【浪速風】:今年の漢字はこの1年の「手向け」か
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【浪速風】:今年の漢字はこの1年の「手向け」か
古事記は、峠を「坂」と表記している。編纂(へんさん)された時代に峠という漢字がなかったからだ。坂は「境」を意味し、旅に出たり、故郷に別れを告げたりする人に対し前途の安全を祈るお祭り「手向け」が行われる場所だった。「たむけ」が「とうげ」と転じ、それを表現する峠は後でつくられた国字ながら常用漢字である。山の上り下りをする境目なので山と上と下を組み合わせた。
昨年の漢字の「税」を揮毫する清水寺の森清範貫主=昨年12月12日午後、京都市
▶きょうは「漢字の日」。12月12日の並びが「12(いい字)月12(いちじ)日」と語呂合わせできることから日本漢字能力検定協会が記念日を制定した。午後には京都・清水寺で1年の世相を1字で表す「今年の漢字」が発表される。昨年は「税」だったが、今年は何になるのだろうか。
▶この師走の風物詩で、いろいろあったこの1年を振り返り、よい新年を迎えるよう願う「手向け」をしている気がする。
元稿:産経新聞社 主要ニュース オピニオン 【浪速風】 2024年12月12日 13:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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