派遣会社と産経新聞社に車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフで殺します。みんなさようなら・・・というのは、勿論ウソですw。しかし、下記の「労働者派遣制度に関するJSGUの考え方」とかいう文書を読むと、「こいつ等にはもう、それくらい言ってやらないと分からないのでは?」という気にもなります。
>昨今、労働者派遣制度をめぐり、一面的な見方により諸悪の根源であるかのような議論がされています。派遣の実態について誤った認識の下、そのような議論をされていることは遺憾であり、人材派遣業界の将来が危ぶまれると危機感でいっぱいです。
http://www.jsgu.org/index.html
>このところ格差社会を論じる際に、間接雇用である派遣がその元凶であるという意見がたびたび出てきます。私たちは、マスコミや一部の労働界、政党から出されている、派遣イコール「ワーキング・プア」、派遣イコール「不本意な働き方」という見方には強く違和感を覚えます。
>組合員の話を聞き、さらに厚生労働省の調査結果をみると、こうした見方が一方的であることが浮かび上がってきます。間接雇用であるがために「不安定である」、「かわいそう」、「ひどい働き方だ」などといわれ、信念・プライドをもって派遣労働者として働く仲間は傷ついています。職業選択の自由の下、間接雇用も直接雇用も同等に「労働」であることの評価がされるべきです。
>たしかに、労働者派遣制度にはいくつかの問題があるものの、①雇用契約2ヶ月以下の登録型派遣の禁止、②日雇派遣の禁止については、JSGUは反対します。
http://www.jsgu.org/pointofview.html
まず、JSGU(人材サービスゼネラルユニオン)についてですが、連合系・UIゼンセン同盟傘下の、派遣社員の「労働組合」との事です。流石はUIゼンセン、「お国の為に血を流せ」の産業報国会―民社党・同盟系主流の流れを引き、今も9条改憲実現を堂々と掲げる「労組」だけあります。その「資本の下僕」ぶりは大したもの。但しここ数年は、新自由主義の余りの暴走ぶりを前にして、少し労働者寄りになりつつある様ですが。
HPによると、当該「労組」は正社員だけでなく派遣ワーカーも組織しているそうですが、それも俄かには信じかねますね。そもそも、派遣ワーカーは大多数が未組織労働者で、凡そ組合とは縁のない所で生きています。但し、そう言えば、以前私が働いていた現場にも、確かに請負会社の正社員だけの労組がありました。JSGU加盟ではありませんが、同じ連合系です。名前だけで殆ど活動していない所謂「イベント組合」で、組合費も会社持ちだと聞いていた。JSGUも、多分そんな口でしょう。大方、ガテン系連帯やフリーター全般労組、地域の合同労組などに対抗して、会社が先回りしてこしらえた「第二組合」と捉えても、当たらずとも遠からじ、といった所かと。
そして、「厚生労働省の調査結果」云々ともありますが、「後期高齢者医療制度で大多数は負担が軽くなる」なんて大嘘を平気でつく役所の言うことなど、誰がまともに信じますか。この手の調査にしても、常用フリーターも平気で正社員に分類していたり、かなり恣意的なものですから。
仮に「正社員よりも派遣の方を望む」という意見があったとしても、その大半は「正社員も過労死やパワハラがあって、フリーターに負けず劣らず過酷なので、それならもう今のままで辛抱するか」という諦めの心境でしかない。正社員・フリーター問わず、そういう働かされ方を強いられている事こそが問題であるのに、それを一切問わずに、「正社員かフリーターか」なんて聞く方が野暮というもの。
それでは聞くが、先日の秋葉原通り魔事件に際しても、下記の様な意見が、当の派遣・請負労働者やワーキングプアの間から、何故かくも多く寄せられるのか。
>やってほしいことを、やってほしい場所でやってくれた!という感じ
>よくやったな、よくぞやってくれた!(中略)あれを悪いといえる人は、きっといい家族がいて満ち足りているんだろうな(中略)人生で何度も解雇されるって派遣しかない
>日陰で生きる人間も「やればやれる」という勇気をくれた事件だと思う
>(事件で亡くなった)被害者はかわいそうだけど、閉塞を脱出しなかったら加藤はずっと被害者のままだった(中略)自分も今の職場でのいじめが続き、親がいなければやりかねない
>ともかく、生き抜け。時代の潮目も変化してきている。命落とすな、自民落とせ!
