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安倍マルコスいよいよ末期症状

2007年06月06日 23時02分37秒 | 安倍第1次投げ出し政権
 自民党が、今度の参院選に向けて、年金問題の解説(言い訳)パンフレットを作成しました。そのパンフレットは、私もまだ現物は入手していないのですが、写真によると、どうやら2ページの見開きになっているもののようです。

 1ページ目には「ご安心下さい!!あなたの年金は大丈夫です!!」という事で、手垢のついた言い訳が3点に渡って列挙してあります。その内容たるや、いずれも凡そまともな検討には耐え得ない代物なのですが、それは末尾の脚注に簡単にまとめてありますので、最後にでも見て下さい。

 問題は2ページ目です。「なぜ、このような事態になったのでしょうか・・・・その責任は!」という事で、「1996年に基礎年金番号導入を閣議決定した時の厚生大臣は、今の民主党の菅直人代表代行の責任なのです!」という事を、3回も駄目押ししているのです。

 しかし、自民党はこれで、首尾よく責任転嫁が出来たなどと、よもや本気で思っているのでしょうか。勿論、当時の菅直人厚相にもそれ相応の責任がある事は間違いないでしょう。しかしそれを言い出すと、今度はまた責任追及のブーメランが自民党にも返ってくる事ぐらい、わかりそうなものを。何故ならば、その菅直人を厚相に任命したのは自民党の橋本龍太郎首相で、その基礎年金番号導入を実施に移したのは次の小泉純一郎厚相なのですから。

 責任の所在については、菅直人も小泉純一郎もその後の厚労相も、みんな連帯責任を負っているのです。それを各人が自覚した上で年金問題の解決を図らなければならない時に、一体何をやっているんだか。そんな体たらくだから、かつては小泉・安倍シンパのネットウヨクの巣窟だった2ch界隈においてすら、今や自民党はボコボコに叩かれているのです。

 しかも許せないのは、基礎年金番号導入に当って、「現場で出た勤務上の問題点についてはその都度労使で協議する」「昼休みの窓口対応も必要最小限に止め、徒に職員に労働強化を強いたり一方的な定数削減や配置転換は行なったりはしない」という事を取り決めた当時の労使協議について、「サボり、怠慢、職場放棄、組合天国」と謂わんばかりの悪罵を一方的に浴びせかけている事です。

 一体全体、前述の労使協議の内容の、何処が「サボり、怠慢」なのでしょうか。「一方的な定数削減や配置転換は行わない」という事が、何故即「組合天国」云々の話になるのでしょうか。一方的な定数削減や配置転換など行えば、これは立派な不当労働行為なのであって、公務員や民間の別に関係なく、本来なら許されない事ではないのですか。自民党は、不当労働行為容認の立場から、「民間では不当労働行為がまかり通っているのに比べ、公務員はまだまだ甘い」とでも言いたいのでしょうか。

 この社保庁の例もそうですが、公務員の不祥事が発覚する度に、末端職員や公務員労組ばかりに攻撃の矛先が向けられて、制度疲労や「官か民か」の問題に呈よくすり替えられ、形ばかりの制度変更で一件落着させられて、肝心の高級官僚や族議員は無傷で逃がされ、天下りや官製談合は一向になくならず、また新たな問題が起こる度に末端・労組叩きだけが繰り返されるという、そういう事例が後を絶ちません。

 以前も職員健康施設のグリーンピアが社保庁職員による浪費の象徴としてメディアに叩かれましたが、あの問題も、不要不急の施設をゼネコンに発注して官僚とゼネコンが建設利権を山分けしたというのが事の本質であるのに、官僚やゼネコンはお咎め無しで、末端職員の「お役所仕事」ぶりだけが諸悪の根源であるかのように言われました。「お役所仕事」の問題も確かにありますが、それも「上が利権漁りに汲々としているから下も事なかれ主義に侵される」という話であって、そういう巨悪を等閑にしたまま枝葉ばかり叩いても仕方ないのに。

 しかし自民党も、昔と比べたらレベルが落ちたものです。この年金問題の責任擦り合いパンフにしても、自民党内からでさえ批判の声が出ている様な、見え透いたトンデモな内容の代物を、何の臆目も無く配付出来るのですから。今まで私は安倍政権の事を「安倍マルコス」と揶揄してきましたが、全くその通りです。これでは、かつてのフィリピンのマルコス独裁政権の末期と、まるで変わりません。


(注)パンフ1ページ目「ご安心下さい!!あなたの年金は大丈夫です!!」のウソ

(1) 「今後1年間で未確認年金記録5千万口の名寄せを完了する」のウソ:
 出来る訳が無い。それをやろうとすれば、1千人からの臨時職員を雇って、1人1件につき約2分間のスピードで処理しなければ終わらない。新たに人も雇わず、今までと同様の、氏名・住所・生年月日の照合だけでお茶を濁す限り、絶対に無理。手書き記録をIT化する際に氏名を誤入力されたものも(例:正一のショウイチをマサカズと入力)、結局そのままでお蔵入り。その上、今までの5千万口とはまた別に、新たに1400万口以上もの不明記録が発覚したというのに。
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070606-00000081-mai-pol

(2) 「年金未払い請求権の5年時効を撤廃する」のウソ:
 いくら時効が撤廃された所で、国民に挙証責任を押し付けている限り、事態は何も変わらない。当時の請求書が残っていなければそれでアウト。

(3) 「過去の領収書が無い方についても、当時の出金記録や雇用主の証言の真偽を第三者委員会で認定してもらう」のウソ:
 認定されなかったらそれでアウト。国民に「当時の事を思い出せ」と挙証責任を押し付けているだけ。当時の会社が倒産してしまったり雇用主が亡くなっていたり市町村が記録を廃棄してしまったりして、手がかりとなる記録や状況証拠そのものが消えてしまっていたら、いくら照合・見直した所で無意味。実際、市町村から社保庁への事務移管の際に「廃棄すべし」との通達まで出されて、それで捨てられた記録も少なくない。

(関連記事)

・問題の自民党の参院選パンフ
 http://www.jimin.jp/jimin/kouyaku/pamphlet/pdf/2007_nenkin.pdf
・「年金記録問題…その責任は『菅直人厚生大臣(当時)』」…自民党の主張(2ch痛いニュース)
 http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/982494.html
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