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【機密文書・前編】:アメリカ原爆「機密文書」に書かれていた「重要事実」…! 『マンハッタン計画』指揮者が知っていた「放射線被害の本当の恐ろしさ」と、「オッペンハイマー宛のメモ」の中身

2024-12-12 23:58:50 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・核兵器禁止条約

【機密文書・前編】:アメリカ原爆「機密文書」に書かれていた「重要事実」…! 『マンハッタン計画』指揮者が知っていた「放射線被害の本当の恐ろしさ」と、「オッペンハイマー宛のメモ」の中身

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【機密文書・前編】:アメリカ原爆「機密文書」に書かれていた「重要事実」…! 『マンハッタン計画』指揮者が知っていた「放射線被害の本当の恐ろしさ」と、「オッペンハイマー宛のメモ」の中身

 ◆機密「広島と長崎における原爆爆発の生物学的影響」

 「原爆の放射線に即死するほど晒されなかった被害者は、過度に苦しむことなく死ぬだろう。実際、それは非常に気持ちのいい死に方だと言うことだ」

 これは、原爆の開発・製造目的で1942年に開始された「マンハッタン計画」の最高責任者レスリー・グローブス将軍(映画『オッペンハイマー』では、マット・デイモンが演じている)が、原爆が投下された1945年の11月に「原子力エネルギーに関する米上院特別委員会」の公聴会でした証言である。

 “被爆者が非常に気持ちのいい死に方をする”とは、とんでもない発言だ。当時、「マンハッタン計画」を主導した人々は、放射線の影響について、どの程度、認識していたのだろうかーー。

 8月7日、そんな疑問に答える、機密解除された文書「広島と長崎における原爆爆発の生物学的影響」が公開された。この文書は、1970年代に数回の審査を経て非機密化されていたが、公開されたのは今回が初めてとなる。

 多くの政治家を輩出している名門ジョージ・ワシントン大学の私立研究機関「国家安全保障アーカイブ」がFOIA(情報公開法)を通じて行ったリクエストに対し、米国家核安全保障局が公開したこの文書は、「マンハッタン計画」のためにニューメキシコ州ロスアラモスに創設されたロスアラモス国立研究所のアーカイブの中から見つかった。ちなみに、「国家安全保障アーカイブ」は、原爆に関する機密文書をこれまで数年にわたって入手しており、この文書以外にも、様々な文書をサイトで公開している。

初公開された機密文書

 上の画像が、原爆投下の翌月1945年9月1日付けのその文書。ロスアラモス研究所の4名の科学者が、同研究所原爆計画爆発部長ジョージ・キスチャコウスキーの依頼で、広島と長崎に投下された原爆がもたらす生物学的影響についてリサーチして書いたメモランダムである。

 ◆「約800〜900メートルの範囲内で致命的な可能性」

 この文書は、書かれたその日までは指摘されることのなかった重要な事実を露呈している。科学者たちが“放射線被曝が、原爆の爆撃で亡くなった人々の死亡原因の一つになる可能性がある”と結論づけているのだ。この文書でそのことが指摘されるまでは、原爆の被害者は主に爆風や熱によって死亡すると想定されていた。つまり、この文書は、初めて、放射線被曝が原爆の被害者の死を引き起こした可能性を指摘した貴重な文書と言える。

 初公開された機密文書

 具体的には、原爆の爆発直後に発生するガンマ線が人体に致命的な影響を与える可能性があることや、生存者でも爆撃から何週間も経って亡くなる可能性があることが、以下のように述べられている。

 「爆発後、数秒以内に放射されるガンマ線は、致死量が599〜900レントゲンであるため、約800〜900メートルの範囲内で致命的となる可能性がある。この種の放射線の場合、この範囲内で奇跡的に生存した人であっても放射線によって命を落とすだろう。このケースでは、数週間後に亡くなることもある」

 また、放射性粒子による影響についても言及されている。

 「地面に堆積した放射性物質から出る放射線による生物学的損傷は算出できない。これはほぼ無視できる可能性があるが、降下する塵粒子の活性物質が堆積することは排除できない」

 ◆「オッペンハイマー」へのメモ

 放射線被曝が引き起こしたと思われる病気や死亡については、原爆が投下された後、日本でも報じられていた。しかし、「マンハッタン計画」の最高責任者レスリー・グローブス将軍は、この文書の日付の前日にテネシー州オークリッジで行われた記者会見で、“放射線が死亡を引き起こしたという事実はなく、報道は日本のプロパガンダだ”と主張して、放射線の影響を否定していた。

 つまり、グローブス将軍の主張は、4人の科学者が書いた“放射線被曝が原爆の被害者の死因の一つになる”としている前述の文書と真っ向から矛盾していた。そのため、文書を受け取ったチャウコウスキーは、当時ロスアラモス研究所所長を務めていたロバート・オッペンハイマー宛てのメモの中で「グローブス将軍が大胆な主張をした」と戸惑い、その文書をすぐにはグローブス将軍に送らなかった。

オッペンハイマー(左)とグローブス将軍(右) photo/gettyimages

 しかし、グローブス将軍は、本当に、放射線の影響を認識していなかったのだろうか? そうとは思えない。「国家安全保障アーカイブ」に掲載されている様々な文書がそのことを示唆している。

 例えば、1945年7月21日、アメリカがニューメキシコ州で“トリニティ実験”と呼ばれる人類初の核実験でプルトニウム原子爆弾を爆発させてから数日後、「マンハッタン計画」主任医務官スタフォード・ウォーレンは、最高機密報告書の中で、「キノコ雲から降下する粉塵は、爆発実験地点から約30マイル、北東約90マイルにわたって、非常に深刻なハザードを引き起こす可能性がある。空中には非常に大量の放射性の塵が浮遊している」と報告していた。

 また、ウォーレンらは、後に、実験地点から最大100マイル先まで大量の放射性降下物があったことを発見している。そこでは、ベータ線で焼かれて背中の毛が白色化した牛まで見つかっていたのだ――。

 後編記事『アメリカ原爆「機密文書」が“初公開”で判明…! 『マンハッタン計画』指揮者が「無視]した“放射線被害の深層”と、「日本のプロパガンダだ」発言のウラで漏らしていた「本音」』では、さらに機密文書に残されていた“深層”についてレポートしよう。



 ■飯塚 真紀子
MAKIKO IIZUKA

 在米ジャーナリスト。大分県生まれ。早稲田大学教育学部英語英文学科卒業後、雑誌編集を経て渡米。ロサンゼルスを拠点に、政治、経済、社会問題、トレンドなどをテーマに様々な雑誌に寄稿。ノーム・チョムスキー、ロバート・シラー、ジェームズ・ワトソン、ジャレド・ダイアモンド、エズラ・ヴォーゲルなど多数の知識人にインタビュー。著書に 『9・11の標的をつくった男 天才と差別―建築家ミノル・ヤマサキの生涯』(講談社)、『そしてぼくは銃口を向けた 』、『銃弾の向こう側―日本人留学生はなぜ殺されたか』、『ある日本人ゲイの告白』(草思社)、訳書に封印された「放射能」の恐怖 フクシマ事故で何人がガンになるのか(講談社 )などがある。

 元稿:現代ビジネス 主要ニュース 社会 【話題・機密解除された文書「広島と長崎における原爆爆発の生物学的影響」が公開・担当:飯塚 真紀子・在米ジャーナリスト】  2023年08月15日  07:33:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【機密文書・後編】:アメリカ原爆「機密文書」が“初公開”で判明…! 『マンハッタン計画』指揮者が「無視」した“放射線被害の深層”と、「日本のプロパガンダだ」発言のウラで漏らしていた「本音」

2024-12-12 23:58:40 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・核兵器禁止条約

