【シリーズ Voice!】:マイナ保険証⑥マイナ保険証に必要な「暗証番号」「顔認証」、お年寄りや障がいある人にはそれが難しい…家族や代行者の困惑
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【シリーズ Voice!】:マイナ保険証⑥マイナ保険証に必要な「暗証番号」「顔認証」、お年寄りや障がいある人にはそれが難しい…家族や代行者の困惑
〈シリーズ Voice!マイナ保険証⑥〉
マイナ保険証の問題に関して、取材班に届いたご意見を紹介する「Voice!マイナ保険証」。第6回は、障がいのある人たちの対応です。(マイナ保険証取材班)
◆利用者20人の暗証番号の管理は無理
【ペンネーム:おおさん 55歳 社会福祉法人職員 東京都町田市】
私は神奈川県内で障がい者グループホームの管理職をしています。
子どもからお年寄り、障がいを持った方々も法人の事業があります。
私が関わっている現場でも大混乱です。
障がいを持った方々の通院同行も我々の仕事です。
通院にはご利用者さんも一緒に行くので良いですが、薬局は職員だけで行くことがほとんどです。
今は従来の保険証を預かっているので、職員が利用者さんの保険証を持って薬をもらっています。
待ち時間が長く、感染症の危険もあるので、ご利用者さんは薬局にはお連れしないで支援者だけで行っています。
また、精神科等、毎月、定期通院が必要な方も同じ理由で薬局は支援者で対応していますし、今後もそうしていきたいです。
ところが、マイナ保険証になると、薬局で薬をもらうのに利用者さんの暗証番号が必要になります。さすがに暗証番号を他人が管理するのは問題だと思いますし、10~20人分のマイナ保険証の暗証番号の管理もできません。
暗証番号が管理できないとなると、顔認証になるかと思いますが、薬局にご利用者さんを連れて行かないといけません。
薬局に連れて行こうにも、障がい特性で待つことが難しい方もいます。工賃の出る作業所に通う方や一般就労している方は、工賃やお給料が減ってしまうので、できるだけ働く時間を確保してあげたいです。
ご利用者さんの成年後見人やご家族からは、「マイナ保険証を作らないといけないんですか」「これまでの保険証は12月から使えなくなるんですか」といった問い合わせも相次いでいます。
このような個別具体的な事例には、厚生労働省も都道府県も対応してくれないので困っています。
厚労省が出した文書では、障がいがある人は、マイナンバーカードに保険証をひも付けている場合でも、申請すれば資格確認書をもらえるとの案内がありました。
今後は資格確認書を使うしかないかなと思っています。
ただ、マイナ保険証にしなくても、これまで通り医療が受けられるのなら、強制的に保険証をなくさなくても良かったのではないでしょうか。疑問が晴れません。
◇
続いては、障がいのある子どもを持つ親から届いた声です。グループホームの職員の方と同じような悩みを抱えていました。
◆問題なく使えていたのに…移行に疑問だらけ
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