>「搾取」という名の妖怪が日本社会を歩き回っている。カール・マルクスが『資本論』の中で唱えた言葉が、21世紀になって再びよみがえってきた。秋葉原無差別殺傷事件の一つの引き金になった派遣社員制度である。
>経団連や派遣各社にテロ起こせば日本を救えます:2008/06/23(月) 01:27:19
(以上、週刊「SPA!」7月1日号「自称・アキバ通り魔予備軍たちの告白」、2ch「派遣労働の闇」板より)
http://spa.fusosha.co.jp/weekly/ent_4447.php
http://money6.2ch.net/test/read.cgi/eco/1135945297/
事件加害者の加藤容疑者自身が、日研総業(この会社はとかく悪名高く、ネットで検索すれば幾らでも出てくる)の派遣社員として、トヨタ系列の関東自動車工業(このメーカーも前者と同様)東富士工場で、働き始めてから僅か数ヶ月で、いきなり解雇通知書の紙切れ一枚で雇い止めされて、それが事件の引き金になったのではないですか。当人には後で「雇い止めの延期」が申し渡されたそうですが、それもあくまで数日間かの猶予にしか過ぎなかっただけで。下記の資料を見ると、JSGUの主張とは裏腹に、「不安定で、ひどい、不本意な働き方」そのものではありませんか。
・秋葉原事件の背景には「残酷な派遣労働」があった(You Tube)
http://jp.youtube.com/watch?v=FFCeapLpPnc
・関東自動車へ申し入れに行きました。(ガテン系連帯)
http://gatenkei2006.blog81.fc2.com/blog-entry-164.html
・ガテン系連帯、秋葉原事件で関東自動車工業へ申し入れ(ユニオン・チューブ)
http://video.labornetjp.org/Members/akira/videos/mousiire.wmv/view
しかも、JSGUは、今あちこちで問題になっている「登録型・日雇派遣の禁止すらも反対である」というに至っては、「こいつら、本当に労働組合か?」という根本的な疑念すら抱かざるを得ません。JSGUの言い分とは裏腹に、「労働者派遣制度は諸悪の根源」です。戦前の「蟹工船」や現代の「原発ジプシー」「日雇い人夫出し」そのものです。私も、過去派遣ワーカーとして、今も請負ワーカーとして、それを毎日実感しています。
過去に私が派遣ワーカーだった時も、嫌な経験をしました。確か、偽装請負で派遣された先が青果市場で、そこで輸入バナナの選別の仕事をしていた時です。私たちに作業指示を下すべき請負会社の人間(社員かバイトかは不明)が、ロクスッポ指示もせず私たち派遣ワーカーを放置しておきながら、仕方なく壁にもたれていたら、そいつは我々に向かって「立っとらんかい!」と怒鳴りやがった。
その挙句に、二週間で解雇です。それも当日いきなり送迎のバンが来なくなり、派遣会社に電話したら最初は「燻蒸作業があるので今日は臨時休業になった」とウソを付かれ、二日目には「我々としても困っているんです、貴方の方で別に職を探すというのであれば、それも致し方ないですね」と、まるで自分たちが被害者であるかの様な口ぶりで言われた時には、もう開いた口が塞がらなかった。
そして、今の職場では請負ワーカーとして、日払い派遣ワーカーに作業指示を出しています。私も派遣ワーカーだった時期があるだけに、出来るだけ「おい、そこの派遣の君」ではなく名前で呼ぶようにしていますが、そう毎日入れ替わり立ち替わりで来られると、顔と名前を覚えるだけでも大変です。
仕事も、単に「ここにある商品を分ける」「このカゴ車をあそこに持っていく」とかだけでなく、どんな作業にもそれぞれに意味や前後工程との関連がある訳ですが、そんな事を現場で、いきなり来られて今日一日だけ仕事して帰る人に、自分も同じ様に仕事に追われる中で、きちんと説明など出来る筈が無く。それでもミスや怪我はさせられないので、構内施設や作業の名称すら知らない人を相手に、「これはこうするんや!」という形で、最低限の説明だけして、何とか仕事を回しています。しかし、こんな扱われ方では、する方もされる方も、堪ったものではないでしょうね。職場が次第にギスギスしてくるのが、手に取る様に分かります。そんな中で、また森みたいな事をされたら、今度こそ私も何するか分かりません。
そんな働き方(働かされ方)を強いられて、一体どこが「信念・プライドをもって」働けるというのですか。「派遣・請負という働き方を望む人もいる」のも、大多数の人は、過酷な境遇は正社員も似たり寄ったりだったり、低賃金でそれだけでは食べていけないから、仕方なく派遣・請負労働に甘んじているだけの話なのです。確かに、えり好みさえしなければ、正社員の口も、在るには在ります。しかし、それらはいずれも大半が、悪徳商法の詐欺営業か、フリーター以上に使い捨てかの、碌でもない求人ばかりなのです。
