【卓上四季・12.03】:ありがとう、ミシャ
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季・12.03】:ありがとう、ミシャ
ピッチ脇に立つ姿が絵になっている。両手を広げて大きな声を出す。豊かな表情から喜怒哀楽がはっきり分かる。サッカーJ1のコンサドーレを率いるミハイロ・ペトロビッチ監督。愛称はミシャである
▼東欧の旧ユーゴで生まれ、選手や指導者として長くサッカーとともに歩んできた。2006年に来日して以来、広島、浦和、札幌の3チームを渡り歩いた。J1で指揮した試合は歴代最多の593だ
▼最も重視するのは「攻撃」。相手に何点取られてもいいから、1点でも多く取り返そう。超攻撃的サッカーで観客を魅了する―。そうした哲学が土台にあった
▼それをコンサでも貫いた。選手たちが前を向き、ひたすらゴールを狙うスタイルはじつにすがすがしい。若手を含め、個性を上手に伸ばしてチームをまとめた
▼7季目の今季は苦難が続いた。主力が移籍したこともあり負けが込む。集中力や士気が弱まるチームをミシャは鼓舞した。「人生には良いときも悪いときもある。負けたときにこそ次へと向かおう」
▼多くの声援に後押しされたけれど、J2降格が決まった。札幌を離れることになった名将は言った。「監督として責任がある」「一緒に戦ってくれたみなさんには感謝しかない」。J1通算594試合目となる8日の最終戦はホームゲームだ。はなむけの勝利を贈りたい。
元稿:北海道新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】 2024年12月03日 04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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