くら寿司の悪ふざけ動画がバイトテロなら、ベトナム人バイトのこのトイレの落書きもバイトテロだろう。昨年12月27日に職場の男子トイレ大便器のペーパーホルダーに書かれたベトナム語の落書きだ。私が見つけて社員に写メール通報したが全く音沙汰無しだった。
年も明け2月の今頃になって、落書きの意味がようやく分かった。Ăn Lộn Nhe(アン・ロン・二ェ)。直訳すれば「食べなさい」だが、Fuck Youを意味する俗語になる。どうりで、職場のベトナム人バイトに意味を聞いても、恥ずかしがってなかなか答えてくれなかった筈だ(# ゚Д゚)
日本人バイトでも最賃ギリギリの時給900円台、「ベトナム人の時給はもっと低い」と次長も言っていた(まさか最賃以下か?)。言葉も通じず訳くそ分からずこき使われるだけでは、バカらしくてまともに仕事する気にならないのだろう。
皆んなその事には薄々気付きながら、何か言って上から睨まれたら嫌だから誰も何も言わない。さりとて、この素行不良のベトナム人を仮に辞めさせた所で、こんな時給900円台の職場にはロクな奴しか応募して来ない事も分かっているから、余り強気には出れないのだ。
社内写真を無断でSNSに投稿した私もこれでバイトテロの仲間入りだ。しかし本当に悪いのは私ではなく、低賃金で言葉も通じない外国人バイトを酷使し、問題発覚後もナアナアで済ます会社ではないか?低賃金・長時間労働を是正せず、パワハラと精神論で労働者を過労死に追いやるブラック企業ではないか?
こんな事書くとまたネトウヨが難癖付けて来るんだろうな。「こんなトコでガナってないで堂々と会社に言え」とw。それも今まで散々やって来た。組合もない職場でもLINE使って賃上げ要求しようと呼びかけ実現もして来た。でも一バイトではこれが限界だ。後はこのSNSを見ている労基や政治家の仕事だろう!
何故、言葉もロクに喋れない外国人をバイトに雇ったのか?最賃より更に低い時給で働かせるのは違法ではないのか?こんな事、一バイトに過ぎない私が証拠もないのに個人で上司に掛け合ってもウヤムヤにされるに決まっている。それを労基や政治家が暴いてこそ、本当に仕事していると言えるのではないか?
昨日帰宅したら、丁度NHKの「かんさい熱視線」という番組で、外国人留学生バイトの長時間労働の問題を取り上げていました。
番組では神戸の専門学校に通うベトナム人女性留学生のケースを取り上げていました。彼女は日本語の専門学校に通う傍ら、複数のアルバイトを掛け持ちしていて、昨年、自宅で急に倒れ、脳卒中で亡くなりました。
その彼女の一週間の日課が公開されていました。それによると、平日は9時から13時まで学校、13時から18時まで食事や自習、18時から25時まで居酒屋でアルバイトとなっています。そして学校が休みの土日も別の勤務先でアルバイトをしていました。
25時、つまり深夜1時までバイトしていたら帰宅は恐らく2時ぐらいか。そこから食事・入浴もしなければならないので就寝は3時ぐらい。それに対し、午前9時から始まる学校に通うとなると、起床は7時か遅くとも8時になります。睡眠時間は4時間か5時間しかありません。しかも、土日も別のアルバイトをしているので、休息の時間はほとんどありません。これでは過労死するのも当然です。
出入国管理法の規定では、外国人留学生は学業優先の建前から、学費を稼ぐ為のアルバイトのみ、資格外活動として認められているに過ぎません。そのアルバイトも週28時間までに制限されています。日本語学校もバイト先の職場も、その制限時間を守らせようと、入学や入社の際に、誓約書にサインさせます。
しかし、それはあくまで建前です。週28時間そこらのバイトだけでは食べて行ける訳がありません。それに、留学生は多額の借金を抱えて日本に来ています。日本語学校の学費だけでなく、渡航斡旋機関に多額の手数料を払わなければならないからです。
特に日本は、他国とは違い、留学生に対する国や自治体からの生活支援制度はほとんどありません。留学生は隠れてダブルワークしなければ生きて行けません。それを行政も企業も見て見ぬ振りしているのです。見て見ぬ振りしなければ留学生を雇えませんから。
私はこれを見て、昔の「ご利用は計画的に」という大手サラ金のCMを思い出しました。サラ金各社は、建前だけは過剰融資を戒める振りをしながら、実際は融資ノルマ達成の為に、追い貸しで利用者を借金漬けにしていました。その伝で行くと、今の留学生は差し詰め「アルバイトは計画的に」となるのでしょうか?
国際交流だとか異文化交流だとか言って政府が推進している外国人労働拡大政策の、これが実態です。何の事は無い。ただの「貧困ビジネス」「搾取労働」じゃないですか!