その辺の事情は、米国のワーキングプアが、食い詰めてイラク派兵に「志願」せざるを得ないのとも、非常によく似ています。しかし、そんな状況でも「需要がある」の一語で以って正当化されるのであれば、闇金や麻薬取引ですら、大手を振ってまかり通ってしまいます。「人の足元を見透かして、いい加減な事を言うな」と言いたい。
勿論、グッドウィルなどの個々の悪徳派遣会社を、「臭いものに蓋、トカゲのしっぽ切り」宜しく、廃業に追い込むだけで、それで事足れりとする国の姿勢は、徹底的に糾弾されなければなりません。住専・銀行・ゼネコンにではなく、グッドウィル廃業で失業した日払いワーカーの救済にこそ、公的資金が投入されるべきです。
但し、先のJSGUの幹部連中の様な労働貴族については、「自業自得」という他ないですね。今頃になってやっと「グッドウィルに騙された」とか騒いでいる様ですが、何をか況やです。それまで会社と一緒になって、派遣ワーカー賃金ピンハネのお零れに預かってきたくせに、被害者面すんなと言いたい。まあ、それでも同じ労働者である以上は、助けてやらない事もないですが、それも、それまで自分たちが言ってきた事・してきた事について、きちんと自己批判して初めて言える事です。
また、この問題は、単に「正社員・直雇用か、派遣・請負か」の単純な二者択一でもありません。交通量調査の様な、本当に臨時・自己完結・単一労働の「やっつけ仕事」については、派遣でも一向に構わないのですから。或いは、トヨタの期間工の様に、直接雇用であっても非人間的な労働もある。問題はそんな所にあるのではなく、直接雇用であれ間接雇用であれ、「人間扱いされているか、モノの様に扱われていないか」という事が問われているのです。そうして見た場合、日々の昼食にも事欠いて、カップラーメンや無食で凌がなければならない様な、今の派遣・請負労働については、お世辞にも「人間的」であるとは、到底言えません。
この秋葉原通り魔事件については、下記のブログでも紹介されている様に、昨今の格差社会が微妙に影を落としています。勿論、その中でも加藤容疑者の様にならずに、頑張っているワーキングプアの人も大勢居ます。彼のやった事は到底許される事ではありません。第二・第三の彼を生まない為にも、「何故、彼にはそれが出来なかったのか」という彼個人の弱さ・甘さや、彼のみならず私自身自身の中にも潜む「弱者の暴力性・差別性」「無差別テロへの衝動」についても、批判的立場からきちんと見ていかなければ、事件の全体像は掴んだことにはなりません。
その中にあって、最後に紹介した産経新聞の記事だけは、相変わらず事件を容疑者個人の特異性だけの問題に貶めて(つまり光市母子殺害事件と同様の手口で)、ナイフ所持規制の是非といった方向に世論を誘導しようと、躍起となっているのが、もう見え見えで。いくらナイフ所持を規制しても、犯罪の土壌となる社会的閉塞感・不公平感や、現実の経済格差が解消される方向に向かわない限り、犯罪は減りません。そんな報道ばかりしていると、いつか最後には産経新聞も、「この御用新聞が!」という事で、「第二・第三の加藤」の標的にされてしまうでしょう。明治時代の日比谷焼き打ち事件や、大正時代の米騒動の時の様に。
・久々にマスコミに感謝!(秋葉原通り魔事件関連記事)(ワンダバステーション・日記帳)
http://blogs.yahoo.co.jp/wandaba_station/55549185.html
・NHKスペシャル「追跡・秋葉原通り魔事件」 - 本田由紀の正論解説(世に倦む日日)
http://critic5.exblog.jp/8848401/
・秋葉原無差別殺傷 25歳どう見る 「共感できない」(産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080612-00000087-san-soci&kz=soci
>昨今、労働者派遣制度をめぐり、一面的な見方により諸悪の根源であるかのような議論がされています。派遣の実態について誤った認識の下、そのような議論をされていることは遺憾であり、人材派遣業界の将来が危ぶまれると危機感でいっぱいです。
http://www.jsgu.org/index.html
>このところ格差社会を論じる際に、間接雇用である派遣がその元凶であるという意見がたびたび出てきます。私たちは、マスコミや一部の労働界、政党から出されている、派遣イコール「ワーキング・プア」、派遣イコール「不本意な働き方」という見方には強く違和感を覚えます。
>組合員の話を聞き、さらに厚生労働省の調査結果をみると、こうした見方が一方的であることが浮かび上がってきます。間接雇用であるがために「不安定である」、「かわいそう」、「ひどい働き方だ」などといわれ、信念・プライドをもって派遣労働者として働く仲間は傷ついています。職業選択の自由の下、間接雇用も直接雇用も同等に「労働」であることの評価がされるべきです。
