先日、「大本営発表は何も戦前だけに限った話ではない」という記事の中で、産経新聞の報道姿勢を批判した所、「そのフジ産経グループが、韓流ブームを煽っているとして、身内である筈の右翼保守層からデモをかけられる事態になっている」という話になり、そこから8月21日東京・お台場での嫌韓流デモを巡る議論がコメント欄で始まりました。そういう事で、ひょんな事から、記事本文の内容とはまた別のテーマで議論が始まりましたが、こちらもなかなか興味深いテーマだと思いますので、別記事の形で、これまでのコメント投稿を全てこちらに転載させて貰いました。以後、フジテレビ抗議デモを巡る議論の続きは、全てこちらのコメント欄でお願いします。
フジテレビ抗議デモ 8・21 その1 【高画質】
●高岡蒼甫の発言をきっかけに (バッジ@ネオ・トロツキスト) 2011-08-22 09:17:20
激化した反韓流・反フジテレビの運動、ついにデモ↓連発戦術に突入しましたね。
「スポーツ民族主義」者や韓国商業主義文化拒絶潮流まで巻き込んで、拡大しているようですよ。
http://www.youtube.com/watch?v=695jt6VsHOk&feature=related
ここでも、左派は拉致問題の時のように対応を間違えてはいけないと思います。
経済力のついた近年の日中韓では、経済力の発展と結びついた自民族優越思想の拡大も背景にした国民感情の対立などもあります。
やはり、21世紀は国際主義に立った世界が求められますね。
●Re:高岡蒼甫の発言をきっかけに (プレカリアート) 2011-08-23 07:20:54
フジテレビ抗議デモの動画見ました。途中で寝入ってしまって全部は見れなかったけど。そこで感じた疑問点を幾つか思いつくまま書きます。
(1)くだんの抗議デモ、そんなに話題になっている?
抗議デモの参加者・支持者曰く「ネットでの注目度No.1」との事ですが、本当にそうなの?私自身初めて聞く話だし、職場でも、反原発デモが話題になっても、このデモの事は全然話題に上らない。私自身も、高岡蒼甫(たかおか・そうすけ)の名前の読みすら知らなかった位で。宮崎あおいの旦那で、映画「パッチギ」の主役リ・アンソンを演じた事も、ネットで調べて初めて知った。
(2)そもそも韓国ドラマや韓流スターの何が悪いのか?
昨日たまたまテレビで「超新星」の歌を聞いたが、なかなかイカス曲じゃんか。日本語も上手いし。あれの何処が気に入らないのか、全然分からない。
それでも敢えて韓国の悪口を言うならば、ロッ×××・ハンバーガーの品質管理が杜撰だという事ぐらいかな。これは実際、以前の現場で当該企業の食材仕分け業務を請負っていたからよく分かる。だから念の為に伏字にしたのだけど。
思いつくのはそれ位かな。でも、それは日本のメーカーも大同小異でしょう。
(3)そもそも、韓流ブーム如きに何故「文化侵略」と目くじらを立てなければいけないのか?
そんな事を言い出せば、キムチや餃子・ラーメン・カップ麺すら「特定アジアによる文化侵略」という事で食えなくなる。「餃子の王将」にまで抗議デモをかけなければなってしまう。
そこまで言うなら、商業主義丸出しのAKB48やモーニング娘は一体どうなるの?あれこそ大資本による音楽文化の私物化であり、愚民政策の最たるものでは。
更に言えば、戦後の3S政策(映画・スポーツ・性風俗を通した米系資本の対日支配)や、今で言えば原発マネーによる電力会社のマスコミ支配は一体どうなる?