【機密文書・後編】:アメリカ原爆「機密文書」が“初公開”で判明…! 『マンハッタン計画』指揮者が「無視」した“放射線被害の深層”と、「日本のプロパガンダだ」発言のウラで漏らしていた「本音」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【機密文書・後編】:アメリカ原爆「機密文書」が“初公開”で判明…! 『マンハッタン計画』指揮者が「無視」した“放射線被害の深層”と、「日本のプロパガンダだ」発言のウラで漏らしていた「本音」

 ◆「初公開」機密解除された文書に書かれていたこと

 8月7日、アメリカで機密解除された文書「広島と長崎における原爆爆発の生物学的影響」が公開された。今回初公開された貴重文書であることは言うまでもないが、その中では「爆発後、数秒以内に放射されるガンマ線は、致死量が599〜900レントゲンであるため、約800〜900メートルの範囲内で致命的となる可能性がある」などと指摘。当時、原爆の被害者は主に爆風や熱によって死亡すると想定されていた中で、初めて放射線被曝が原爆の被害者の死を引き起こした可能性を指摘した貴重な文書が初公開された形なのだ。

公開された機密文書

 しかし、「マンハッタン計画」の最高責任者レスリー・グローブス将軍が、この文書の日付の前日にテネシー州オークリッジで行われた記者会見で、“放射線が死亡を引き起こしたという事実はなく、報道は日本のプロパガンダだ”と主張していたことを記事『“初公開”アメリカ原爆「機密文書」に書かれていた「重要事実」…! 『マンハッタン計画』指揮者が知っていた「放射線被害の本当の恐ろしさ」と、「オッペンハイマー宛のメモ」の中身』では紹介した。「マンハッタン計画」主任医務官スタフォード・ウォーレンもまた、最高機密報告書の中で、「キノコ雲から降下する粉塵は、爆発実験地点から約30マイル、北東約90マイルにわたって、非常に深刻なハザードを引き起こす可能性がある。いったいなぜ、放射線被害についての現実は“無視”されたのかーー機密文書には苦悶する指揮官の「本音」が残されていた。 

 ウォーレンは、グローブス将軍宛ての7月25日付の文書の中でも、都市上空での原爆の爆発が放射線ハザードや火事などを引き起こすと指摘、また、原爆の放射線は、爆発後に都市入りする軍隊にも危険を与える可能性があり、文書の最後に添付されている表で、放射線を大量に浴びた場合、多くの軍隊は「永久的なダメージ」を受ける可能性があると分析している。

 つまり、グローブス将軍はこの時点で、放射線の影響が十分わかっていたはずだ。

 しかし、グローブス将軍は、陸軍参謀総長ジョージ・マーシャル将軍宛てに送ったトリニティ実験に関する7月30日付けの文書の中で、原爆が引き起こす爆風の影響については強調しているものの「地上では、放射性物質のダメージを受けないことが予想される」と放射線の影響を否定している。ここでも、ウォーレンの指摘は無視されてしまった。

 ◆「(日本の)上手いプロパガンダだ」と一蹴した

 そして、8月6日には広島に、9日は長崎に原爆が投下される。日本では、すぐに、原爆の放射線が引き起こしたと考えられる病気や死亡が報じられた。その報道はグローブス将軍の耳にも入り、1945年8月25日、将軍は、放射線の影響を報じる日本のラジオ放送についてオークリッジ病院の外科医と電話会談をしている。

 2人は、日本のラジオ放送が「広島は死の街となり、25万人が住む街の90%の家が即座に破壊された。今は幽霊が後進している。生存者は放射線火傷で死ぬ運命にある」と報じたことについて、「それは上手いプロパガンダだ。人々は熱傷を受けているだけだ」と一蹴している。

 9月7日、グローブス将軍は、ハーバード大学学長で「マンハッタン計画」にも深く関与したジェームズ・コナント氏と電話会談をしているが、その時も「放射線で人がなくなっているという報道には根拠がない」と言い切っている。

 グローブス将軍の“放射線の影響否定”はその後も続いた。

 前述のウォーレンは、グローブス将軍に宛てた11月27日付けの原爆調査報告書の中で、「広島と長崎の病院に入院した約4,000人の患者のうち約1300人に当たる33%が放射線の影響を受け、そのうち約半数が死亡した」と書いている。

 しかし、その3日後の1945年11月30日、「原子力エネルギーに関する米上院特別委員会」の公聴会で、議員から、原爆が投下された日本の2都市で「放射性の残留物」があるかどうか尋ねられたグローブス将軍は「ない。確定的にない」と断言した。ウォーレンが原爆調査報告書で伝えたことは無視されてしまった。

 ◆グローブス将軍への「あるアドバイス」

 また、原爆と放射線については「わずかな日本人に放射線被害を与えるか、10倍のアメリカ人の命を救うかという選択肢しかなかった」とし、「原爆が実際に爆発した時以外は、誰も放射線で負傷していない。それは瞬間的なダメージだ」などと放射線の影響を軽視する主張も展開した。

 さらに、グローブス将軍は、ここで、恐るべき証言をする。

 「普通の人間が、爆撃の範囲内で、放射線の影響で殺されるのは実際偶然の出来事だ。原爆の放射線に即死するほど晒されなかった犠牲者は過度に苦しむことなく死ぬだろう。実際、それは非常に気持ちのいい死に方だと言うことだ」

 当然のことながら、グローブス将軍のこの証言は「とんでもない虚偽」と大バッシングされた。

グローブス将軍 photo/gettyimages

 このように、グローブス将軍は、放射線の影響については、原爆投下前からウォーレンに知らされていながらも、また、原爆投下後に冒頭の「広島と長崎における原爆爆発の生物学的影響」に関する文書が出されていながらも否定し続け、国民や議会を欺いてきたのだ。

 なぜか?

 文書には、“放射線による病気や死亡報道”に対し、同僚が「アンチ・プロパガンディストを出した方がいい」と日本のプロパガンダに対してアンチ・プロパガンダするようグローブス将軍にアドバイスしているくだりがある。

 ◆『マンハッタン計画』指揮者が「漏らした本音」

 それに対し、グローブス将軍はこう答えている。

 「それはできない。ダメージは全て、我々が引き起こしたからだ。我々は坐して待つ以外何もできない」

 加えて、日本はプロパガンダで同情を集めようとしているが、その状況を生み出した張本人はアメリカだという自覚も示している。

 「彼ら(日本側)は同情を集めようとしている。悲しいのは、それをアメリカが始めたさせたことだ。日本人が、爆撃から数日後に奇妙に亡くなっており、アメリカの偉大な放射線研究所でよく知られている現象の被害者の可能性があるということが、我々にダメージを与えている」

 原爆を開発し投下したアメリカとしては、日本に対して何も言えない状況だったのだ。結局のところ、放射線被害報道は日本のプロパガンダと決めつけることが、グローブス将軍ができた唯一のアンチ・プロパガンダだったのかもしれない。

 ◆「熾烈な核兵器開発競争」につながる「欺瞞」

 また文書で、民主党の上院議員が「アメリカ国内には、原子力とその利用に対する“非常に強い恐れ”がある」と指摘していた。国民が原子力に恐れを抱くなか、アメリカは、原子力を利用した核兵器の開発を推進しようとしていたのだ。

 日本に投下された原爆による放射線被害を否定する戦略をとらなければ、世論は反核へと向かうことになるとグローブス将軍は危惧したのだろう。何より、「マンハッタン計画」を指揮した者としての矜持もあったのではないか。

 グローブス将軍は、戦後も核兵器に関わり続けた。1947年に生み出された「武装部隊特別兵器プロジェクト(AFSWP)」の初代チーフに任命され、米軍の核兵器の監督を行った。
 