>たしかに、労働者派遣制度にはいくつかの問題があるものの、①雇用契約2ヶ月以下の登録型派遣の禁止、②日雇派遣の禁止については、JSGUは反対します。
http://www.jsgu.org/pointofview.html
まず、JSGU(人材サービスゼネラルユニオン)についてですが、連合系・UIゼンセン同盟傘下の、派遣社員の「労働組合」との事です。流石はUIゼンセン、「お国の為に血を流せ」の産業報国会―民社党・同盟系主流の流れを引き、今も9条改憲実現を堂々と掲げる「労組」だけあります。その「資本の下僕」ぶりは大したもの。但しここ数年は、新自由主義の余りの暴走ぶりを前にして、少し労働者寄りになりつつある様ですが。
HPによると、当該「労組」は正社員だけでなく派遣ワーカーも組織しているそうですが、それも俄かには信じかねますね。そもそも、派遣ワーカーは大多数が未組織労働者で、凡そ組合とは縁のない所で生きています。但し、そう言えば、以前私が働いていた現場にも、確かに請負会社の正社員だけの労組がありました。JSGU加盟ではありませんが、同じ連合系です。名前だけで殆ど活動していない所謂「イベント組合」で、組合費も会社持ちだと聞いていた。JSGUも、多分そんな口でしょう。大方、ガテン系連帯やフリーター全般労組、地域の合同労組などに対抗して、会社が先回りしてこしらえた「第二組合」と捉えても、当たらずとも遠からじ、といった所かと。
そして、「厚生労働省の調査結果」云々ともありますが、「後期高齢者医療制度で大多数は負担が軽くなる」なんて大嘘を平気でつく役所の言うことなど、誰がまともに信じますか。この手の調査にしても、常用フリーターも平気で正社員に分類していたり、かなり恣意的なものですから。
仮に「正社員よりも派遣の方を望む」という意見があったとしても、その大半は「正社員も過労死やパワハラがあって、フリーターに負けず劣らず過酷なので、それならもう今のままで辛抱するか」という諦めの心境でしかない。正社員・フリーター問わず、そういう働かされ方を強いられている事こそが問題であるのに、それを一切問わずに、「正社員かフリーターか」なんて聞く方が野暮というもの。
それでは聞くが、先日の秋葉原通り魔事件に際しても、下記の様な意見が、当の派遣・請負労働者やワーキングプアの間から、何故かくも多く寄せられるのか。
>やってほしいことを、やってほしい場所でやってくれた!という感じ
>よくやったな、よくぞやってくれた!(中略)あれを悪いといえる人は、きっといい家族がいて満ち足りているんだろうな(中略)人生で何度も解雇されるって派遣しかない
>日陰で生きる人間も「やればやれる」という勇気をくれた事件だと思う
>(事件で亡くなった)被害者はかわいそうだけど、閉塞を脱出しなかったら加藤はずっと被害者のままだった(中略)自分も今の職場でのいじめが続き、親がいなければやりかねない
>ともかく、生き抜け。時代の潮目も変化してきている。命落とすな、自民落とせ!
>「搾取」という名の妖怪が日本社会を歩き回っている。カール・マルクスが『資本論』の中で唱えた言葉が、21世紀になって再びよみがえってきた。秋葉原無差別殺傷事件の一つの引き金になった派遣社員制度である。
>経団連や派遣各社にテロ起こせば日本を救えます:2008/06/23(月) 01:27:19
(以上、週刊「SPA!」7月1日号「自称・アキバ通り魔予備軍たちの告白」、2ch「派遣労働の闇」板より)
http://spa.fusosha.co.jp/weekly/ent_4447.php
http://money6.2ch.net/test/read.cgi/eco/1135945297/
事件加害者の加藤容疑者自身が、日研総業(この会社はとかく悪名高く、ネットで検索すれば幾らでも出てくる)の派遣社員として、トヨタ系列の関東自動車工業(このメーカーも前者と同様)東富士工場で、働き始めてから僅か数ヶ月で、いきなり解雇通知書の紙切れ一枚で雇い止めされて、それが事件の引き金になったのではないですか。当人には後で「雇い止めの延期」が申し渡されたそうですが、それもあくまで数日間かの猶予にしか過ぎなかっただけで。下記の資料を見ると、JSGUの主張とは裏腹に、「不安定で、ひどい、不本意な働き方」そのものではありませんか。
・秋葉原事件の背景には「残酷な派遣労働」があった(You Tube)
http://jp.youtube.com/watch?v=FFCeapLpPnc
・関東自動車へ申し入れに行きました。(ガテン系連帯)
http://gatenkei2006.blog81.fc2.com/blog-entry-164.html
