路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説①・12.14】:酒造り無形遺産 技術の継承確かなものに

2024-12-14 04:03:50 | 【経済・産業・企業・関税・地球資源・IT・ベンチャー・起業・インバウンド】

【社説①・12.14】:酒造り無形遺産 技術の継承確かなものに

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・12.14】:酒造り無形遺産 技術の継承確かなものに 

 日本酒や焼酎、泡盛といった「伝統的酒造り」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された。杜氏(とうじ)や蔵人(くらびと)ら関係者のたゆまぬ努力の成果と言えるだろう。
 
 日本の酒造りは、地域の農業や文化、気候、習慣と密接につながっているのが特徴だ。
 
 登録は、その魅力を世界に一層広める契機である。併せて職人の高齢化や後継者不足を見据えた人材育成も進め、継承を確かなものにしていきたい。
 伝統的酒造りは、こうじ菌を用いて、蒸したコメなどの原料を発酵させる日本古来の技術だ。500年以上前に原型が確立したとされる。
 登録の事前審査では、祭事や婚礼といった行事に欠かせないことや、地域の結束に寄与している点も評価されていた。
 ユネスコの政府間委員会が今回、「(酒造りは)清らかな水と米や大麦などの穀物を保護することで、食料安全保障と環境の持続可能性に貢献する」と言及したことも意義深い。
 登録を通じて環境問題に視野を広げ、世界共通のテーマに向き合う―。無形遺産としての価値がさらに高まろう。
 登録の報を受けて、道内をはじめ全国の酒蔵から「世界にPRする好機になる」との声が上がる。能登半島地震で施設損壊などの被害を受けた石川県の酒造業界にとっても、再興の追い風になるといい。
 気がかりなのは杜氏らの高齢化や後継者不足である。酒蔵は中小規模の業者が多く、個別の人材確保には難しさもあろう。
 業界団体が支援に一層力を注ぐとともに、酒蔵同士が横の連携を深め、技術の洗練や伝承に取り組むことが大事だ。
 酒造りを巡っては、道内で近年、新たな動きが見られる。
 岐阜県の老舗、三千桜酒造は温暖化が酒造りに及ぼす影響などを考慮して、本州より冷涼な上川管内東川町に移転した。
 同管内上川町の上川大雪酒造は帯広畜産大の構内に酒蔵を設けた。若者が酒造りに関わる産学連携であり、各地の参考になるのではないか。
 道産の酒米は品質が良いと人気が高まっており、道内外で存在感を示す。北海道のさまざまなポテンシャルを生かし、業界全体の底上げにつなげたい。
 
 全国的には消費の回復も課題だ。若者を中心に日本酒離れが進む。飲酒の節度を守りつつ、地元の酒に親しむイベント開催など工夫が欠かせまい。無形遺産の登録を機に海外への販路拡大を期待する関係者は多い。国や自治体も後押ししてほしい。
 
 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月14日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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