 そして幕を開けたアメリカとソ連による熾烈な核兵器開発競争。その始まりには、放射線の影響を無視し、否定した男の欺瞞があったのかもしれない。



 ■飯塚 真紀子
MAKIKO IIZUKA

 在米ジャーナリスト。大分県生まれ。早稲田大学教育学部英語英文学科卒業後、雑誌編集を経て渡米。ロサンゼルスを拠点に、政治、経済、社会問題、トレンドなどをテーマに様々な雑誌に寄稿。ノーム・チョムスキー、ロバート・シラー、ジェームズ・ワトソン、ジャレド・ダイアモンド、エズラ・ヴォーゲルなど多数の知識人にインタビュー。著書に 『9・11の標的をつくった男 天才と差別―建築家ミノル・ヤマサキの生涯』(講談社)、『そしてぼくは銃口を向けた 』、『銃弾の向こう側―日本人留学生はなぜ殺されたか』、『ある日本人ゲイの告白』(草思社)、訳書に封印された「放射能」の恐怖 フクシマ事故で何人がガンになるのか(講談社 )などがある。

 元稿:現代ビジネス 主要ニュース 国際 【話題・米国で機密解除された文書「広島と長崎における原爆爆発の生物学的影響」が公開・担当:飯塚 真紀子・在米ジャーナリスト】  2023年08月15日  07:33:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ニュースの教科書】:「原爆映画」の日米ギャップ突き破った奇跡的映画 映画史に異彩を放った「太陽を盗んだ男」

2024-12-12 23:58:30 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・核兵器禁止条約

【ニュースの教科書】:「原爆映画」の日米ギャップ突き破った奇跡的映画 映画史に異彩を放った「太陽を盗んだ男」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ニュースの教科書】:「原爆映画」の日米ギャップ突き破った奇跡的映画 映画史に異彩を放った「太陽を盗んだ男」

 ■<ニュースの教科書>

 映画「バービー」の主人公の髪形を「キノコ雲」に加工したSNS画像が波紋を呼び、日米間の原爆に対する認識の違いが改めて浮き彫りになりました。底流に平和への思いが込められた作品でも、そもそも日米では視点が違うのです。映画史をひもとくと、そんなギャップを乗り越えた挑戦的な作品もありました。【相原斎】

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 1945年7月16日のアメリカ山岳部戦時標準時の5時29分45秒、トリニティ実験における「ガジェット」が爆発。その0.025秒後の火球をハイスピードカメラによって撮影された写真がこちら。地平線に沿った黒点は樹木と思われます。この爆発でTNT(トリニトロトルエン)換算約19キロトンのエネルギーが放出され、爆心地には放射能を帯びたガラス質の石からなる、深さ3m直径330mのクレーターが残されたとのこと。 GETTY IMAGES

             ◇    ◇    ◇  

 着せ替え人形を主人公にした「バービー」と、原爆開発者の半生を描いた「オッペンハイマー」が、くしくも米国で同時公開となったことが騒動のきっかけとなりました。注目作を「2本立て」で観賞する映画ファンが多く、バービーの髪形をキノコ雲に加工した画像などが次々にSNSに投稿されたのです。日本からすれば無神経な行為に映り、腹立たしい思いや悲しい思いをされた方も少なくないと思います。一方で、戦後間もない頃からキノコ雲のポップアートを当たり前のように目にしていた米国人にとっては、陥りやすい「画像加工」であったことも確かです。一連の投稿は日本からの批判を受けて削除され、配給元が謝罪する事態となりました。

 「バービー」は、「レディ・バード」(17年)で高評価を得たグレタ・ガーウィグ監督がメガホンを取った意欲的な作品です。女性が主人公の「人形世界」からやってきたバービーの目を通し、いびつな男社会の現実を浮き彫りにしています。

 クリストファー・ノーラン監督の「オッペンハイマー」も、原爆開発者の苦悩を通して反戦反核の色濃い作品です。ロサンゼルス在住の千歳香奈子通信員によれば「若者向けの作品が多いサマーシーズンには似つかわしくない3時間超えの伝記映画にもかかわらず、異例のヒットになっています」。

 本来良心的で質の高い2作品の公開日がたまたま重なったことで、日米の認識の違いが改めて浮き彫りになったのです。

 「オッペンハイマー」には広島、長崎への原爆投下とその後の惨劇を描くシーンがありません。ノーラン監督の一種の配慮かもしれませんが、これが日米の視点の違いを端的に示しているように思います。

 今村昌平監督(06年、79歳没)の「黒い雨」(89年)は、対照的に原爆投下後の放射性降下物(フォールアウト)が題材です。公開当時、主演した田中好子(11年、55歳没)にインタビューする機会がありました。

田中好子は神妙な表情でインタビューに応えた(89年3月18日の紙面から)

 

 キャンディーズの解散で「スーちゃん」から女優に転身してちょうど10年。ほっそりとした外見に大きな瞳がよけいキラキラと目立ったことを覚えています。ロケ地岡山県の山村で半年間の「合宿撮影」を経て、体重はアイドル時代より8キロ落ちて「39キロになりました」と明かしました。

 劇中、田中演じる娘は、被爆した一家3人の中でただ1人原爆症の兆候が表れません。しかし、数年後のある日、ふろ場で黒髪がごっそりと抜け落ちてしまいます。どこかあきらめたような薄笑いの演技が記憶に残りました。

 「原爆が原因で、周囲がみんな死んでいく。1人で幸せになれない。むしろ、みんなの仲間になった方が…。そんな不思議な笑いなんですよね」

 田中は主人公の気持ちをそんな風に解釈したそうです。両親は東京・足立区で釣具店を営んでいましたが、戦時中、海軍工廠(こうしょう)に徴用されていた父親には悲しい経験と複雑な思いがあったようです。

 「撮影中の話をしたら、父が『これでお前にも一億玉砕の意味が少しは分かるだろう』って。確かに感じるところがありましたね」

 スーちゃん時代のイメージが残っていたこともあって、しみじみとした思い出話は意外でもあり、日本に根差した原爆や戦争への思いを改めて実感しました。

 戦勝国の米国で、反核の思いを伝えようとするなら、「オッペンハイマー」のような理性的な語り口が必要とされるのは想像に難くありません。対照的に、唯一の被爆国である日本の映画には、語り継がれる体験が感性として染み込んでいるのだと思います。

「ザ・デイ・アフター」の公開当時のポスター

 

 米中部のカンザスシティーを舞台に、米ソ核戦争勃発を想定した「ザ・デイ・アフター」(84年)では、核兵器の影響が科学的データに基づいて描かれています。「客観」に徹したニュース映像のようなカメラワークで、「30分以内にソ連のミサイルが飛来」という現実を受け止められない市民の表情が印象的でした。

 対して、新藤兼人監督の「原爆の子」(52年)を始め、「はだしのゲン」(76年、中沢啓治原作、山田典吾監督)「父と暮らせば」(04年、井上ひさし原作、黒木和雄監督)などの作品には、ダイレクトに心を揺さぶられてきました。 

 日米間の拭いがたいギャップを乗り越え、独特の視点から原爆の恐ろしさを印象づけて映画史に異彩を放っているのが「太陽を盗んだ男」(79年)です。

 この3年前に「青春の殺人者」を撮って一躍スター監督となった長谷川和彦監督(77)が、米国の脚本家レナード・シュナイダー(06年、62歳没)と共同で脚本を執筆したことで、米国的とも言えるちょっと突き放したような視点が生まれたのだと思います。

 中学校の理科の教師が原爆を作って政府を脅迫。その最初の要求は「プロ野球のナイター中継を打ち切らずに最後まで放送しろ」。大胆なストーリーには「ハリウッド的アイデア」が感じられます。

 一方で母親が原爆投下2日後の広島市に入り、胎内被爆している長谷川監督は、後にトークショーで「オレはおふくろの胎内で被爆しているのだから被害者そのものだと思うよ。ただその前に原爆なんてものを作ったり、落としたりする人類の一員であるわけで、そのことは避けて通れない」と、この作品に向き合う姿勢を明かしています。

 原子力発電所からプルトニウムを盗みだしてから原爆製造までの細密な描写に加え、劇中には国会議事堂や皇居前のアクションシーンもありました。そのきわどい内容は、今なら「バービー」騒動のような批判の嵐にさらされたかもしれません。ネットもSNSもなかった当時でも、資金集め、ゲリラ的撮影、そして公開決定までの間には綱渡りのような局面が何度もありました。