・ガテン系連帯、秋葉原事件で関東自動車工業へ申し入れ(ユニオン・チューブ)
http://video.labornetjp.org/Members/akira/videos/mousiire.wmv/view
しかも、JSGUは、今あちこちで問題になっている「登録型・日雇派遣の禁止すらも反対である」というに至っては、「こいつら、本当に労働組合か?」という根本的な疑念すら抱かざるを得ません。JSGUの言い分とは裏腹に、「労働者派遣制度は諸悪の根源」です。戦前の「蟹工船」や現代の「原発ジプシー」「日雇い人夫出し」そのものです。私も、過去派遣ワーカーとして、今も請負ワーカーとして、それを毎日実感しています。
過去に私が派遣ワーカーだった時も、嫌な経験をしました。確か、偽装請負で派遣された先が青果市場で、そこで輸入バナナの選別の仕事をしていた時です。私たちに作業指示を下すべき請負会社の人間(社員かバイトかは不明)が、ロクスッポ指示もせず私たち派遣ワーカーを放置しておきながら、仕方なく壁にもたれていたら、そいつは我々に向かって「立っとらんかい!」と怒鳴りやがった。
その挙句に、二週間で解雇です。それも当日いきなり送迎のバンが来なくなり、派遣会社に電話したら最初は「燻蒸作業があるので今日は臨時休業になった」とウソを付かれ、二日目には「我々としても困っているんです、貴方の方で別に職を探すというのであれば、それも致し方ないですね」と、まるで自分たちが被害者であるかの様な口ぶりで言われた時には、もう開いた口が塞がらなかった。
そして、今の職場では請負ワーカーとして、日払い派遣ワーカーに作業指示を出しています。私も派遣ワーカーだった時期があるだけに、出来るだけ「おい、そこの派遣の君」ではなく名前で呼ぶようにしていますが、そう毎日入れ替わり立ち替わりで来られると、顔と名前を覚えるだけでも大変です。
仕事も、単に「ここにある商品を分ける」「このカゴ車をあそこに持っていく」とかだけでなく、どんな作業にもそれぞれに意味や前後工程との関連がある訳ですが、そんな事を現場で、いきなり来られて今日一日だけ仕事して帰る人に、自分も同じ様に仕事に追われる中で、きちんと説明など出来る筈が無く。それでもミスや怪我はさせられないので、構内施設や作業の名称すら知らない人を相手に、「これはこうするんや!」という形で、最低限の説明だけして、何とか仕事を回しています。しかし、こんな扱われ方では、する方もされる方も、堪ったものではないでしょうね。職場が次第にギスギスしてくるのが、手に取る様に分かります。そんな中で、また森みたいな事をされたら、今度こそ私も何するか分かりません。
そんな働き方(働かされ方)を強いられて、一体どこが「信念・プライドをもって」働けるというのですか。「派遣・請負という働き方を望む人もいる」のも、大多数の人は、過酷な境遇は正社員も似たり寄ったりだったり、低賃金でそれだけでは食べていけないから、仕方なく派遣・請負労働に甘んじているだけの話なのです。確かに、えり好みさえしなければ、正社員の口も、在るには在ります。しかし、それらはいずれも大半が、悪徳商法の詐欺営業か、フリーター以上に使い捨てかの、碌でもない求人ばかりなのです。
その辺の事情は、米国のワーキングプアが、食い詰めてイラク派兵に「志願」せざるを得ないのとも、非常によく似ています。しかし、そんな状況でも「需要がある」の一語で以って正当化されるのであれば、闇金や麻薬取引ですら、大手を振ってまかり通ってしまいます。「人の足元を見透かして、いい加減な事を言うな」と言いたい。
勿論、グッドウィルなどの個々の悪徳派遣会社を、「臭いものに蓋、トカゲのしっぽ切り」宜しく、廃業に追い込むだけで、それで事足れりとする国の姿勢は、徹底的に糾弾されなければなりません。住専・銀行・ゼネコンにではなく、グッドウィル廃業で失業した日払いワーカーの救済にこそ、公的資金が投入されるべきです。
但し、先のJSGUの幹部連中の様な労働貴族については、「自業自得」という他ないですね。今頃になってやっと「グッドウィルに騙された」とか騒いでいる様ですが、何をか況やです。それまで会社と一緒になって、派遣ワーカー賃金ピンハネのお零れに預かってきたくせに、被害者面すんなと言いたい。まあ、それでも同じ労働者である以上は、助けてやらない事もないですが、それも、それまで自分たちが言ってきた事・してきた事について、きちんと自己批判して初めて言える事です。
また、この問題は、単に「正社員・直雇用か、派遣・請負か」の単純な二者択一でもありません。交通量調査の様な、本当に臨時・自己完結・単一労働の「やっつけ仕事」については、派遣でも一向に構わないのですから。或いは、トヨタの期間工の様に、直接雇用であっても非人間的な労働もある。問題はそんな所にあるのではなく、直接雇用であれ間接雇用であれ、「人間扱いされているか、モノの様に扱われていないか」という事が問われているのです。そうして見た場合、日々の昼食にも事欠いて、カップラーメンや無食で凌がなければならない様な、今の派遣・請負労働については、お世辞にも「人間的」であるとは、到底言えません。
