発・「処理水」放出・大阪万博
・「捏造」大川原化工機【山田厚史の週ナカ生ニュース】】…落ち込むょ』
『●《マイナンバーカードの交付責任者を務めたこともあるという都内自治体
…男性職員…「保険証廃止といった暴論は想像していませんでした」》』
『●2015年の日刊ゲンダイ【マイナンバー「1兆円利権」山分け 制度設計7社
と天下り官僚】…《納税者番号(財務省)、…運転免許証(警察庁)など…》』
『●アベ様のお友達・新浪剛史氏、キシダメ首相の「聞く力」に期待…健康保険
証の来年秋廃止について《納期》までに《ぜひとも仕上げていただきたい》』
『●(こちら特報部)《経済同友会の新浪剛史代表幹事…あたかも財界が政府
に保険証廃止を発注し、その納期を守れと言っているようにみえる…》』
『●《「マイナ保険証」の国家公務員の利用率…当の厚労省すら昨年11月の
利用率は4・88%》…「エラーヒューマン」河野太郎氏によるドブガネ』
『●傲慢な「エラーヒューマン」氏「イデオロギー的に反対の方はどうやった
って反対…」、山田厚史さん「イデオロギー的に賛成する者達が推進…」』
『●傲慢な「エラーヒューマン」大臣による「マイナ保険証」ごり押し…《政府
方針に従わない医療機関を探して「密告」を促す手法には背筋が寒く…》』
『●《イデオロギー的にどうしてもやりたい政府中枢》…なぜ強制されねばならぬ
のか? 傲慢な「エラーヒューマン」大臣による「マイナ保険証」ごり押し』
『●マイナ保険証ごり押し「エラーヒューマン」←《トラブル時の対応は「…健康
保険証で確認した」…健康保険証の廃止について「保険証は残すべきだ」》』
『●マイナ保険証ごり押し「エラーヒューマン」氏はマトモじゃない…現行
の保険証で十分なのに、12月の健康保険証の新規発行停止という狂気…』
『●《河野氏…保険証廃止の方針…「大臣間で適宜、意見交換はしていた」と説明。
一方で、大臣間の協議の事実を裏付ける記録は「ありません」と断言》』
『●《政府の国民生活審議会が1970年11月に提出した答申…「…」「情報の独占
に対する不安感やプライベートな情報の利用面に対する不安感が増大する」》』
『●武田砂鉄さん《【マイナ保険証】総裁選中「先送りの検討も必要」
現在「法に定められたスケジュールで進めていく」》…息吐く様に“変節回答”』
『●《国民の理解や納得をおざなりにしたツケ》…マイナポイントで〝釣り〟、
従来の保険証を廃止して、カードを強制する…その歪みの被害者が続出』
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/367301】
保険証「廃止」のために税金388億円消える 「やめるだけ」とはいかなかった…誤算続きのマイナ一本化計画
2024年11月16日 06時00分
〈シリーズ 検証マイナ保険証〉
マイナ保険証の導入のため国が2014〜24年度に投じた8879億円のうち、現行の健康保険証廃止に伴って発生した費用は388億円に上っていた。多くは、保険証代わりとなる「資格確認書」関連の経費だった。現行の保険証廃止で生じるマイナ保険証の穴をふさぐために、多額の税金が投じられていた。(福岡範行)
〈主なトピック〉
・名称が違うだけ
・欠点補うため2枚持ち
・107億円かけたのに「ややこしく」
・見えないコストって何
・「無保険」怖い
・配って終わりじゃない健保の仕事
・本人も知らぬままに…
◆マイナ保険証を持っていない人すべてに「資格確認書」
(10月下旬、新聞に掲載された資格確認書についての政府広報。
政府のマイナンバーPRキャラクター「マイナちゃん」が
資格確認書とマイナンバーカードの2枚を持っている(由木直子撮影))
388億円は、厚生労働省が2022、23年度の補正予算に計上していた。このうち7割超の281億円が、資格確認書に関わる経費だった。
政府は、現行保険証を廃止しても保険診療が受けられるように、マイナ保険証を持っていない人すべてに資格確認書を無償で交付するとしている。
281億円の多くは、資格確認書を交付するため、健保側がシステムを改修するのに国が全額補助した費用だ。
◆「名称以外に大きい変更はない」けどカネはかかる
ただ、現行の保険証を残していれば、そもそもシステム改修は不要だ。