そう考えると、ウチの会社のベトナム人留学生バイトが、事ある毎に「こんな重たい荷物は持てない」とゴネていた理由も、この番組を見てやっと理解出来ました。彼らがゴネるのは、彼らなりの自衛手段だったのです。常識で考えれば、たとえ女性でも、大の大人が、たかだか5キロや10キロの荷物を持てない筈がありません。もし、そんな物も持てないなら、日本に来た時に下げてきた旅行用のキャリーバッグも持てなかった筈です。(関連記事)
でも、他に掛け持ちでバイトしなければならないとなると、出来るだけ体力を温存しようとするでしょう。彼らにとっては、仕事なんて「飯の種」でしかないのですから。出来るだけサボろうとする。
しかし、それでは周囲のバイトは堪った物ではありません。彼らのサボタージュのしわ寄せは全部、自分達が背負わなければならなくなります。案の定、「白菜・大根持てない」とゴネていたベトナム人女性バイトも、そのサボタージュ故に、夜勤の中国人バイトと喧嘩になり、辞めざるを得なくなりました。
また、ベトナム人留学生バイトが注意散漫で凡ミスをよくやらかすのも、掛け持ちバイトで慢性疲労を抱えているからではないかという事も、薄々分かって来ました。
実際、彼らの仕事ぶりは非常に雑です。商品を数える際も数え間違いを何度もします。不揃いな荷物を何千ケースも数える訳ではなく、台車(ドーリー)に、同じ高さに均等に10ケースずつ積まれた商品をたかだか数十ケース数えるだけなのに、何度も数え間違えます。間違いを指摘しても「エヘッ、マチガエタ〜♪」と言うだけで「スミマセン」の一言もありません。
仕事の基本も全然分かっていません。例えば、大・中・小3種類のチェリーを台車に積むとします。大を1ケース、中を25ケース、小を13ケース、それぞれ台車1台に10ケースずつ積まなければならないとします。普通は下記の様に積むでしょう。
大1ケース=1ケース1台。中25ケース=10ケース2台と5ケース1台。小13ケース=10ケース1台と3ケース1台。その上で、必要に応じて端数同士の台車を1台にまとめたりします。
ところが、彼らと来たら、種類毎にまとめて積まずに、横着して、一つの種類を積み終わる度に、その上に次の種類を積み足すものだから、こんな積み方になります。
中10ケースが2台は良いとして、大1ケースの上に小9ケース、中5ケースの上に小4ケース。(左下説明図参照)
こんな積み方するものだから、数も数え間違えまくり。これも2年前に実際にあった事例です。
だから、先日起こった、隣の店の表示器から違う店のラベルを取ってカゴ車に貼ってしまって、違う店に誤配してしまうといった、常識では考えられない様な凡ミスをやらかすのです。
何でこんなミスをやらかすのか?何故ここまで仕事ぶりが雑なのか?今まで全然分かりませんでしたが、この番組を見て何となく理解出来ました。全ては掛け持ちバイト故の注意散漫から来ているのです。それに加え、「どうせ、俺たちは使い捨てなんだから、仕事も適当で良いや」という気持ちもあるのでしょう。
昨年末に私が発見して社員に写メール通報したベトナム人留学生バイトによるトイレの落書き(右上写真)も、その延長線上にあります。「どうせ使い捨てなんだから、トイレに落書きしても構うもんか!」という所でしょう。(関連記事)
ベトナム人留学生バイト派遣会社の中には、同じ一人の女性バイトを、男性・女性の二人として名簿登録し、週28時間の労働時間制限を潜り抜けようとした会社もありました。これも私が実際数年前に目の当たりにした事例です。(関連記事)
この時も、たまたま名簿の間違いに気付いた私が、会社に報告して是正させました。実際には欠員も出ているのに、デタラメな名簿で「人員は充足している」と処理されては堪りませんから。
それに対して、当時の副所長が、口では「有難う」と言いながら、実際には「余計な事しやがって」みたいな感じがしたのを、非常に奇異に思ったのを覚えています。
ベトナム人留学生バイトは日本語もまともに話せません。彼らも、まともに話せる様になろうと日本語学校に通うのですが、実際はバイトに追われて、何年経ってもカタコトしか話せません。中には全く話せない人もいます。
こんな状態で、一体どうやって仕事を教えられると言うのでしょうか?それに、教える私も、時給こそ彼らよりは多少高いものの、同じアルバイトです。時給たった950円や千円しか給料もらっていない契約社員のアルバイトが、何で外国人の通訳みたいな事までやらされなければならないのか!😡
その末に、ようやく会社も職場ごとに専任の外国人担当を置く事になったものの、誰も成り手がいない。結局、私が時給アップと引き換えにベトナム人バイトの教育係に就任する事になったが、そんなもの本来なら社員の仕事だろう!それを何故バイトの私がやらなければならないのか?😡💢👊
これが、低賃金の3K職場で「バイトテロ」が頻発する社会的な背景です。勿論、ベトナム人留学生が皆こんないい加減なバイトばかりではありません。まじめなバイトも大勢います。でも、この様な事例も決して少なくはないのです。
これがまだ悪ふざけに止まっているうちはまだ良い。このままでは、やがて悪ふざけでは済まなくなります。バイト同士や社員との揉め事に必ず発展します。ここまで来たら、もう「学級崩壊」ならぬ「職場崩壊」です。
そう考えると、やはり今の外国人労働拡大政策には賛成出来ません。「人手不足」と言いながら、肝心の賃金や労働条件は低く抑えたままで、「安かろう悪かろう」の外国人を「使い捨て」るだけのやり方では、今より酷くなる事はあっても、良くなる事なぞ、あろう筈ありません。こんな自分勝手な事ばかりしていたら、そのうち強烈なしっぺ返しに見舞われる事でしょう。外国人労働を推進する側も、それに反対する側も、この職場の実態をもっと知った上で議論して欲しいと思います。