この秋葉原通り魔事件については、下記のブログでも紹介されている様に、昨今の格差社会が微妙に影を落としています。勿論、その中でも加藤容疑者の様にならずに、頑張っているワーキングプアの人も大勢居ます。彼のやった事は到底許される事ではありません。第二・第三の彼を生まない為にも、「何故、彼にはそれが出来なかったのか」という彼個人の弱さ・甘さや、彼のみならず私自身自身の中にも潜む「弱者の暴力性・差別性」「無差別テロへの衝動」についても、批判的立場からきちんと見ていかなければ、事件の全体像は掴んだことにはなりません。
その中にあって、最後に紹介した産経新聞の記事だけは、相変わらず事件を容疑者個人の特異性だけの問題に貶めて(つまり光市母子殺害事件と同様の手口で)、ナイフ所持規制の是非といった方向に世論を誘導しようと、躍起となっているのが、もう見え見えで。いくらナイフ所持を規制しても、犯罪の土壌となる社会的閉塞感・不公平感や、現実の経済格差が解消される方向に向かわない限り、犯罪は減りません。そんな報道ばかりしていると、いつか最後には産経新聞も、「この御用新聞が!」という事で、「第二・第三の加藤」の標的にされてしまうでしょう。明治時代の日比谷焼き打ち事件や、大正時代の米騒動の時の様に。
・久々にマスコミに感謝!(秋葉原通り魔事件関連記事)(ワンダバステーション・日記帳)
http://blogs.yahoo.co.jp/wandaba_station/55549185.html
・NHKスペシャル「追跡・秋葉原通り魔事件」 - 本田由紀の正論解説(世に倦む日日)
http://critic5.exblog.jp/8848401/
・秋葉原無差別殺傷 25歳どう見る 「共感できない」(産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080612-00000087-san-soci&kz=soci
やまもとぶーにゃんと申します。
私は幼稚園で交通誘導警備員をしていますが、
警備業というのはハケン・日雇い人夫出しと同じです。
(日にちごとに日報を提出するのも同じ)
私の所属する警備会社は、
社長が30代のボンボンで、
仕事に就かされたときはいろいろパワハラを受けました。
しかも警備業法で義務づけられている、
30時間の新任研修もなく。
弊ブログでも綴っておりますが、
警備業もまた、誇りを持つことのできない、
「非人間的」な職場です。
今はクライアント(幼稚園)の職員と、
送迎に来られる親御さんに励まされて、
なんとかがんばっておりますが。
もしこれがショッピングモールの駐車場や、
工事現場だったら、
ドライバーからの怒号ばかりが飛び、
そして社長からのパワハラも、
もっとすごいものになっていたでしょうね。
このような事態になったら、
それこそ私は殺人事件を起こしていたのかもしれません。
今回の事件の容疑者と私とは、
共通点がかなり多いですから。
それではまた。
これからも度々コメントしたいと思います。
どうかよろしくお願いいたします。
>やまもとぶーにゃんさん
警備業ですか。私も、面接受けてバイトに採用されて、3日間のその新人研修も受けた事がありますよ。
そして4日目に現場に配属されたのですが、いちいち職場の決まり事(労基法とかコンプライアンスとは全く違うレベルの)を金科玉条の如く守らなければならなかったのと、現場を取り仕切っている人の根性論・精神論が余りにも鼻に付いたので、最後まで残った私もその日のうちに辞めて、結局そこでは、採用されたメンバー全員が辞めた格好になりました。
こちらこそ初めまして。今後も拙ブログを宜しく。
まったくです。日払いのカネを貰わないその日、食うカネがない人だっているわけです。
セーフティネット無しじゃモロ社会不安ですよ。
ただ、加藤容疑者の場合、だいたい人はこんなもんですよ。派遣先から打ち切りを打診されたわけで、派遣会社をクビになったわけじゃない。日給月給で一時的に収入が減ったとしても、次の派遣先を探してくれるわけでしょう。それに塗装工ならそこそこの技能職、もうちょっと手取りが多ければ、まあ、まあ、ですよ。工場の技能職は日系ブラジル人全盛(中国人も多い)。募集しても日本人はこないんだとか。超大手でなければ、正社員の就職先に困るとも思えないが。
グッドウィル許可取り消し・廃業方針に関する声明
2008年6月25日 派遣ユニオン・グッドウィルユニオン
失業する労働者の救済~日雇い雇用保険の遡及加入で「あぶれ手当」の受給を!