券面に印字される内容も、現行の保険証とほとんど変わらない。川崎市では保険証と取り違えて発送したほどだ。
(10月、誤って一部の市民に送付してしまった川崎市の
「資格確認書」(市提供))
(送付するはずだった川崎市の「被保険者証」(市提供)。
資格確認書と見た目はそっくり)
厚労省の日原知己審議官(当時)も、今年5月の衆議院総務委員会で、両者の違いついて「名称が違うという以外に大きい変更はない」と明言している。
厚労省幹部の発言に、国会議員がかみついた。「文字を変えるためにシステムを変えるのであれば、これほど無駄なことはない。今までの保険証をこのまま発行し続けていけばいいじゃないか」
◆弊害対策に追われて書類増殖 「資格情報のお知らせ」
388億円のうち残りの107億円は、「資格情報のお知らせ」という書類を新たに発行するためのコスト。企業などの健保が、マイナ保険証を持っている人らに送る費用を国が全額負担した。
この書類も、マイナ保険証の欠点を補うために国が新たに作ったものだ。
マイナンバーカードの券面には、加入する健保の名称など保険情報の記載がない。カードリーダーにかざして情報を読み取る。
ところが、カードリーダーは不具合で読み取れないことがある。停電時には使えない。こうしたトラブル時、代替の証明書として作ったのが資格情報のお知らせだ。
◆結局2枚持ち歩くことに…対応する病院や薬局の仕事は複雑化
利用者からすると、トラブルに備えて、マイナ保険証と資格情報のお知らせを2枚持ち歩くことになる。病院や薬局にとっても、これまでは保険証1枚だった証明書類の種類が増えて、窓口業務が煩雑になる。
国会では議員から「ややこしい」との批判も。実際、9月ごろから、健保の加入者の元に資格情報のお知らせが届くようになると、資格確認書と混同してしまう人も現れた。
現行の保険証を廃止することで制度が複雑になっても、周知は十分に行き届いていない。
◇ ◇
◆健康保険組合や自治体 「変わるだけ」では済まない負担
現行の健康保険証が12月からは「資格確認書」に変わるだけ。SNSでは、そんな書き込みを目にする。実は、資格確認書を交付する健康保険組合や自治体には、「だけ」では済まないほどの負担がのしかかる。
国は、マイナ保険証を持っていない人に、保険証代わりとなる資格確認書を交付するために281億円の税金を投じている。
(2023年8月、マイナ保険証を持っていない人全員に
申請不要で交付すると表明した岸田文雄首相(当時)
=首相官邸で)
9月時点で、マイナ保険証に登録していない人は4割に上る。少なくとも4700万人には……...
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【https://www.chosyu-journal.jp/shakai/32757】
現行の健康保険証を残せ マイナカードの強制普及 医療機関で命にかかわるトラブル続出
2024年11月16日 (2024年11月8日付掲載)
(医療機関の窓口に置かれているマイナンバーカードの
リーダー(山口県内))
現行の保険証が廃止(新規発行停止)される12月2日まで残り1カ月を切っている。国民のだれもが必要な健康保険証を廃止することでマイナンバーカードの利用率を高めることを狙ったはずだったが、実力が追いつかずトラブルが続出しており、9月のマイナ保険証の利用率はわずか13・87%にとどまっている。批判世論の高まりのなかで、マイナ保険証を持たない人に発行する「資格確認書」の有効期限も当初の1年から5年に延長されており、マイナ保険証をつくらず資格確認書を待つ判断も広がっている。国民の根強い抵抗によって「健康保険証のデザイン切り替え」のような結末になりそうな雰囲気でもある。医療機関側の準備もまったく整っていない。であれば、現行の保険証を残す方が経費も事務負担もなく済むわけで、「保険証を残せ」の声はますます強まっている。
もともとマイナンバー制度は、国民総背番号制が反発を受けて何度も頓挫するなかで、看板をかけかえてスタートしたものだ。しかし、国民の警戒感は強く、なかなか普及が進まなかったため、政府はポイント還元事業や、「便利になる」と宣伝するなど、多額の税金を注ぎ込みながら普及に邁進してきた。
もっとも効果が大きかったのがポイント還元事業だ。
政府がおこなったポイント還元キャンペーン