 ビッグスターの顔合わせが大きな原動力になったことも確かです。31歳で人気絶頂だった沢田研二が長谷川監督らの熱意に賛同して主演。脂ののりきった46歳の菅原文太(14年、81歳没)とスケジュール調整がついたのも当時としては奇跡のようなことでした。

 コンプライアンスの現代ではあり得ないゲリラ手法には運も味方しました。主人公が妊婦に扮装(ふんそう)して国会議事堂に潜入するシーンは逮捕覚悟の隠し撮りです。

「太陽を盗んだ男」の沢田研二(手前)と菅原文太(79年、東京・北の丸公園の科学技術館屋上で)

 

 沢田は後に「守衛さんは1人で『あれっ』て顔をしていたのでそのまま歩きました。撮り終わった瞬間にスタッフたちが僕を連れ出して逃げ帰ったんです」と振り返っています。

 製作費3億7000万円の半分近くが未調達のままの見切り発車でもありました。プロデューサーの山本又一朗氏(75)に改めて話を聞きました。

 「ゴジ(長谷川監督の愛称)の熱意が分かるから脚本を切るわけにはいかない。例えば皇居前の撮影には4省庁の許可が必要だったけど、どこもOKを出さない。それでも『やりますよ』と。そうしたら当時の皇宮警察のトップがささやくように『いつですか?』って。その日に連絡したら、車止めの一部がさりげなく取り払われていた。もちろんその後ろには何重ものガードがあるんですけどね。お金に関しては、確実にヒットが見込める映画を並行して作ることで乗り切ったんですね。それがいしいひさいちさんのコミック『がんばれ!!タブチくん!!』のアニメ化でした。想定以上の大ヒットとなり、続編も2本続きました。あれがなかったら、僕は億を超える負債を背負って、2度と立ち上がれなかったかもしれない」

 文字通り綱渡りの裏側がうかがえます。

 「太陽を盗んだ男」は「1970年代日本映画ベスト・テン」(18年=キネマ旬報社)で第1位となり、「オールタイム・ベスト映画遺産200」(09年=同)でも歴代7位に選出されています。

 がむしゃらとも言えるスタッフ、キャストの熱量と奇跡が重なって完成に至ったこの作品は高いエンタメ性の一方で、原子力発電所の危険性も示唆し、核の脅威を他にない視点で印象づけることになりました。

 「バービー」「オッペンハイマー」騒動が、一種ナショナリズム的批判で盛り上がってしまったことは、世界に反核の思いを伝える上で決していいことだったとは思いません。日米間にあるような視点の違いを克服して、原爆の恐ろしさを広げるためのヒントが、44年前のこの作品にあるような気がしてなりません。

 ◆相原斎(あいはら・ひとし) 

 1980年入社。文化社会部では主に映画を担当。黒澤明、大島渚、今村昌平らの撮影現場から、海外映画祭まで幅広く取材した。著書に「寅さんは生きている」「健さんを探して」など。「太陽を盗んだ男」を製作した山本又一朗氏は今では、小栗旬、綾野剛、田中圭ら多くの人気俳優を擁する芸能事務所トライストーンの会長。80年代には何度も取材する機会があり、製作不可能と思われる作品にこそ生きがいを感じる異色のプロデューサーという印象がある。そんな熱量が多くの実力派俳優を引き寄せたのかもしれない。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「ニュースの教科書」】  2023年08月26日  08:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 

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【原爆裁判】:アメリカの大罪を裁いた三淵嘉子

2024-12-12 23:58:20 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・核兵器禁止条約

【原爆裁判】:アメリカの大罪を裁いた三淵嘉子

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【原爆裁判】:アメリカの大罪を裁いた三淵嘉子

 「広島、長崎への原爆投下は国際法違反である」
 六十年前、戦勝国アメリカに対して驚天動地の判決を下した裁判官がいた!



 「三淵嘉子をモチーフにしたNHK朝の連続テレビドラマ『虎に翼』が話題となっている。ドラマの五月の世帯視聴率が一七%を超え、その後も最高記録を更新するなど、好評を博している。

 では主人公のモデル、三淵嘉子とは一体、どのような人物だったのだろうか。

 三淵は一九三八年に司法試験に合格。一九四〇年六月、日本で最初の女性弁護士となり、『家庭に光を、少年に愛を』と訴え、家庭裁判所の発展に生涯を捧げた。実は、数ある『虎に翼』本を調べてみると、すっぽり抜け落ちているのが、三淵が裁判官として『アメリカの原爆投下は国際法違反である』とする判決を下した経緯である。そして唯一、この点を深掘りしたのが本書なのである。

 二一世紀、AI時代が開かれようとしている今、世界は二〇世紀の『戦争の時代』に逆戻りしつつある。ウクライナ戦争、イスラエル対ハマス戦争、台湾有事、北朝鮮の核開発などにより、第三次世界大戦前夜のような危機的な雰囲気になってきた。本書は、前半で『原爆開発から広島・長崎への原爆投下の歴史』と、これまであまり知られてこなかった、三淵嘉子が携わった原爆裁判をテーマに書き進められ、さらに『原爆投下は国際的な戦争犯罪』とする判決文の全文も掲載している。連日ニュースやSNS、YouTube等でリアルに報道されているロシアによるウクライナへのジェノサイドの実態、ガザ地区で起きている民族戦争の惨状、本書はそれらの政治・軍事・歴史的な背景を知るための座右の書にもなる、衝撃的な一冊である」――前坂俊之静岡県立大学名誉教授

 元稿:毎日ワンズ 主要出版物 【原爆裁判―アメリカの大罪を裁いた三淵嘉子】  2024年06月05日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ヒロシマの空白】:核禁条約制定の源流 「原爆裁判」資料現存 今もなお世界への警鐘

2024-12-12 23:58:10 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・核兵器禁止条約

【ヒロシマの空白】:核禁条約制定の源流 「原爆裁判」資料現存 今もなお世界への警鐘

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ヒロシマの空白】:核禁条約制定の源流 「原爆裁判」資料現存 今もなお世界への警鐘

 米国の原爆投下は、国際法違反―。東京地裁が裁判所として世界で初めてそう判断した「原爆裁判」(1963年判決)は、大阪の弁護士の故岡本尚一さんが、人類の破滅につながる核兵器の使用に歯止めをかけるために提唱した。判決は核兵器禁止条約の源流の一つとなり、今もなお核使用が危ぶまれる世界への警鐘の意味を持っている。(編集委員・水川恭輔)

 
 「原爆の使用が禁止せらるべきである天地の公理を世界の人類に印象づけるでありましよう」。原爆裁判を起こすことに賛同を得ようと、岡本さんが作った冊子「原爆民訴或問(みんそわくもん)」は、裁判の意義をこう訴えている。


 原爆裁判では原爆投下を国際法違反と認定させ、原水爆禁止のてことする狙いがあった。広島市などの被害者5人が原告となり、55年に東京地裁と大阪地裁(後に東京へ併合)に提訴した。

 岡本さんが訴訟への賛同を募った冊子「原爆民訴或問」。「(被害者が)今も悲惨な状態のままにおかれている」などと訴えている(撮影・高橋洋史)

 原告側の中心だった岡本さんは提訴の3年後に病死したが、三原市出身の故松井康浩弁護士が継承。被告の国は、原爆使用を禁じる国際法がなかったなどと合法の立場から争った。東京地裁は63年12月の判決で賠償請求を退ける一方、「広島長崎両市への原爆投下は国際法違反」と断じた。

 世界初の司法判断は国際的にも知られ、特に国際法違反と判断した枠組みが注目された。多くの人命を無差別に奪う猛烈な爆風と熱線と、被爆者に苦しみを与え続ける放射線という原爆の特徴を、原爆投下当時の国際法が禁じる戦闘行為に照らして導いていた。岡本さんが書いた訴状の主張におおむね沿っていた。