違法派遣や賃金不払など違法行為を繰り返してきたグッドウィルに対して派遣事業許可取り消し等の厳しい処分が出されるのは当然のことである。
しかし、1995年以降、違法派遣を繰り返しながら拡大してきたグッドウィルを放置したばかりか、1999年の派遣法改正によりグッドウィルが行う事業を合法化して急成長に拍車をかけた国の責任は極めて大きい。
もっと早くこのような違法派遣を取り締まっていれば、グッドウィルで働く労働者が数千人、数万人規模まで膨れ上がることはなかったし、許可取り消しによって大量の失業者を生み出すようなこともなかった。
また、グッドウィルで働く日雇い派遣労働者が日雇い雇用保険に加入していれば、失業しても当面は「あぶれ手当」の受給により当面の生活を凌ぐことができたはずだが、厚生労働省は、グッドウィルが日雇い雇用保険に全く加入させていない状態を承知しながら、それさえも放置した。
許可取り消しまたは廃業により、雇用を失い、生活の道を立たれる労働者の救済が何よりも優先されなければならない。
グッドウィルの許可取り消しでは低賃金・不安定雇用の問題は解消しない-派遣法の抜本改正を!
現在、グッドウィルが行ってきた港湾業務などの違法派遣は、日雇い派遣事業を行う同業他社に流れていっている。
つまり、グッドウィルの派遣事業許可を取り消しても、日雇い派遣が抱える違法派遣の実態、日雇い派遣労働者が抱える低賃金、不安定雇用、労働災害の多発の問題は解決しない。
舛添厚生労働大臣も「日雇い派遣の禁止」を口にするようになったが、今後は、派遣法改正の内容こそが問われることになる。
まず、日雇い派遣に象徴されるような劣悪な働き方の拡大は、1999年派遣法改正による派遣対象業務の原則自由化がもたらしたものであり、派遣法制定当初の趣旨に立ち返って派遣対象業務は極めて専門性の高い業務に限定すべきである。
「登録型派遣」が不安定雇用を生み出している。仕事があるときだけ雇用契約を結ぶ「登録型派遣」は原則禁止すべきである。ピンハネに歯止めをかけるためには、マージン率の上限規制も極めて重要だ。
そして何よりも、正社員と同じ仕事をしていたら同じ労働条件を義務付ける「均等待遇」の規定や、「細切れ契約」を禁止する規定など、派遣労働者の権利保護規定を盛り込むべきである。
グッドウィルユニオンは、グッドウィルの許可取り消し、廃業方針に関して下記のとおり声明する。
記
1、グッドウィル及びグッドウィルグループに、違法行為を繰り返しこのような事態を迎えた責任を取るため、労働者の生活を確保するための賃金保障を求める。
2、グッドウィル及びグッドウィルグループに、未返還のデータ装備費、集合時間からの未払い賃金、労災補償など、労働者に支払うべき賃金等の支払いや補償を求める。
3、厚生労働省に、失業する日雇い派遣労働者を救済するため、日雇い雇用保険に遡及加入させるよう求める。
4、労働者派遣法を抜本改正すべきである。具体的には…
(1) 低賃金・不安定雇用・労働災害の多発を生み出す派遣制度の規制
・ 派遣対象業務の専門業務への限定
・ 登録型派遣の原則禁止
・ マージン率の上限規制
(2) 派遣労働者の権利保護
・ 同じ仕事をしている派遣先労働者との「均等待遇」
・ 「細切れ契約」の禁止
以上
http://ameblo.jp/goodwillunion/entry-10109914801.html
そこで、再交付された私の「契約社員雇用契約書」を見ると、2つの事に気付きました。一つ目は、「自動更新の期間延長」。今までは「2ヶ月毎の自動更新」であったのが、今度は「5ヶ月毎の更新」に変わっている点。そして二つ目に、今までは「自動更新」「(雇用契約を)更新する場合があり得る」「更新しない(つまり契約満了=解雇)」の3項目に分かれていた「契約更改」欄が、「期間の定めあり」「定めなし」の2項目になっていて、しかも「期間の定めあり」に○が打たれている形になっていたのです。
「えっ、じゃあ期間満了と同時にお払い箱、って事かよ?」と一瞬ドキッとしたのですが、よくよく見ると別の欄に、「再契約する場合がある」「再契約しない」の2項目が記載されていて、こちらの方には「~場合がある」に○が打たれています。他のメンバーの契約書も、みんなそういう形に変わっていました。
