《記者の目・12.13》:ハン・ガンさんのノーベル賞記念行事 分断超える「糸」つなごう=堀山明子(外信部)
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《記者の目・12.13》:ハン・ガンさんのノーベル賞記念行事 分断超える「糸」つなごう=堀山明子(外信部)
過去と現在を行き来する小説の世界にいるのだろうか。韓国の作家、ハン・ガン(韓江)さん(54)のノーベル文学賞受賞を記念する講演や記者会見を、インターネット中継で見守りながら、彼女の文学作品の中に入り込んだような感覚に襲われた。
10日の授賞式を中心にストックホルムなどで1週間近く続いた「ノーベルウイーク」が始まる直前の3日夜、韓国で軍事力を用いた「非常戒厳」宣言という歴史的事件が起きた。私はソウルで、関連のニュース中継も同時に見ていたからだ。
ハンさんは、韓国軍が民主化デモを鎮圧した1980年の「光州事件」を題材にした「少年が来る」(韓国での発表2014年)▽朝鮮半島分断の過程で起きた米軍政下の民衆虐殺「4・3事件」を描いた「別れを告げない」(同21年)など、韓国現代史において封印されがちな国家暴力をテーマに書いてきた。
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元稿:毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【記者の目】 2024年12月13日 02:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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