「マイナポイント第1弾」(2020年、5000円分のポイント還元)、「マイナポイント第2弾」(2022年1月~2023年9月、最大2万円分のポイント還元)のさいに多くの人がマイナカードを作成した。カード保有率は7割をこえ、うち8割ほどがマイナ保険証の利用登録をしている。
そして、2022年10月13日に河野太郎デジタル相(当時)が突然、2024年秋の健康保険証廃止を表明し、同年10月28日に廃止方針を閣議決定という異例のスピードで、詳細な検討もなく、議論の経緯も不透明なまま、健康保険証の廃止が決まった。法的には任意のマイナンバーカードを半強制的につくらせることが眼目だ。
国民の命を人質にしたこの政策については、これまでに少なくとも全国178の自治体から「健康保険証の存続を求める意見書」が提出されている。
マイナ保険証 今も利用率は数%
マイナ保険証を持っていても、「ポイント還元のときにつくっただけ」「ニンジンに飛びついた口」という人も多く、マイナ保険証の本格導入を目前に控えた今でも医療機関での利用率は総じて低い。一部に「利用を呼びかけて20%をこえた」という医療機関があるものの、大半の開業医からは「うちは1%」「5%程度」「2日に1人、使う人がいるかいないかといった状況」という答えが返ってくる。あまりに使う人が少ないから、可愛いカバーを自作してかけている病院もあるほどだ。いかに必要とされていないかをあらわしている。
高齢者のなかには「マイナンバーカードは神棚に置いてある」「泥棒にとられてはいけないから仏壇の奥に仕舞っていたら置き場所がわからなくなった」という人も少なくないようだ。使う場面がないから必要がないし、特殊詐欺が横行する時代に個人情報が詰め込まれたカードを持ち歩くなんて恐ろしいという人は多い。
さらに、国がすることだからと安心していたら、2023年6月ごろから、別人の個人情報(公金受取口座も含む)が紐付いていたとか、別人の証明書が発行されたとか、マイナ保険証に別人の情報が紐付いていたといったトラブルがあいついで発覚。膨大な個人情報を管理する体制も能力もないことが露呈し、不信は広がった。
そんな状態のなかで健康保険証の廃止だけが粛々と進み、医療機関を振り回している。これまで健康保険証は月に1回、医療機関の受付で渡して確認するだけで済んでいた。しかし、マイナ保険証は病院に行くたびに持参して、自分で本人確認しなければならない。利用率が低いとはいえ、マイナ保険証を使う人が出てくるなかで医療機関の窓口も高齢者も大わらわだ。
70代の男性は、かかりつけ医からマイナンバーカードを持ってくるよう促されるため、そこに行くときだけカードを持って自宅を出る。紛失すると困るので、普段は自宅に保管しているという。「今までは保険証を窓口で出して、帰るときに受けとるだけで済んでいたのに、マイナ保険証は機械(カードリーダー)に向きを間違わないように入れ、顔を近づけて認証して、『同意する』というボタンを押さないといけない。最初のころは向きが違うとかで何回もやり直ししないといけなかった」と話した。コロナ以降、消毒して体温を測る作業も入るから、受付にたどり着くまでが忙しい。「同意する」のボタンも何に同意しているかわからないという。「ポイントがもらえるときにマイナ保険証をつくったが、とにかくいろんな情報が入っているから持ち歩かないようにしている。高齢者は今までの保険証がいい」と話した。
70代の女性は、先日初めての耳鼻咽喉科に行ったさい、待ち時間のなかでマイナ保険証を使った人を1人見かけた。足元がふらつくような高齢者で、カードを機械に入れるが、何度やってもうまくいかず、機械が受け付けなかったという。とうとう事務の人が出て来て手伝ったが、会話の内容が待合室にいる人みんなに聞こえており、「いいのだろうか…」と思いながら見ていたという。「待合室は多くの人がいたが、もしほかの人もカードを使うなら列ができてしまったと思う。受付のスタッフも出て来て手伝っているから他の人は窓口に声をかけることができない。12月に保険証を廃止するというが、これまで通りの保険証でいいのではないか」と語った。