そういう現実の世論操作には何も言及せず、ことさら韓流ブームだけを論うのは、どう見ても不公平であり、目くらましにしか過ぎないと思うのですが。
あと、「右翼反動の産経フジグループが何故韓流ドラマに力を入れているか?」という疑問もありますが、これは一定想像がつく。産経もやはり商売でやっているので、「右翼反動」路線一本槍では食っていけない。保険をかける意味でも多角経営に乗り出しているのでは。しかし、従来からの右翼読者も裏切れないので、韓流の方は本業に差し障りのない範囲で傍系のフジテレビにやらしているのでは。
●一件訂正 (プレカリアート) 2011-08-23 08:08:39
>そんな事を言い出せば、キムチや餃子・ラーメン・カップ麺すら「特定アジアによる文化侵略」という事で食えなくなる。「餃子の王将」にまで抗議デモをかけなければなってしまう。
先の上記コメント文中の「かけなければなってしまう」→「かけなければならなくなってしまう」に訂正。
●フジ攻撃 (バッジ@ネオ・トロツキスト) 2011-08-23 09:35:31
この流れには、種々の自家撞着も散見されるので、その点では現代日本の混迷状況を表していると思いますね。だから、左派も、安直な図式主義理解や紋切り対応じゃ核心には迫れない、事態を正せないでしょう。それでは拉致問題を一方的に日本や米国の責任にしたり、「北」への軍事制裁を容認したりするような立場と同じだと思います。
この問題では、例えば、ウヨメディアの先鋒であるフジの韓流ブーム牽引という「裏切り行為」と、それに対するネトウヨの激しいフジ攻撃がまず引っかかる。これは靖国教科書一派の「内紛」なんかとも意味内容が違う異常事でしょう。まさか、デモは総会屋右翼が局内権力闘争に介入しているわけでもないでしょうし。
ナゼ、右派メディアの象徴が韓流提灯の先鋒になり、一方日の丸族がそれを攻撃するのか?双方の意図や背景がよく解りません。
また、ナゼ高岡発言なのか?彼の発言の真意は?彼はいわゆる「嫌韓」派なのか?こういう疑問もある。
さらには、フジと一緒に花王が攻撃対象にされている点。花王はキムヨナの「敵」浅田のスポンサー企業なのにです。
韓流、K-POPへの嫌悪というのは理解出来る面がありますね。
そもそも、今、日本のメディアが金儲けのネタにしている韓国産エンタメは、まともな韓国文化ではありません。日本のまがいもの文化のそのまた劣化コピーにすぎない。安いだけが理由で使われている。近年の制作経費削減、外部委託化というコストカットの行き着いた果てが安い韓国産コンテンツの輸入・放映だという面は否定出来ません。韓流ブームや韓タレ人気というのも眉唾です。日本の芸能界でよく使う手「やらせ」「持ち上げ」工作も行われている。
韓流ブームとは、ハリウッド文化やアメリカテレビ番組の大量輸入並みに下らない商業主義による文化席捲でしょう。
なお、
>従来からの右翼読者も裏切れないので、韓流の方は本業に差し障りのない範囲で傍系のフジテレビにやらしているのでは。
の部分ですが、もう、とっくに「差し障」っていますよ。
フジは自局の経営に「差し障」っているのに、なおもまだ続けているからこそ、その理由や背景を知りたい、知るべきだと思うのですよ。
デモ隊は、すでにフジのスポンサー企業攻撃までやっているんですからね。
●続・フジ攻撃 (バッジ@ネオ・トロツキスト) 2011-08-23 19:48:04
以前、4トロが機関紙でスポーツ・ナショナリズムへの警鐘を乱打していましたが、展開すべき論点内容がやや狭かった。ま、「赤旗」のスポーツ欄みたいな「ニッポン万歳!」記事を超えている点では評価しておきますけど・・・
問題は、日本の歴史修正主義以外にもウリナライズムや中華思想のような自国優越イデオロギーを携えて先進国化した中韓が対日文化輸出を進めようとしていることです。それも、完全に商品や市場の論理、利潤追求優先の姿勢でね。小室哲哉が江沢民と握手したり電通の成田会長が韓国政府から叙勲されたりというのには、そういう背景があるからでしょ?
