実は６～７年前に作ってから、少数販売をしてまいりました『フルピロブッシュキット』なんですけど、最近その効果効能について、認識を新たにすることがありましたので、その辺のことを書いてみたいと思います。
ショールーム内のＧケースに鎮座する噂のやつです
アドバンスでは、今までにサスペンションキットやら、チタンマフラー、ブレーキその他数々のＮＳＸ用パーツを作ってきているのですが、その中でも『フルピロブッシュキット』はかなりハードなジャンルのパーツであり、実はそう積極的にご案内しておった部分ではなかったのですが、７月２２日の走行会の時にお客様のＮＳＸを試乗させて頂く機会がありまして、その際にチラッと感じたことの原因を考えていくと・・・（下のほうへ飛びます）
このピロブッシュの装着される位置はどこかと言うと、そうですね、人間の体で例えると、肩の間接部分辺りになるでしょうかね。で、手首の辺りがナックル辺でその上にストラットＡＳＳＹが装着されてるって按配です。その手首辺りの上下動（ストラットの伸び縮み）がサスペンショニングの大部分になる訳ですが、その動きの際、本来のその動き以外に、肩の関節がガタガタで中心位置の変化がある、ぶれると言ったことが起きたら、どんな状況かってのは簡単に想像できますよね。
ところで、そのガタ部分を補修するのには、そのブッシュを交換するしかないのですが、ご存知の通りＮＳＸの純正部品は、このブッシュだけと言う設定が無く・・このブッシュを交換するのには、その周辺のアーム類までそっくり交換しなけりゃならない！（当然凄い金額になります！）『だったら必要な部分だけをピロを使って作っちゃえば安く出来るんじゃない？』ということで、作ったんですけど、結果純正部品代の半額以下では出来たんですけど、それでもまだ高い。まぁごく少数（であろう）のお客様にご利用頂くだけだろうから、これで良いかなぁ・・・で今日まで推移してきたのでしたが、今後の推奨スタンスを考えると、最終的にはもう少し量産体制を敷いて価格面での見直しもしたいところですね。
・・・（上から飛んできました）
少し前にも記しましたけど、サスペンションアームの付け根部分の不確かさが、走り味にここまでの影響を及ぼしているとは・・・改めて思い知った感じがします。私のＮＳＸには、最初の試作完成品が装着されており（なんせそれがもう６～７年前からですので、それがもう普通になってしまっておったのです）全く過不足感を感じていなかったもので、看過してしまってました。今回試乗させて頂きましたお客様のＮＳＸは、変な言い方ですが「ほぼ私の思い通りにセットアップさせて頂きました」言ってみればお手本的なフィニッシュとなっているんです。『よーし、このＮＳＸでのＦＳＷターゲットタイム設定に向けて走るぞー！』と勇躍スタートしたのです。２周目のコカコーラコーナー入口、ここは４→３速・チョンブレで進入していくかなりの高速コーナーなんですけど、ここの飛込みがいまいちズバッといかない！？尚且つそこで踏ん張って次の１００Ｒに向けて右に向きを変えていくときにも妙に落ち着きのない挙動を感じる！？『？？』って思いながら、数周してピットイン。
全体的な仕上がり感は、意図したとおりのものに仕上がっており、私も、もちろんオーナー様も満足な結果ではあるのだけれど・・・先程の『？？』が頭から離れない・・『確か前に同じような乗り味のＮＳＸに、ここ（ＦＳＷ）で乗ったことがあるような気が・・そうだ、山羊ちゃんのＮＳＸに試乗した時に同じ感じを受けたんだ！その時はタイヤかな？と片付けていたんだけど、タイヤじゃないんだ！』（ちなみに山羊ちゃんＮＳＸはノーマルピロ１５年物のままです）この日の走行会には、１０台ほどのＮＳＸが参加して下さっていたので、何人かのオーナー様に聞いてみたところ、コカコーラの進入～１００Ｒにかけての動きに関して、ほぼ皆さんが『あそこは怖いなぁ』とお答えになるのだが、唯一お一人だけ『あぁ、あそこは３速でドーンと飛び込んで行けますよ、全然怖い感じしないですよ』とのご回答。まぁサーキット走行ですから、多少の慣れ不慣れがあるかと思いますので、一概には判断できませんが、ちなみに『怖くないなぁ』と答えた彼のＮＳＸだけは、このフルピロを組んであるんですよね。彼は箱根ターンパイクをこよなく愛す（笑）ナイスガイでして、数年前にフルピロを組んだときに絶賛してくれていた事を改めて思い出しました。
まぁ、サーキット走行レベルの速度・加重移動が発生しなければ、なかなか体感出来えないのかもしれませんが、日常的に体感出来る出来ないはともかくとして、サスペンションアームの付け根部分のブッシュ（ゴム！）の劣化による、能力低下は発生しているんですよね、今後、アドバンスのリフレッシュプラン（基本的に。古くなったゴム純正部品を新品再生しましょう！というメニューですね）に加味していく方向を検討していきたいと思います。
珍しく、長文になってしまいましたが、まだまだお伝えしきれないんですよね、このサスペンションに関連するところの話ってのは。もし続きをってな話がありましたら、スミマセンが私宛にお電話下さい！多分喋ってしまった方が確実にお伝えしたいことがスッと伝わると思うんですよね。ってかもうこれ以上、文章を書けまっしぇ～ん・笑