高齢者の多い医療機関では、マイナ保険証のカードリーダー前に列をなしている人を尻目に、紙の保険証の人たちがスイスイ受付を済ませていく光景も各所で見られる。マイナ保険証の人たちは後回しだ。「高齢の女性たちが“お化粧をがらっと変えたら通らなくなる”と困っていた」という笑い話のようなエピソードも語られているほどで、煩雑さやトラブル、手間の多さに医師たちは「高齢社会にそぐわない」と指摘している。患者からは「もし本当にみんながマイナ保険証を使い始めたら、受付までに時間がかかり、30分程度で終わっていた病院が2時間、3時間かかるようになるのではないか?」という懸念も聞かれる。
こうした医療機関の混乱状況を受けて厚労省は「移行期間においてはやむを得ない対応」として、月1回の確認でよしとする解釈も示しているが、あくまで基本は毎回持参だ。
国民に利用を呼びかけながら、じつは国家公務員の方が利用率は低い。厚労省が発表した国家公務員共済組合の9月時点の利用率は13・58%で、国民全体の利用率13・87%を下回った。マイナ保険証を推進している厚労省がもっとも高いものの、利用率は19・68%と2割以下。最低の外務省は10・53%、防衛省も10・69%と低い。今月1日の会見で福岡資麿厚生労働大臣は「マイナ保険証のメリットをいち早く多くの国民に実感してもらえるよう利用促進にとりくみたい」とのべたが、足元の国家公務員ですらそのメリットを実感していないようだ。
開業医の訴え 国民皆保険に反する
(マイナンバーカード)
マイナ保険証の本格実施に先だって医療機関に義務化された「オンライン資格確認」のトラブルも収まらない。山口県保険医協会が10月に公表した今年5月以降の実態調査では、「トラブルあり」が75%と、前回調査(2023年11月)時の53・5%より増加している。「名前などが●で出る」というトラブルが71・7%と最も多く、「カードリーダーの接続不良・認証エラー」が48・9%、「資格情報が無効」が四48・4%などとなっており、「オンライン資格確認で受付がスムーズになる」という政府の言い分とはほど遠い現実がある。
同協会に寄せられたトラブルの内容を見ると、
・カミナリで一時停電になったときにカードリーダーが復旧するまで30分かかった(電気復旧後30分)。
・顔認証できなくなり、最後は機器が立ち上がらなくなった。
・天気が悪いとカードリーダーがうまく動かない。
・名前、年齢、住所、保険者番号などすべて空白の方がいた。情報がまったくなかった。保険情報が7、8年前のものが入っていた(現在の保険者番号などとはまったく違った)。接続不良が1週間続いて、急に接続した。
・小児科ですが、顔認証できない子どもが多く見られます。
・古い保険から新しい保険が反映されるまでの目安を聞かれた。住所を変更して1カ月経っているのにまだ前住所のまま。
・患者さんはマイナンバーカードと保険証を紐づけしていたけれど、会社側がマイナンバーカードとの紐づけ手続きをしていなかった。
・マイナ保険証が急に使用できなくなった。
・認証できない。動かなくなる。暗証番号を忘れてロックがかかり、クレームを受ける。
・資格開始が未来の年になっていた。
・5月の休日当番の時にマイナンバーカードで保険情報の取得ができなかったため、マイナポータルに連絡した。システムの更新のため22時までマイナンバーは使えないといわれた。保険証も持っていなかったため、とりあえず院内の常備薬を無料で渡した。
・業者が修理するまで1週間以上使えなかった。
・3カ月以上、「該当資格なし」と表示された方がいる。保険者が手続していなかった。でも保険証は発行されない。
・カードリーダーの接続がうまくいかず、業者を何度も呼び大変だった。保険証変更後も新しい保険証が登録されていない。マイナンバーの使用方法を説明するのに時間がかかる。
・資格変更後の新しい情報に変わっていなかった。顔認証が通らず、4桁の暗証番号を覚えていない。車いすの患者さん、子どもの場合、暗証番号が分からないと顔認証が難しい。
など、日々の診療に多大な支障を来している様子が伝わってくる。紙の保険証で確認できるから、なんとか成り立っているのが実際だ。
今回新たに設問に加えた「マイナ保険証の期限切れ」も約2割あったという。マイナポイント還元事業の時期にカードを取得した人が多いため、これから5年ごとの電子証明所の更新、10年ごとのカードの更新(未成年者は5年ごと)がピークを迎える。更新を忘れたまま医療機関を受診して「資格なし」と出るケースが今後増加していくことも危惧される。