総務の説明曰く、「内容的には、2ヶ月の自動更新から、5ヶ月毎のそれに変わっただけ」との事でしたが、何か意味深というか、感じ悪いというか・・・。素直に「自動更新する」とだけ書けば良いのに、何でこんな勿体ぶった書き方をするのか。これじゃあ、「本当は自動更新などしたくはないのだが、君の頑張り如何によっては、更新してあげても良いよ」と言っている様なモノじゃないか。まるで、契約社員(請負労働者)の弱い立場を見透かして、ことさら居丈高に振舞われている様で、感じ悪いったらありゃしない。
昨今、「人間使い捨て」とも言うべき派遣・請負労働の在り方が問われる中で、「派遣労働法を派遣会社保護法から労働者保護法に」という流れが次第に強まっています。ひょっとしたら、先述の雇用契約書の文面変更は、その流れに対する資本家側の対抗策ではないでしょうか。先手を打って、「自動更新」という扱いから、「頑張り如何では更新してやっても良いよ」という形に、切り替えてきているのではないか。
産経新聞側も、いつまでもいい気になっていたら、将来どんなしっぺ返しが来るか分からない事を思い知った方がいいと思いますね。どんな報道機関が相手でも、暴力や殺人は許されませんが。
それと最近、ネットで殺人予告の書き込みをした人が逮捕されるという事件が後を絶ちませんが(私もそういう書き込みは良くないと考えます)、いくら「本当に人を殺したい人」によるネットでの殺人予告の書き込みとかを規制しても、その人の殺意自体が消えるわけではないと思うんですね。だからこそ、「犯罪の土壌となる社会的閉塞感・不公平感や、現実の経済格差が解消される方向に向かわない限り、犯罪は減りません。」はその通りだと思います。
~たしかな野党 支え続けて 上げ潮めざす!~
なんの、なんの。重要人物に成りつつあるんじゃないですか。
狭い日本、たしかに優秀なヤツはいますが、そうでないヤツもいる。人材そうは余ってないんです。
末端は組合が無いんだから、有利な状況なら直接交渉しないと損ですよ。たとえば「○○で誘われてるんですが、世話になった会社辞めたくないし~」みたいな雰囲気で。
払う方は安い方がいいに決まってますから、黙ってって待遇が上がる可能性はゼロです。
ただ、微妙な問題ですから、くれぐれも慎重に。
「年収200万以上、自己資金0円で購入可能(中古マンション)」
センチュリー21アークレスト
何んでもかんでも値上がりの中、中古マンションだけは激安。もう家賃支払は損。
「自己資金0円」って、「敷金・礼金タダ」って事ですよね。まさか、大阪・西成のあいりん地区周辺にある「権利・保証ゼロ」物件や、「レオパレス21」みたいなものではないでしょうね。「家賃を1日でも滞納したら即有無を言わさず退去」みたいな。
その「センチュリー21アークレスト」のHPで、試しにこちらでも同様の物件がないかどうか探してみたら、大阪市内の天神橋に在りました。6畳のワンルームで、家賃は共益費込みで月5万4000円。若し私が今のままの月収で、そこで一人住まいを始めるとなると・・・もうカツカツ食っていけるかどうか。貯金はまず無理です。全部家賃に消えてしまう。ランチも、日払い派遣の若者と同じ様に、毎日毎日カップラーメンばっかりで辛抱しなければならないかも。
(1) それまでの偽装請負については反省している。
(2) 企業サイドから見ても派遣は問題がありすぎるので、解消の方向で考えている。
(3) 今後は派遣の代わりに、最長2年11ヶ月の期間社員の雇用を考えている。
(4) 派遣と請負の従業員が混在して同じ場所で働いている今の現状のままでは、派遣から業務請負への完全な切り替えは難しい。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-07-02/2008070225_01_0.html
何のことはない。「派遣を直接雇用の期間工に切り替えはするが、そのまま3年が経過すると正社員にしなければならないので、その前には全員辞めて貰う」というだけの事じゃないか。それで新たに期間工を雇っても、その人たちも2年11ヶ月後には同じ様に解雇されるのだ。
私は派遣ではなく請負の常用雇用のバイトだが、ゆくゆくは上記みたいに、2年11ヶ月で辞めさせられる破目になるかも。