 その枠組みは、国連の主要な司法機関として核使用の違法性を審理した国際司法裁判所(ICJ)が96年に初めて示した勧告的意見でも大枠で踏襲され、核兵器の使用と威嚇を「一般的に国際法違反」と判断した。この意見は、保有や開発などを含め核兵器を全面的に禁じる核兵器禁止条約が2017年に国連で制定される機運を高めた。

 松井芳郎・名古屋大名誉教授(国際法)は「原爆裁判の判決は、核兵器の使用を国際法上、評価する際によるべき枠組みを示した。歴史的意義は大きい」と話す。

「原爆裁判」の判決を書いた裁判官の一人の三淵さん。女性法曹の先駆者でNHK「虎に翼」の主人公のモデルになった
 
 ◆判決書いた裁判官の一人故三淵さん 女性法曹の先駆者、「虎に翼」モデル
 
 原爆裁判の判決は当時の東京地裁裁判長の故古関敏正さん、裁判官の故三淵嘉子さんと高桑昭さん(87)=東京=の3人が書いた。1984年に69歳で死去した三淵さんはNHKの連続テレビ小説「虎に翼」で俳優の伊藤沙莉さんが演じる主人公猪爪寅子のモデル。女性法曹の先駆者だった。

 著書などによれば、三淵さんは明治大卒業後、38年に当時の司法試験に合格し40年に東京で日本初の女性弁護士に。戦時中は幼子を抱えて疎開生活を送り、応召した夫は戦病死した。終戦の2年後、「裁判官採用願」を司法省に提出。52年に女性初の判事となり、4年後に配属された東京地裁で原爆裁判を担当した。

 「おうようなやさしい人。私とは親子ほど年齢差がありましたが、古関さんとともに私を合議体の一員として遇してくれた」。当時20代だった高桑さんは懐かしむ。3人で合議をし、判決の方向性を決めたという。

 判決は「国民の多くの人々を死に導き、傷害を負わせ、不安な生活に追い込んだ」と日本が戦争を始めた責任にも言及。国の原爆被害者への救済策は不十分とし、「政治の貧困を嘆かずにはおられない」と指摘した。

 三淵さんは、戦後設けられた家庭裁判所が孤児をはじめ戦争被害者の再出発を支援する役割を担うことに共鳴。新潟家裁所長なども務めた。原爆裁判の判決からも戦争で傷ついた人への強い思いをうかがい知れる。(水川恭輔)
(2024年4月21日朝刊掲載)

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【ヒロシマ平和メディアセンター】  2024年04月21日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:三淵嘉子さん

2024-12-12 23:58:00 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【天風録】:三淵嘉子さん

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:三淵嘉子さん

  日本帝國男子ニ限ル。司法試験の会場に墨で書いて張り出されていた。時は1938年、当時の司法修習生採用の案内である。2年前に弁護士の門戸は女性に開かれたものの、裁判官と検察官にはなれなかった

 ▲「(この文言が)頭にこびりついて忘れられなかった」。この年、司法試験に合格して女性初の弁護士となった三淵嘉子(みぶち・よしこ)さんは語っていた。男女差別が色濃かった法曹界に道を切り開く

 ▲戦後志願し、やはり日本初の女性裁判官になった。家庭裁判所の創設にも携わり、女性や子どもの権利擁護に尽くした。4月に始まるNHK連続テレビ小説「虎に翼」は彼女が主人公のモデル。その人生がどう描かれるのか楽しみだ

 ▲広島とは意外な縁がある。被爆18年にして世界で初めて米国の原爆投下を国際法違反と断じた原爆裁判判決。それを書いた東京地裁判事の一人だった。自身は戦争で夫と弟を亡くした。戦争と核使用を繰り返してならぬとの思いは人一倍だったはず

 ▲きょうは国際女性デー。彼女には「女性であるという自覚より人間であるという自覚の下に生きてきた」の言葉もある。私たちにこびりついた、性別にまつわる思い込みに気づく日にしたい。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2024年03月08日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【石破首相】:選んだ漢字は「謙」 少数与党の苦労にじませ

2024-12-12 20:17:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【石破首相】:選んだ漢字は「謙」 少数与党の苦労にじませ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【石破首相】:選んだ漢字は「謙」 少数与党の苦労にじませ

 石破首相は12日、自身の「今年の漢字」に「謙」を選んだ。「謙虚に己をむなしくして、いろいろな方の意見を素直に承っている。この言葉をかみしめながら過ごしている」と官邸で記者団に強調した。少数与党下で、野党の協力がなければ国会審議が立ちゆかない苦労をにじませた形だ。

<picture class="">取材に応じる石破首相=12日午後、首相官邸</picture>
取材に応じる石破首相=12日午後、首相官邸<picture class=""></picture>取材に応じる石破首相=12日午後、首相官邸

 日本漢字能力検定協会が「金」と発表したことに関し「今年の政治を象徴する言葉になってしまったのは残念だ」と表明。同時に「金によって左右されない政治をつくらなければならないということで、国会で議論が行われている」と語った。

 「動」としたのは林官房長官。能登半島地震や自民党総裁選などに触れ「まさに激動の1年だった」と説明した。

 元稿:共同通信社 47NEWS 主要ニュース 政治 【政局・石破政権・「今年の漢字」】  2024年12月12日  20:17:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【検証】:「おれおれ詐欺」被害額 11月末時点で過去最多 広島県 警察官名乗る手口が大半

2024-12-12 16:02:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【検証】:「おれおれ詐欺」被害額 11月末時点で過去最多 広島県 警察官名乗る手口が大半

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【検証】:「おれおれ詐欺」被害額 11月末時点で過去最多 広島県 警察官名乗る手口が大半

 息子や警察官になりすまして電話をかけ、現金をだまし取る特殊詐欺の一つ「おれおれ詐欺」で、広島県内の年間被害額が11月末時点で46754万円(62件)となり、統計が残る2004年以降で過去最悪となったことが県警のまとめで分かった。

 前年比では6倍近く増えている。

 ■この記事は、会員限定の記事です。残り460文字(全文:591文字)

 ■

 元稿:中國新聞社 主要ニュース 社会 【話題・特殊詐欺の一つ「おれおれ詐欺」】  2024年12月12日  16:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・12.12】:被団協に平和賞 核廃絶の思い継ぎ、広げたい

2024-12-12 16:00:30 | 【ノーベル賞(物理学・化学・生理学・医学、文学、平和および経済学の「5分野...

【社説①・12.12:被団協に平和賞 核廃絶の思い継ぎ、広げたい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・12.12】:被団協に平和賞 核廃絶の思い継ぎ、広げたい

 「人類が核兵器で自滅することのないように」。同じ悲惨な苦しみを二度と、誰にも味わわせてはならないという全身全霊の訴えは、世界の多くの人々に響いたはずだ。

 被爆の実相を伝え、核兵器廃絶の運動を広げてきた日本原水爆被害者団体協議会(被団協)に、今年のノーベル平和賞が贈られた。 

 広島、長崎への米国の原爆投下から来年の80年を目前にしながら、相次ぐ紛争と対立から核兵器の脅威はいまだ世界を覆い、むしろ高まっている。

 ノルウェーの首都オスロで受賞し、演説に立った被団協代表委員の田中熙巳(てるみ)さん(92)は、核兵器使用の脅しが公然と語られる現状に「限りないくやしさと憤りを覚える」と厳しく批判した。

 ボタン一つで人間社会を破壊する核兵器の危機は差し迫っている。そのリスクを共有し、なくす確かな道筋と、責任ある行動につなげていかねばならない。

 核問題での平和賞は、「核なき世界」を掲げた2009年のオバマ米大統領、17年の非政府組織「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」に続く。

