コメント
 
 
 
HIPについて (ogawa_j)
2008-10-07 17:27:56
ムーロヴァのヴァイオリンによるバッハのヴァイオリンとチェンバロにためのソナタをご紹介された後に、今回のアッバード等によるブランデンブルク協奏曲、これがHistorically Informed Performanceを標榜していることにかなり興味を持ちました。もともとこの概念は、Authentic PerformanceやPeriod Instrumentsなどと同様に、作曲され、初演された当時の楽器、奏法で演奏する様式を表す言葉であったと思うのですが、現代楽器の「大家」達がこの概念を掲げて参入してくることによって、意味がかなり拡大してきたようですね。
 ある意味で現代の演奏が閉塞感を覚え、その打開法としてHIPを持ち出してきたようにも思われます。ムーロヴァとアッバードでは考えに相違があるかも知れませんが。
ちなみに、私が理解していたHIPの意味は、http://en.wikipedia.org/wiki/Historically_informed_performancehttp://www.medieval.org/emfaq/misc/whatis.htm で説明されているものです。
 
 
 
ご意見ありがとうございます (aeternitas)
2008-10-07 20:44:41
ほとんど推敲をせずに投稿したため、誤解を生じさせたようですみません。アバドのブランデンブルクは、HIPを標榜しているわけではなく、アバドとオーケストラ・モーツァルトの活動歴から、わたしがそう感じて「HIP(Historically Informed Performance)によるもの」と書きました。
HIPについては、リンクしていただいたWikipediaなどでくわしく定義されていますが、いまメディアでは、かなりあいまいに、そして広義にHIPが使われています(そうなったのは誤解からかもしれませんが)。広義で使われるHIPは、ムローヴァの挑戦や小澤征爾がサイトウ・キネン・オーケストラとのマタイ受難曲の演奏などのように、歴史的問題意識を、じっさいの演奏にいかしたもの、というふうにいえるかと思います。ムローヴァたちの動向を、うまくあらわすことばがないので、わたしも広義のHIPにのっかっています。
 
 
 
HIPふたたび (ogawa_j)
2008-10-08 10:23:39
ムーロヴァの演奏はついては、使用している楽器のことや演奏そのものを聴いていませんので、何とも言えませんが、アッバード等の演奏は、様式のごちゃ混ぜというか、時流へ乗っかっただけのように思えます。
 私の考えるHIPとは、「作曲され、初演された当時の楽器あるいはその忠実な複製を用い、当時の奏法を研究して再現している演奏」であるということです。まあ、この原則を完全に満たす演奏は、希ですが。
 テルデックのバッハ教会カンタータ全集や、若い頃のグスタフ・レオンハルト等の演奏の価値を改めて感じます。ただし、教会カンタータ全集の中にも、女性のソプラノ歌手を起用したものがいくつかありますが・・・。
 
 
 
わたしの考えは…… (aeternitas)
2008-10-08 11:22:29
わたしはHIPを、あえてルーズにとらえるようにしています。HIPの理念を厳密に適用するといっても限界はありますし、演奏家にとっての現実は理解できるからです。ムローヴァたちの演奏は、HIPの発想にはじまり、それをいまあるその演奏家の現実に即して演奏しているもので、ゆる~いながらもHIPのひとつといってよいと思います。
もちろん、より徹底したHIPを望む気持ちもあり、レオンハルトのマタイなど、そういう意味で高く評価しています。
 
 
 
HIP三度 (ogawa_j)
2008-10-08 17:29:18
aeternitasさんのお考えは充分に理解できます。確かに原理原則に固執すると、現在の演奏のほとんどを否定することになりかねません。それでは音楽を聴く機会をあまりにも限定してしまうように思いますし・・・。出来る限りオリジナルに近い楽器と奏法で演奏して欲しいとは思いますが。
 それとやはり演奏それ自体の魅力、聴いて心地よいとか、感動するとかいうことがあっての鑑賞だと思いますからね。
 
 
 
コメントが遅くなりました (aeternitas)
2008-10-09 19:54:46
わたしは、バッハが作曲しなかったバロック・オペラも好きなのですが、いまの時代にはカスラートはいなく、カウンター・テナーか、女声で代替するしかないのが現状です。ナチュラル・カストラートの岡本知高に期待したいのですが、バロック・オペラのアリアは、ちょっと技術的にむずかしそうです。オリジナルに近似した響きを求めても、現実となると思うにまかせませんね。
 
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