コメント
 
 
 
S. L. ヴァイスの作品の編曲(BWV 1025) (ogawa_j)
2008-07-16 18:39:27
「バッハ事典」にそのようなことが書かれているのですか。この作品は、一部バッハの自筆の譜があったり、フィリップ・エマーヌエル・バッハの標題があるにもかかわらず、バッハの作品ではないという意見が多かったのですが、1993年版の「バッハ年刊」に、クリストフ・ヴォルフがジルヴィウス・レオポルト・ヴァイスのリュートのための組曲に、ヴァイオリン・パートを加えたものであることを発表して、編曲ではありますが、バッハの作品であることが分かったものです。これと密接に関係していると思われるのが、1739年8月1日付のヨハン・エーリアス・バッハの書簡に記されている、ヴァイスとクロップガンスという2人の音楽家が、フリーデマン・バッハとともにライプツィヒのバッハを訪問し、バッハの家で演奏を楽しんだという記述です。これが、BWV 1025成立と関係している可能性があるように思えます。
 ヨハン・クリストフ・フリートリヒ・バッハとの関係が「バッハ事典」で触れられているのは、一部バッハの自筆の譜が、彼の遺産から見つかったことによるのでしょう。
 私の考えでは、むしろヴァイスのライプツィヒ訪問との関連の方が重要に思えるのですが・・・。
 
 
 
コメントありがとうございます。 (aeternitas)
2008-07-17 10:37:34
『バッハ事典』には、ヴォルフが、「息子フリードリヒの作曲の勉強に、バッハがS.L.ヴァイスの作品を編曲したものではないかと見ている」と紹介しています。また、わたしの記事で引用するさいに、「……編曲した」とするところを、うっかり「……編曲したであろう」と、「あろう」までくくってしまっていました。なお、現在は修正しています。
 
 
 
ヴァイスの曲の編曲の動機 (ogawa_j)
2008-07-18 10:17:42
「バッハ事典」のその項目を誰が書いたのは分かりませんが、どうもクリストフ・ヴォルフがそのように考えていたとは思えないのですが。
 1993年のバッハ年刊への寄稿ではもちろんのこと、2000年に刊行された「バッハ伝」でもそのような考えは示されていませんし、2006年に新バッハ全集の第VI部門第5巻として刊行されたこの作品の校訂報告書(クラウス・ホフマン編)でもそのような動機について触れていません。
 弟子や息子の作曲したものにバッハが手を加え、原曲とは大きく異なったものになったので、作曲者がバッハの作とした、あるいはバッハが指導しながら作曲したなどというのは、原典の状態からは真作と思われるのに対して、様式批判ではバッハの作品らしくないときによく使われる一種の言い訳です。その様式批判自体の信頼性が問題なのですが・・・。
 私は、ヴォルフはバッハとヴァイスの個人的な関係から、先に触れたヴァイスのライプツィヒ訪問などの機会に作曲されたと考えていると理解しています。何か私の知らない発言があるかも知れませんが、それは従来の彼の考えと矛盾しているように思えるのですが・・・。
 
 
 
くわしい解説ありがとうございます (aeternitas)
2008-07-18 11:04:56
『バッハ事典』の執筆については、「解説のかなりの部分は、私[磯山雅]がかつてさまざまのレコード/CD等に書いた解説を鳴海君[鳴海史生]が編集・補訂し、それをさらに私が補筆・校閲したものである。曲によっては私が新たに書き下ろしたものも少なからずあり、また鳴海君が自ら書き下ろしたものもある。いずれにせよ原稿部分は、私と鳴海君の合作とご了解いただきたい」([ ]内は補筆)とのこと。BWV1025の解説が最新版でどうなっているのかはわかりませんが、初版では引用したとおりです。以前は、ウェブ上で訂正などが公開されており、メールも送ることができたのですが、いまはそれもできません。
 
 
 
ヴァイスの作品の編曲その3 (ogawa_j)
2008-07-18 11:40:07
「バッハ事典」の記事の詳細お教えいただいてありがとうございました。
 原曲が分かっていない第1曲目の"Fantasia"についても、ヴァイスの作品が原曲ではないかという考えがあります。その点については、「私的CD評」の「他にもあるバッハのヴァイオリン・ソナタ」で触れていますので、ご参考までに。

 
 
 
「J. S. バッハの生涯」でも (aeternitas)
2008-07-19 01:40:26
「他にもあるバッハのヴァイオリン・ソナタ」は、以前に読ませていただきました。また、この作品の成立については、「J. S. バッハの生涯」のほうでも、くわしくふれられるでしょうから、期待してまっていようと思います。
 
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