 ◆被害者にも加害者にも

 フリードネス・ノーベル賞委員長は、授賞理由で「核兵器は二度と使われてはならない理由を、身をもって立証してきた」と評価した。その献身で大戦後の世界に根付いてきた「核のタブー」がいま「圧力にさらされている」とする。

 核の非人道性を体現する被爆者の訴えに改めて光を当て、歯止めを守ろうとしたといえよう。

 田中さんの演説には胸を打たれた。被爆した長崎の一面の焼土と、親族5人を含む大勢の無残な死を目の当たりにした壮絶な13歳時の体験を語った。その年の末までに広島、長崎で計20万人超が死亡、生き残った40万人余りの被爆者も病苦と生活苦、差別にあえぎ、後遺症は今も続く…。

 1発でもこれほどの惨劇をもたらしたのに、世界で現在「直ちに発射できる核弾頭が4千発もある。広島や長崎の数百倍、数千倍の被害が起きる」とし、その異常性を強調した。「いつ被害者になるか、加害者にもなるかもしれない」との問いかけは、いまを生きる人に自分ごととして切迫感を印象づけたに違いない。

 ◆高まる核使用リスク

 田中さんらが身を削って紡いできた核のタブーは大きく揺らいでいる。

 核兵器国とその同盟国が依存を深める「核抑止」は、核戦力を恐れて相手が攻撃を思いとどまるという仮定に基づく。保有国トップの理性に頼る危うさは、もはや瀬戸際を迎えているのではないか。

 ウクライナへの侵攻を続けるロシアのプーチン大統領は、核使用を辞さないと威嚇を繰り返す。先月には、核兵器を使う条件を拡大・緩和する核ドクトリンの改定版に署名し、脅しの危険水準が一段引き上げられた。

 中東でもイスラエルの閣僚が核使用に言及し、ロシアとの軍事協力で北朝鮮は核・ミサイル開発を加速。中国の核戦力強化に対し、米国などは「使える核兵器」と呼ばれる小型核開発を進めている。

 こうした指導者の暴走や偶発の事態で、人類は破滅に至る。

 田中さんが訴えた「核兵器は人類と共存できない」「一発たりとも持ってはいけない」という核廃絶こそ、恐怖の悪循環から決別できる「現実論」であることを正面から受け止めるべきだ。

 ◆核禁条約への参加を

 その切なる思いから、被爆者らが国連や平和会議などで訴え広げた核廃絶世論の一つの結実が、核保有や使用、開発を初めて違法化する「核兵器禁止条約」である。21年に発効し、73カ国・地域の批准に広がっている。

 ところが、日本政府は米国の核の傘に頼る同盟体制の否定になるとして、参加に背を向け続ける。昨年の先進7カ国首脳会議(広島サミット)でも核抑止論を正当化し、内外の失望を招いた。

 石破茂首相も被団協の受賞に祝意を示す一方、「核抑止は必要」と繰り返す。ただ、きのうの国会では、西側同盟国でも条約締約国会議にオブザーバー参加しているドイツの主張や議論状況を検証するとし、含みも持たせた。

 核兵器の不拡散体制や軍縮の条約・交渉の停滞や後退が続く中、唯一の戦争被爆国として核兵器国と非保有国の「橋渡し役」を自任するなら、参加へ踏み出すことを求めたい。

 命ある限りと訴えてきた被爆者も平均年齢は85歳を超え、語り部が減少して地域団体の活動縮小や解散も相次いでいる。

 「被爆者なき時代」の足音が確実に近づく中、生身の証人たちの体験を、次の世代に引き継いでいくことも今回の平和賞の大きなテーマである。

 田中さんは、積み重ねた証言を記録、保存し、活用する運動を世界で広げ、それぞれの政府の核政策を変えさせる力になることへの期待を示した。

 決して諦めずに核廃絶のうねりを広げた被爆者たちの信念と粘り強さを、核なき世界への希望につなぎたい。

 元稿:京都新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月12日  16:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【速報】:2024年「今年の漢字」トップ20 京都・清水寺

2024-12-12 14:28:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【速報】:2024年「今年の漢字」トップ20 京都・清水寺

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【速報】:2024年「今年の漢字」トップ20 京都・清水寺 

 日本漢字能力検定協会は12日、2024年の世相を1字で表す「今年の漢字」トップ20を発表した。京都市東山区の清水寺で森清範貫主が和紙(縦約1・5メートル、横約1・3メートル)に揮毫した。

【今年の漢字】揮毫された今年の漢字の「金」=12日午後、京都市東山区(渡辺大樹撮影)

 1995年に始まった今年の漢字は30周年を迎えた。協会のウェブサイトなどで全国から募集し、最多得票の漢字を選ぶ。年末の風物詩として人々に親しまれる行事となっている。

 ■2024年「今年の漢字」トップ20

順位 漢字 読み 票数
1位 キン・コン/かね・かな・こがね 12,148票(5.47%)
2位 サイ/わざわい 9,772票(4.40%)
3位 ショウ/かける・とぶ 7,487票(3.37%)
4位 シン/ふるう・ふるえる 7,427票(3.35%)
5位 シン/あたらしい・あらた・にい・さら 6,545票(2.95%)
6位 セン/えらぶ・える・よる・すぐる 6,071票(2.74%)
7位 ヘン/かわる・かえる 6,027票(2.72%)
8位 ショ/あつい 5,674票(2.56%)
9位 ガク・ラク・ゴウ・ギョウ/たのしい・たのしむ・かなでる・このむ 4,562票(2.06%)
10位 ベイ・マイ・メ/こめ・よね・メートル 4,335票(1.95%)
11位 ダイ・タイ・タ・ダ/おお・おおきい・おおいに 4,048票(1.82%)
12位 アン/やみ・くらい 3,939票(1.77%)
13位 コウ/たかい・たか・たかまる・たかめる 3,690票(1.66%)
14位 リ/うら・うち 2,905票(1.31%)
15位 セイ・ショウ/まつりごと 2,623票(1.18%)
16位 コウ/さいわい・さち・しあわせ・みゆき 2,224票(1.00%)
17位 ワ・オ・カ/やわらぐ・やわらげる・なごむ・なごやか・なぐ・あえる 1,799票(0.81%)
18位 ゼイ・セイ/みつぎ 1,785票(0.80%)
19位 アイ/めでる・おしむ・まな・かなしい・いとしい・うい 1,762票(0.79%)
20位 セン/いくさ・たたかう・おののく・そよぐ 1,666票(0.75%)

 

「今年の漢字」一覧
漢字 読み方・説明

2023

(ゼイ・セイ/みつぎ)

一年を通じて増税議論が活発に行われ、多くの国民が不安を感じた。所得税・住民税の「4万円の定額減税」が注目を集めた。このほか、インボイス制度やふるさと納税など税にまつわる話題が多かった。

2022

(セン/いくさ・たたかう・おののく・そよぐ)

ウクライナ侵攻、北朝鮮の相次ぐミサイル発射などで戦争を意識した1年だった。円安や物価高、電力不足といった生活の中で起きる身近な戦いもあった。サッカーワールドカップでは日本代表が強豪国を撃破し、日本中が沸いた。

2021

(キン・コン/かね・かな・こがね)

コロナ禍で延期された東京オリンピック・パラリンピックで日本人選手が活躍し、多数の金メダルを獲得した。プロスポーツや将棋など、各界で数多くの金字塔が打ち立てられた。

2020

(ミツ・ビツ/ひそかに・こまかい)

新型コロナウイルス感染症が日本を含め世界的に流行し、人々の活動が制約された。大切な人との関係が密接になり、人とのつながりの大切さを再認識する機会となった。

2019

(レイ・リョウ/いいつけ・おさ・よい)

令和は初めて日本の古典を出典とする元号であり、日本の伝統文化を再認識する機会となった。法令改正による消費税増税、芸能界の不祥事など法令順守に対する意識も高まった。

2018

(サイ/わざわい)

