初めまして。私は大阪在住の元党員です。先日の総選挙でも比例区・選挙区ともに貴党に投票しました。
その意味では、総選挙の結果は非常に残念でした。自公与党が引き続き国会の3分の2の議席を得てしまい、野党の方も、希望の失速・立憲の躍進という新たな変化が生まれる中で、貴党は残念ながら21議席から12議席に大幅に後退してしまいました。
この点について、知人の方から貴重な意見をいただきました。その意見とは、「今回の貴党の後退は、反安倍のスローガンが余りにも前面に出てしまった為に、肝心の党の理念や政策が逆にかすんでしまい、『何でも批判するだけの党』と有権者に思われてしまったからではないか」というものです。その方は、私の行きつけの鍼灸院の先生で、私と同様に党の支持者でもありますが、今回の貴党の選挙チラシを見た途端に、「これではダメだ」と直感したそうです。
私も、その意見を聞いて「なるほどなあ」と思いました。実家の近所に掲げていた貴党の選挙ポスターも、「憲法9条改悪反対」「安倍政治NO!」だけで、共産党独自の立場や政策については、ほとんど何も書かれていませんでした。これでは、貴党に投票するのはゴリゴリの反安倍論者だけに限られてしまいます。
それと対照的だったのが立憲民主党です。この党も、今の安倍政治や安倍政権の進める憲法9条改悪には批判的ですが、党のポスターには反安倍の文字はほとんどなく、逆に「まっとうな政治」という形で、党の目指すべき理想や政策を前面に掲げる選挙戦を展開しました。それが奏功して、誕生間もない新党であるにも関わらず、野党第一党にまで躍り出る事が出来たのです。
宣伝戦の中では、先に主導権を握った方が勝ちです。その宣伝の中身が、いかにデタラメなものであったとしても。一旦、先方に主導権を握られてしまうと、先方の言う事にいくら反論しても、傍から見ると「揚げ足を取っているだけ」「批判しているだけ」と見られがちになります。その挙句に「売り言葉に買い言葉」の「泥仕合」みたいに捉えられ、無党派層からは「どっちもどっち」と見られてしまうのです。
そうさせない為には、相手の土俵に乗せられては絶対にダメです。逆に、自分から土俵を作って、相手を自分の土俵に引きずり込み、相手を言い訳(守勢)に回すぐらいでないと、宣伝や選挙に勝つ事はできません。
数年前の選挙で何故、貴党が躍進できたのか?当時は、安倍政権が「アベノミクスで有効求人倍率も賃金も上がった」と宣伝し、実際にも、それらの数値が「見かけ上」は上昇し、少なくない有権者がそれに惑わされる中で、選挙戦が展開されました。それに対し、貴党は「有効求人倍率が上がったといっても、募集しているのはブラック企業ばかりじゃないか」「バイトの時給が上がったのも、団塊世代の退職による人手不足のせいで、アベノミクスの成果なぞではない」と、ただ反論しているだけではありませんでした。「ブラック企業撲滅」という新たな土俵を設定し、安倍政権をその土俵に引きずり込み、世論を味方につけて、厚生労働省内に過労死対策の特別チームを編成しなければならない所まで、安倍政権を追い詰めました。だからこそ躍進できたのではありませんか。
本来、貴党には、有権者に堂々と語れるだけのビジョンも政策もあるはずです。日本の政党の中で、まともな綱領を掲げているのは、貴党だけなのですから。今後は、安倍政権不支持の有権者にしか伝わらない「安倍政治NO!」よりも、もっと党本来の政策を前面に押し出すべきだと思います。
※同じ内容のタイトル・文章で、共産党中央委員会にも先程メールを送信しました。
深い未来問題が潜んでいるベーシックインカムについてさえまともな見解や政策対応を示せない改良主義さえ落第の実質的社民諸党では、有権者に対し緊急政策も未来も訴えられなくて当然です。
あるのは、50年一日のごとき紋切りフレーズ。
後退や変節はあっても、政治的に進歩も発展もしない20世紀の遺物連中ではもう、無理なんです。