だから、件の高岡氏に限らず、役者なんかの間で外国コンテンツの流入に対する被害者意識も強くなってきています。「職場が奪われる!」というようなね。ヨーロッパでの移民労働者問題と似ているのかな?w
日本のテレビ界・映画界は、80年頃からコストカット追求の制作外部委託などを強行していますから被害感は余計なんでしょうね。菅原文太なんか、食えなくて長野で百姓やってるw
そういうそんなこんながあるんですよ。
そして、左翼陣営には理論・政策問題として文化の輸出入についての見解も求められる。
ネトウヨのフジ攻撃には、そういう重層的な検討課題があるように思うんですね。
●他にやる事ないんかよ (プレカリアート) 2011-08-23 23:37:03
のっけから挑発的なタイトルで書きますが、これはバッジさんに対してじゃなく、あくまでもくだんの抗議デモの連中に対してなので、一応念のため。
>そもそも、今、日本のメディアが金儲けのネタにしている韓国産エンタメは、まともな韓国文化ではありません。日本のまがいもの文化のそのまた劣化コピーにすぎない。安いだけが理由で使われている。(バッジさん「フジ攻撃」)
ああ、やっぱりそうだったんだ。たまたま「超新星」の歌を聞いた時は「J-POPとも遜色ないじゃん」と思いましたが、それ以外の少女時代とかKARAについては、一体どこが良いのか全然分からなかった。いや悪くもないんだけど、かと言ってそれほど良くもない。悪く言えば「AKB48の物真似」にしか過ぎないじゃないかと。韓流ドラマにしても、「一昔前のメロドラマの物真似」じゃないかと。
私は、韓流も嫌韓流も、正直言ってそれ自体には余り興味がないです。嫌韓流のキチガイじみた外国嫌いへの反発から、韓流については何となく「多文化共生」の肯定的ないイメージで捉えていただけで、韓流自体にそれほど興味があった訳じゃない。「好韓流」ではなく、あくまでも「嫌・嫌韓流」というスタンスでした。
>韓流ブームとは、ハリウッド文化やアメリカテレビ番組の大量輸入並みに下らない商業主義による文化席捲でしょう。(同上)
それじゃあ「人件費の安いインドネシアから看護士を募集しよう」という「資本の論理」と全く同じですね。その芸能分野版として、芸能プロダクションが日本人俳優から韓国人俳優に乗り換えただけ。それが「韓流ブーム」の正体だったのですね。たとえ漠然とではあっても、とてもじゃないが無条件に肯定できるような代物じゃあない、という事ですね。
そこでまた素朴な疑問に戻るのですが、だったら尚更の事、その「資本の論理」こそ批判しなければならないのに、それを何故「日・韓の民族対立」でしか見れないのかと、「左翼脳」の私はどうしても思ってしまいます。
たとえばコンビニを槍玉に挙げる場合でも、「コンビニ食品の安全性」とか、「コンビニ・バイトの低賃金使い捨て労働」とか、「フランチャイズによる搾取」とか、「24時間営業による資源浪費」とかこそ問題にすべきなのに、それらの具体的な問題点には目を塞ぎながら、徒に「外国の消費文化だからダメ」と排撃しているだけ。フジテレビ抗議デモの主張からは、そんなイメージしか思い浮かんで来ません。それでは、たとえコンビニを「昭和の駄菓子屋」に置き換えた所で、ジャンクフードや低賃金搾取やピンハネの構造は何も変わらない。
そもそも、あの抗議デモの中に、普通の一般市民はどれ位いたのですかね。デモの井出達や活動スタイルで判断する限り、「在特会」の街宣デモにしか見えませんでした。シュプレヒコールの音頭取りの女なんか、脱原発デモの時に「朝鮮太鼓ヤメロー!」とガナリまくっていたネトウヨの女とそっくりだった。
そんなデモを幾ら見ても、「故郷の福島を破壊した原発にも反対しないで、何が”国を守れ!”かよ、他にやる事ないんかよ」という気持ちにしかなれませんでした。
ただ、バッジさんの仰る疑問については、私も疑問に思いますので、時間が空けばもう少し調べてみようとは思います。あんなネトウヨのキモい動画なんて、正直言って見たくもないのだけれど。
●Unknown (バッジ@ネオ・トロツキスト) 2011-08-23 23:52:22
現代日本の民族劣化現象って、政治や経済分野だけじゃないんですよね。もう、あらゆる分野で劣化が指摘され問題になっている。
文化方面なんて、最悪だと思いますよ。特に、テレビ文化。
セリフも満足に発声、発音出来ないジャリタレ役者とか、デジタル技術の助けをライブでまで要求するシンガーもどきとか・・・・
今日も話題になったんですけど、最近はNHKの時代劇ドラマも酷くなってしまった。「篤姫」とか「江」なんて、フジTVのジャリ版「大奥」並みの酷さです。NHKも一昔、二昔前の「今朝の秋」や「蝉しぐれ」みたいな外国人すら感動させてしまうような名作ドラマをもう作れなくなっている。
困ったもんです。
フジテレビ抗議デモ 8・21 その1 【高画質】
●高岡蒼甫の発言をきっかけに (バッジ@ネオ・トロツキスト) 2011-08-22 09:17:20
激化した反韓流・反フジテレビの運動、ついにデモ↓連発戦術に突入しましたね。
「スポーツ民族主義」者や韓国商業主義文化拒絶潮流まで巻き込んで、拡大しているようですよ。
http://www.youtube.com/watch?v=695jt6VsHOk&feature=related
ここでも、左派は拉致問題の時のように対応を間違えてはいけないと思います。
経済力のついた近年の日中韓では、経済力の発展と結びついた自民族優越思想の拡大も背景にした国民感情の対立などもあります。
やはり、21世紀は国際主義に立った世界が求められますね。
●Re:高岡蒼甫の発言をきっかけに (プレカリアート) 2011-08-23 07:20:54
フジテレビ抗議デモの動画見ました。途中で寝入ってしまって全部は見れなかったけど。そこで感じた疑問点を幾つか思いつくまま書きます。
(1)くだんの抗議デモ、そんなに話題になっている?