全国的に自然災害の脅威を痛感した1年だった。全国的に防災意識が高まり、多くの人が自助共助の大切さを再認識した。コインチェック社の仮想通貨流出、スポーツ界のパワハラ問題、財務省の決裁文書改ざんが発覚した。

2017

(ホク/きた・にげる・そむく)

度重なる弾道ミサイルの発射や核実験の強行など、北朝鮮の動向に脅威と不安を感じた1年だった。九州北部では豪雨により甚大な被害が発生した。北海道でジャガイモの供給が滞り、ポテトチップスが一時販売休止となった。

2016

(キン・コン/かね・かな・こがね)

リオオリンピックで日本人選手が大活躍。金メダルラッシュで日本中が感動と興奮に包まれた。前東京都知事の政治資金問題、東京オリンピックの巨額経費問題など、政治とカネに絡む問題が次々と浮上した。

2015

(アン/やすい・やすんじる・いずくんぞ)

安全保障関連法案の審議で、与野党が対立。採決に国民の関心が高まった。建築偽装問題やメーカーの不正が発覚し、暮らしの安全が揺らいだ。

2014

(ゼイ・セイ/みつぎ)

消費税率が17年ぶりに引き上げられた。増税を前に、消費財の買いだめや高額商品の駆け込み消費が増加した。税に関わる話題が政財界で多く取り沙汰された。

2013

(リン/わ)

2020年オリンピック・パラリンピックの開催都市に東京が決定した。富士山が世界文化遺産に登録された。五輪招致や世界遺産登録に向け国民が団結し、多くの人が輪となって喜んだ。

2012

(キン・コン/かね・かな)

金環日食が932年ぶりに日本の広範囲で観測された。ロンドンオリンピックで日本が史上最多のメダル38個を獲得した。レスリングの吉田沙保里選手が国民栄誉賞、山中伸弥教授がiPS細胞の研究でノーベル賞を受賞した。

2011

(ハン・バン/きずな・ほだす)

東日本大震災や台風による大雨被害が発生した。大規模な災害を経験し、家族や仲間などかけがえのない人との絆をあらためて知る1年となった。なでしこジャパンが女子ワールドカップで優勝した。

2010

(ショ/あつい)

記録的な猛暑日で熱中症にかかる人が続出した。暑さ対策の支出と野菜価格の高騰が消費者の生活を直撃した。酷暑の影響で魚介類が不漁となった。

2009

(シン/あたらしい・あらた・にい・さら)

自民党が衆院選で民主党に敗れた。鳩山由紀夫氏が首相に指名され、新内閣が誕生した。米国ではバラク・オバマ氏が新大統領び就任した。日米の新しい政治に大きな期待が寄せられた。

2008

(ヘン/かわる・かえる)

バラク・オバマ氏が米大統領選で当選し、米史上初となるアフリカ系の大統領が誕生した。サブプライムローン問題、リーマンブラザーズ倒産を発端に、世界経済が大きく揺れ動いた。

2007

(ギ/いつわる・にせ)

食肉や野菜の産地偽装、加工食品の原材料偽造、賞味期限改ざんが次々と発覚した。年金記録や政治活動費にも偽りが見つかった。

2006

(メイ・ミョウ/いのち)

秋篠宮ご夫妻の長男、悠仁さまがご誕生。皇族の男子誕生は約41年ぶりで、日本中が祝福ムードに包まれた。

2005

(アイ)

紀宮さま(黒田清子さん)のご成婚をはじめ、純愛ブームや有名人の結婚ラッシュなど、愛を育む大切さを感じる1年だった。

2004

(サイ/わざわい)

台風、地震、豪雨、猛暑など天災が相次いだ。イラクでの人質殺害、美浜原発の蒸気噴出事故、自動車のリコール隠しなど、人災が多発した。

2003

(コ/とら)

長引く不況と暗い出来事で閉塞感に苛まれる中、阪神タイガースが18年ぶりにセ・リーグ優勝を果たした。「やればできる」と感動し、日本中が活気づいた。

2002

(キ/かえる・かえす)

日本経済がバブル以前の水準に戻ったほか、昔の歌や童謡のリバイバルが大ヒットするなど、回帰現象が起きた。拉致被害者5人が24年ぶりに帰国した。

2001

(セン/いくさ・たたかう)

米中枢同時多発テロが多くの人々に衝撃を与えた。リストラや失業、デフレ、狂牛病といった生活面での戦いも印象的だった。

2000

(キン・コン/かね・かな)

シドニーオリンピックとパラリンピックで多くの日本人選手が金メダルを獲得した。韓国・金大中氏と北朝鮮・金正日氏の首脳会談が実現した。

1999

(マツ・バツ/すえ)

「世紀末」、「世も末」として選ばれた。東海村の臨界事故、警察の不祥事、無差別殺人の多発、新幹線の安全神話の崩壊などが理由として挙がった。

1998

(ドク)

和歌山毒物カレー事件以来、全国で毒物混入事件が相次いだ。ダイオキシンや環境ホルモンによる環境汚染もあった。反町隆史さんの「POISON」がヒットした。

1997

(トウ/たおれる・たおす)

金融機関や大企業の倒産が相次いだ。神戸連続児童殺傷事件に列島が震撼した。ダイアナ元妃、マザーテレサ、鄧小平(とうしょうへい)氏が死去した。

1996

(ショク・ジキ/くう・くらう・たべる)

О-157集団食中毒や狂牛病が発生した。自治体の飲食接待による食糧費不正支出、税金と福祉を「食いもの」にした厚生省高級官僚の汚職事件もあった。

1995

(シン/ふるう・ふるえる)

阪神大震災が起きた。地下鉄サリン事件、金融機関の崩壊による経済不安、政治不信、毒グモ騒動を挙げる声が多かった。野茂英雄投手が米国大リーグで大活躍した。

 元稿:産経新聞社 主要ニュース ライフ 【くらし・話題・2024年「今年の漢字」】  2024年12月12日  14:28:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【裁判】:「誤飲の可能性ないとは言い切れない」紀州のドンファン死亡、元妻に無罪判決で和歌山地裁

2024-12-12 14:12:30 | 【裁判(最高裁・高裁・地裁、裁判員制度・控訴・再審請求)、刑法39条】

【裁判】:「誤飲の可能性ないとは言い切れない」紀州のドンファン死亡、元妻に無罪判決で和歌山地裁

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【裁判】:「誤飲の可能性ないとは言い切れない」紀州のドンファン死亡、元妻に無罪判決で和歌山地裁 

 「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家、野崎幸助さん=当時(77)=に致死量の覚醒剤を飲ませて殺害したとして殺人罪などに問われた元妻、須藤早貴被告(28)の裁判員裁判の判決公判が12日、和歌山地裁で開かれ、福島恵子裁判長は無罪を言い渡した。元妻と犯行を結びつける直接的な証拠はなく、間接証拠から元妻が犯人と認定できるかが争点だった。求刑は無期懲役。

須藤早貴被告

 福島裁判長は「野崎さんが覚醒剤を摂取したとされる時間帯には幅があり、(元妻が)飲ませたかどうかを推認することはできない。誤って野崎さんが過剰摂取した可能性はないと言い切れない」と述べた。

 元妻は初公判で「私は殺していません」と全面的に否認。被告人質問では、野崎さんの死亡前月に薬物の密売人と接触したと認めつつ、「野崎さんから覚醒剤の購入を依頼された」とし、自殺や誤飲の可能性に言及していた。

 検察側は論告で、元妻は「老人 完全犯罪」などと検索していた上、野崎さんが覚醒剤を摂取したとされる3時間余りは自宅に2人きりだったと指摘した。

 野崎さんは死んだ愛犬のお別れ会を死亡翌月に予定し、現場周辺で覚醒剤の容器なども見つかっておらず、自殺や誤飲の可能性を否定。「離婚の可能性が高まる中、完全犯罪で遺産を手に入れようとした」としていた。