医療機関に勤務するスタッフは、「車いすの患者さんはカードリーダーに顔が届かないので、マイナ保険証を使う場合は家族が一緒に来て暗証番号を入力するほかない。しかし、たとえば透析患者さんは2日に1回来院するので家族が毎回つき添うことはできない」と実情を話した。車いすの患者は、保険証を残す署名を家族などにも呼びかけて一生懸命集めたという。最近も「資格確認書が来るからマイナ保険証はつくらないでおこう」と話題になっているといい、「保険証を残してくれたら何の問題もない」と話した。
開業医の一人は「うちはほとんどマイナ保険証の利用者はいないが、数少ない利用者のなかに、“先生、病院に暗証番号を書いて預けておいてもいいか”と聞いてくる人もいたから、“泥棒が入ってみんなの暗証番号を書いた書類を盗んだら大変なことになる”といって断った。顔認証ができない問題もあるが、今の保険証なら何の問題もなく手続きできる。何かあったときに人の命にもかかわるかもしれない。責任をとれないことを絶対にやってはいけない」と強調した。
別の開業医は、「国民皆保険で全員が保険料を払っているのに、マイナ保険証を使わない人が不利益を被るのは100%憲法違反だということを強く訴えたい」と語気強く語った。「認知症の人でも何十年と使った保険証はわかる。それが、マイナ保険証や資格確認書など見た目も変わってしまうと、どれが受診に必要なカードなのかわからなくなる。超高齢化社会のなかで、そういう人たちが受診できなくなりかねない。開業医の方もセキュリティの問題などが要求されて、全国的に廃業する医師が多数出ている。国は“まずはかかりつけ医に”といいながら、かかりつけ医を潰すようなことをしているが、そうなれば地域医療が崩壊しかねない」と憤りを込めた。
マイナ保険証の売りである「診療、健診情報や服薬歴を確認できる」という点についても、規模の大きい総合病院ほどシステム導入に必要な投資額が大きくなるため、準備が完了していないケースも見受けられる。「このままマイナ保険証が主流になったとして、回線が止まったらどうするのかなど想定できず、考えると恐ろしい」「発熱外来(外で受付するため、カードリーダーで顔認証できない)の患者さんの対応をどうすればいいのか」「少なくともカードリーダーで確認できない場合、患者さんに10割請求せざるを得ない問題への対応策を国が責任持ってつくるべき」など、現場では未解決の課題が山積している。
介護施設 カード管理どうするか
資格確認書の利用を見込んでいるのは介護施設も同じだ。とくに重度の高齢者が入所する施設では、体調の急変で医療機関に搬送するときに備えて健康保険証を預かっているケースが多くある。だが、マイナ保険証は個人情報が多いので、預かることは不可能だ。「今のところ資格確認書が届くことになっているので、それで対応するようにしている。マイナ保険証への切り替えは想定していない」「12月廃止にともなって、家族からどうすればいいのかと質問が来るが、“この1年は大丈夫。様子をみましょう”と伝えている」など、ほとんどが資格確認書での対応を想定している。
もともと重度の高齢者は自分で市役所に行くことができないので、マイナンバーカードを持っている人はほとんどいない。保険証の廃止はこうした高齢者を医療から排除するものとして問題視されていた。最近、自治体側が厚労省に発破を掛けられて「施設に出向いてカード作成の手伝いをします」というとりくみを始めているが、施設内にカード保持者がいれば、管理体制の強化が必要になる。介護業界にはそれに割く人員も時間もない実情があり、むしろ困るのが本音だ。
医療機関の実情も患者である国民の実態も無視した「保険証廃止」は行き詰まりつつある。能登半島地震のとき、河野太郎はこれ幸いと「薬の情報を避難所等で医師と共有することができる」「マイナンバーカードを財布に入れて一緒に避難して」などと呼びかけてマイナンバーカードを宣伝したが、電気も復旧していないなかで実際には役に立たず、JR東日本の交通系ICカード「Suica(スイカ)」を配布することになった。災害時や緊急時に役に立つ状態ではないのに、生命にかかわる保険証廃止を強行した責任は重い。
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