抗議デモの参加者・支持者曰く「ネットでの注目度No.1」との事ですが、本当にそうなの?私自身初めて聞く話だし、職場でも、反原発デモが話題になっても、このデモの事は全然話題に上らない。私自身も、高岡蒼甫(たかおか・そうすけ)の名前の読みすら知らなかった位で。宮崎あおいの旦那で、映画「パッチギ」の主役リ・アンソンを演じた事も、ネットで調べて初めて知った。
(2)そもそも韓国ドラマや韓流スターの何が悪いのか?
昨日たまたまテレビで「超新星」の歌を聞いたが、なかなかイカス曲じゃんか。日本語も上手いし。あれの何処が気に入らないのか、全然分からない。
それでも敢えて韓国の悪口を言うならば、ロッ×××・ハンバーガーの品質管理が杜撰だという事ぐらいかな。これは実際、以前の現場で当該企業の食材仕分け業務を請負っていたからよく分かる。だから念の為に伏字にしたのだけど。
思いつくのはそれ位かな。でも、それは日本のメーカーも大同小異でしょう。
(3)そもそも、韓流ブーム如きに何故「文化侵略」と目くじらを立てなければいけないのか?
そんな事を言い出せば、キムチや餃子・ラーメン・カップ麺すら「特定アジアによる文化侵略」という事で食えなくなる。「餃子の王将」にまで抗議デモをかけなければなってしまう。
そこまで言うなら、商業主義丸出しのAKB48やモーニング娘は一体どうなるの?あれこそ大資本による音楽文化の私物化であり、愚民政策の最たるものでは。
更に言えば、戦後の3S政策(映画・スポーツ・性風俗を通した米系資本の対日支配)や、今で言えば原発マネーによる電力会社のマスコミ支配は一体どうなる?
そういう現実の世論操作には何も言及せず、ことさら韓流ブームだけを論うのは、どう見ても不公平であり、目くらましにしか過ぎないと思うのですが。
あと、「右翼反動の産経フジグループが何故韓流ドラマに力を入れているか?」という疑問もありますが、これは一定想像がつく。産経もやはり商売でやっているので、「右翼反動」路線一本槍では食っていけない。保険をかける意味でも多角経営に乗り出しているのでは。しかし、従来からの右翼読者も裏切れないので、韓流の方は本業に差し障りのない範囲で傍系のフジテレビにやらしているのでは。
●一件訂正 (プレカリアート) 2011-08-23 08:08:39
>そんな事を言い出せば、キムチや餃子・ラーメン・カップ麺すら「特定アジアによる文化侵略」という事で食えなくなる。「餃子の王将」にまで抗議デモをかけなければなってしまう。
先の上記コメント文中の「かけなければなってしまう」→「かけなければならなくなってしまう」に訂正。
●フジ攻撃 (バッジ@ネオ・トロツキスト) 2011-08-23 09:35:31
この流れには、種々の自家撞着も散見されるので、その点では現代日本の混迷状況を表していると思いますね。だから、左派も、安直な図式主義理解や紋切り対応じゃ核心には迫れない、事態を正せないでしょう。それでは拉致問題を一方的に日本や米国の責任にしたり、「北」への軍事制裁を容認したりするような立場と同じだと思います。
この問題では、例えば、ウヨメディアの先鋒であるフジの韓流ブーム牽引という「裏切り行為」と、それに対するネトウヨの激しいフジ攻撃がまず引っかかる。これは靖国教科書一派の「内紛」なんかとも意味内容が違う異常事でしょう。まさか、デモは総会屋右翼が局内権力闘争に介入しているわけでもないでしょうし。
ナゼ、右派メディアの象徴が韓流提灯の先鋒になり、一方日の丸族がそれを攻撃するのか?双方の意図や背景がよく解りません。
また、ナゼ高岡発言なのか?彼の発言の真意は?彼はいわゆる「嫌韓」派なのか?こういう疑問もある。
さらには、フジと一緒に花王が攻撃対象にされている点。花王はキムヨナの「敵」浅田のスポンサー企業なのにです。
韓流、K-POPへの嫌悪というのは理解出来る面がありますね。
そもそも、今、日本のメディアが金儲けのネタにしている韓国産エンタメは、まともな韓国文化ではありません。日本のまがいもの文化のそのまた劣化コピーにすぎない。安いだけが理由で使われている。近年の制作経費削減、外部委託化というコストカットの行き着いた果てが安い韓国産コンテンツの輸入・放映だという面は否定出来ません。韓流ブームや韓タレ人気というのも眉唾です。日本の芸能界でよく使う手「やらせ」「持ち上げ」工作も行われている。