 これに対し弁護側は「薄い灰色を何回塗り重ねても黒にはならない」との例えを出し、証拠の不十分さを強調した。

 検索履歴は、元妻の趣味から猟奇的な事件を調べたに過ぎないと反論。仮にカプセルで致死量の覚醒剤を飲ませようとすれば最大で約30個必要で「本人の意思に反して摂取させるのは極めて困難」と事件性に懐疑的な見方を示した。

 死亡約10日前に一緒に旅行し、離婚の現実味を示す証拠もないと指摘。結婚の条件である月100万円の支払いも滞っておらず、「目先の利益派」を公言する元妻が殺害を計画するメリットはないと訴えていた。

 元妻は9月、別の男性から現金約3千万円をだまし取ったとする詐欺罪で懲役3年6月の実刑判決を言い渡され、確定している。

 ■紀州のドン・ファン死亡、元妻に無罪判決 検察側は無期懲役を求刑

 元稿:産経新聞社 主要ニュース 社会 【裁判・和歌山地裁・「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家、野崎幸助さん=当時(77)=に致死量の覚醒剤を飲ませて殺害したとして殺人罪などに問われた元妻、須藤早貴被告(28)の裁判員裁判】  2024年12月12日  14:12:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【今年の漢字】:「金」 パリ五輪では海外大会で過去最多の金メダル

2024-12-12 14:10:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【今年の漢字】:「金」 パリ五輪では海外大会で過去最多の金メダル

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【今年の漢字】:「金」 パリ五輪では海外大会で過去最多の金メダル

 日本漢字能力検定協会は12日、令和6年の世相を1字で表す「今年の漢字」が「金」に決まったと発表した。京都市東山区の清水寺で森清範貫主が和紙に力強く揮毫(きごう)した。

 今年の漢字は、漢字の素晴らしさを啓発するため、日本漢字能力検定協会が平成7年から始めた年末の風物詩。今年は11月1日からインターネットなどで応募を受け付けた。

揮毫された今年の漢字の「金」=12日午後、京都市東山区(渡辺大樹撮影)

 5年の今年の漢字は「税」だった。税収増の還元として当時の岸田文雄首相が所得税・住民税の定額減税を打ち出したことや、消費税のインボイス(適格請求書)制度の導入などが理由だった。

 今夏に開催されたパリ五輪では、日本選手団が海外開催の大会で過去最多となる金メダル20個を獲得していた。

 ■<速報>2024年「今年の漢字」トップ20

 ■今年の漢字はこの1年の「手向け」か

 元稿:産経新聞社 主要ニュース ライフ 【くらし・話題・2024年「今年の漢字」】  2024年12月12日  14:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【裁判】:紀州のドン・ファン死亡、元妻に無罪判決 検察側は無期懲役を求刑

2024-12-12 13:42:30 | 【裁判(最高裁・高裁・地裁、裁判員制度・控訴・再審請求)、刑法39条】

【裁判】:紀州のドン・ファン死亡、元妻に無罪判決 検察側は無期懲役を求刑

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【裁判】:紀州のドン・ファン死亡、元妻に無罪判決 検察側は無期懲役を求刑 

 「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家、野崎幸助さん=当時(77)=に致死量の覚醒剤を飲ませて殺害したとして殺人罪などに問われた元妻、須藤早貴被告(28)の裁判員裁判の判決公判が12日、和歌山地裁で開かれ、福島恵子裁判長は無罪を言い渡した。元妻と犯行を結びつける直接的な証拠はなく、間接証拠から元妻が犯人と認定できるかが争点だった。求刑は無期懲役。

和歌山地裁

 元妻は初公判で「私は殺していません」と全面的に否認。被告人質問では、野崎さんの死亡前月に薬物の密売人と接触したと認めつつ、「野崎さんから覚醒剤の購入を依頼された」とし、自殺や誤飲の可能性に言及していた。

 検察側は論告で、元妻は「老人 完全犯罪」などと検索していた上、野崎さんが覚醒剤を摂取したとされる3時間余りは自宅に2人きりだったと指摘した。

 野崎さんは死んだ愛犬のお別れ会を死亡翌月に予定し、現場周辺で覚醒剤の容器なども見つかっておらず、自殺や誤飲の可能性を否定。「離婚の可能性が高まる中、完全犯罪で遺産を手に入れようとした」としていた。

 これに対し弁護側は「薄い灰色を何回塗り重ねても黒にはならない」との例えを出し、証拠の不十分さを強調した。

 検索履歴は、元妻の趣味から猟奇的な事件を調べたに過ぎないと反論。仮にカプセルで致死量の覚醒剤を飲ませようとすれば最大で約30個必要で「本人の意思に反して摂取させるのは極めて困難」と事件性に懐疑的な見方を示した。

 死亡約10日前に一緒に旅行し、離婚の現実味を示す証拠もないと指摘。結婚の条件である月100万円の支払いも滞っておらず、「目先の利益派」を公言する元妻が殺害を計画するメリットはないと訴えていた。 

 元妻は9月、別の男性から現金約3千万円をだまし取ったとする詐欺罪で懲役3年6月の実刑判決を言い渡され、確定している。

 ■紀州のドンファン元妻に無期懲役求刑 直接証拠なく一貫して無罪主張、判決は12月12日

 ■明かされた覚醒剤の接点と55歳差婚の実態

 元稿:産経新聞社 主要ニュース 社会 【裁判・和歌山地裁・「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家、野崎幸助さん=当時(77)=に致死量の覚醒剤を飲ませて殺害したとして殺人罪などに問われた元妻、須藤早貴被告(28)の裁判員裁判】  2024年12月12日  13:42:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【河井夫妻大規模買収事件】:河井元法相の大規模買収事件巡る刑事手続き終結 渡辺典子・広島県議が失職へ

2024-12-12 13:09:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【河井夫妻大規模買収事件】:河井元法相の大規模買収事件巡る刑事手続き終結 渡辺典子・広島県議が失職へ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【河井夫妻大規模買収事件】:河井元法相の大規模買収事件巡る刑事手続き終結 渡辺典子・広島県議が失職へ

 20197月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、最高裁は河井克行元法相(61)から現金10万円を受け取ったとして公選法違反(被買収)罪に問われた広島県議渡辺典子被告(40)=広島市安佐北区=の異議申し立てを棄却した。

 9日付。罰金10万円、追徴金10万円の有罪判決が確定し、公民権が5年間停止され、県議を失職する。

 ■この記事は、会員限定の記事です。残り605文字(全文:766文字)

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 元稿:中國新聞社 主要ニュース 社会 【事件・疑惑・参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件】  2024年12月12日  13:09:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【浪速風】:今年の漢字はこの1年の「手向け」か

2024-12-12 13:00:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【浪速風】:今年の漢字はこの1年の「手向け」か

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【浪速風】:今年の漢字はこの1年の「手向け」か

 古事記は、峠を「坂」と表記している。編纂(へんさん)された時代に峠という漢字がなかったからだ。坂は「境」を意味し、旅に出たり、故郷に別れを告げたりする人に対し前途の安全を祈るお祭り「手向け」が行われる場所だった。「たむけ」が「とうげ」と転じ、それを表現する峠は後でつくられた国字ながら常用漢字である。山の上り下りをする境目なので山と上と下を組み合わせた。

昨年の漢字の「税」を揮毫する清水寺の森清範貫主=昨年12月12日午後、京都市

 ▶きょうは「漢字の日」。12月12日の並びが「12(いい字)月12(いちじ)日」と語呂合わせできることから日本漢字能力検定協会が記念日を制定した。午後には京都・清水寺で1年の世相を1字で表す「今年の漢字」が発表される。昨年は「税」だったが、今年は何になるのだろうか。

 ▶この師走の風物詩で、いろいろあったこの1年を振り返り、よい新年を迎えるよう願う「手向け」をしている気がする。

 元稿:産経新聞社 主要ニュース オピニオン 【浪速風】  2024年12月12日  13:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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