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【社説①・12.01】:危険運転の基準 社会通念に沿う改正を

2024-12-01 04:03:30 | 【法務省・法制審議会・検察庁・地検・保護司・刑法・刑罰・死刑制度】

【社説①・12.01】:危険運転の基準 社会通念に沿う改正を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・12.01】:危険運転の基準 社会通念に沿う改正を

 自動車運転処罰法の危険運転致死傷罪を巡り、法務省の検討会が高速度と飲酒の運転に数値基準を導入するよう提言した。
 
 危険運転致死傷罪は適用要件があいまいで、立証のハードルが高いと指摘されてきた。
 たとえ猛スピードを出していても、酒酔い運転の状態であっても、「制御困難ではなかった」などの理由から危険運転ではなく、刑罰が軽い過失運転が適用される例が多くみられた。
 社会通念上も、事故が招いた結果の重大性とも釣り合いが取れているとは言い難かった。
 提言には危険運転の適用要件を明確にする狙いがある。議論を深めて納得のいく法改正につなげ、無謀な運転を抑止していかねばならない。
 車の死傷事故は長らく過失、つまり不注意によるミスと扱われるのが一般的だった。東名高速道路でトラックに追突され2児が死亡した痛ましい飲酒運転事故を受け、2001年に危険運転致死傷罪が新設された。
 危険で悪質な運転による事故を故意犯として厳しく罰する考え方に立つ。法定刑の上限は懲役20年で、過失運転致死傷罪の7年より格段に重い。
 ところが刑事司法の場では適用が限られてきたのが実態だ。
 危険運転と認定されるには、飲酒運転の場合は「アルコールの影響で正常な運転が困難な状態」でなければならない。
 運転者が深酔い状態だったのに「事故前の運転状況にそれほど異常がない」などとして裁判所が危険運転ではなく過失運転と判断したケースは複数ある。
 高速度運転は「進行を制御するのが困難」が要件だが、「事故発生まで車線を逸脱していない」といった理由で過失運転とされた例も少なくない。
 大分地裁が時速194キロで走行した車による死亡事故に、危険運転致死罪が成立するとの判決を出した。この事故も当初運転者は過失運転で在宅起訴され、遺族の訴えを受けて訴因変更された経緯がある。
 検討会は、呼気や血中のアルコール濃度、走行速度が一定数値を超えれば危険運転罪を適用することが考えられるとした。
 ただし数値のみに頼れば、基準以下なら大丈夫―といった誤った受け取られ方もされかねない。アルコールの影響は個人差があり、速度の危険度は運転の技量や道路状況などに左右される。事故の全体をみて判断する枠組みが求められる。
 もちろん厳罰化だけで悪質な運転がなくなるわけではない。運転者教習の見直しも含めた多角的な取り組みが重要になる。
 
 元稿:北海道新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月01日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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