韓流ブームとは、ハリウッド文化やアメリカテレビ番組の大量輸入並みに下らない商業主義による文化席捲でしょう。
なお、
>従来からの右翼読者も裏切れないので、韓流の方は本業に差し障りのない範囲で傍系のフジテレビにやらしているのでは。
の部分ですが、もう、とっくに「差し障」っていますよ。
フジは自局の経営に「差し障」っているのに、なおもまだ続けているからこそ、その理由や背景を知りたい、知るべきだと思うのですよ。
デモ隊は、すでにフジのスポンサー企業攻撃までやっているんですからね。
●続・フジ攻撃 (バッジ@ネオ・トロツキスト) 2011-08-23 19:48:04
以前、4トロが機関紙でスポーツ・ナショナリズムへの警鐘を乱打していましたが、展開すべき論点内容がやや狭かった。ま、「赤旗」のスポーツ欄みたいな「ニッポン万歳!」記事を超えている点では評価しておきますけど・・・
問題は、日本の歴史修正主義以外にもウリナライズムや中華思想のような自国優越イデオロギーを携えて先進国化した中韓が対日文化輸出を進めようとしていることです。それも、完全に商品や市場の論理、利潤追求優先の姿勢でね。小室哲哉が江沢民と握手したり電通の成田会長が韓国政府から叙勲されたりというのには、そういう背景があるからでしょ?
だから、件の高岡氏に限らず、役者なんかの間で外国コンテンツの流入に対する被害者意識も強くなってきています。「職場が奪われる!」というようなね。ヨーロッパでの移民労働者問題と似ているのかな?w
日本のテレビ界・映画界は、80年頃からコストカット追求の制作外部委託などを強行していますから被害感は余計なんでしょうね。菅原文太なんか、食えなくて長野で百姓やってるw
そういうそんなこんながあるんですよ。
そして、左翼陣営には理論・政策問題として文化の輸出入についての見解も求められる。
ネトウヨのフジ攻撃には、そういう重層的な検討課題があるように思うんですね。
●他にやる事ないんかよ (プレカリアート) 2011-08-23 23:37:03
のっけから挑発的なタイトルで書きますが、これはバッジさんに対してじゃなく、あくまでもくだんの抗議デモの連中に対してなので、一応念のため。
>そもそも、今、日本のメディアが金儲けのネタにしている韓国産エンタメは、まともな韓国文化ではありません。日本のまがいもの文化のそのまた劣化コピーにすぎない。安いだけが理由で使われている。(バッジさん「フジ攻撃」)
ああ、やっぱりそうだったんだ。たまたま「超新星」の歌を聞いた時は「J-POPとも遜色ないじゃん」と思いましたが、それ以外の少女時代とかKARAについては、一体どこが良いのか全然分からなかった。いや悪くもないんだけど、かと言ってそれほど良くもない。悪く言えば「AKB48の物真似」にしか過ぎないじゃないかと。韓流ドラマにしても、「一昔前のメロドラマの物真似」じゃないかと。
私は、韓流も嫌韓流も、正直言ってそれ自体には余り興味がないです。嫌韓流のキチガイじみた外国嫌いへの反発から、韓流については何となく「多文化共生」の肯定的ないイメージで捉えていただけで、韓流自体にそれほど興味があった訳じゃない。「好韓流」ではなく、あくまでも「嫌・嫌韓流」というスタンスでした。
>韓流ブームとは、ハリウッド文化やアメリカテレビ番組の大量輸入並みに下らない商業主義による文化席捲でしょう。(同上)
それじゃあ「人件費の安いインドネシアから看護士を募集しよう」という「資本の論理」と全く同じですね。その芸能分野版として、芸能プロダクションが日本人俳優から韓国人俳優に乗り換えただけ。それが「韓流ブーム」の正体だったのですね。たとえ漠然とではあっても、とてもじゃないが無条件に肯定できるような代物じゃあない、という事ですね。
そこでまた素朴な疑問に戻るのですが、だったら尚更の事、その「資本の論理」こそ批判しなければならないのに、それを何故「日・韓の民族対立」でしか見れないのかと、「左翼脳」の私はどうしても思ってしまいます。
たとえばコンビニを槍玉に挙げる場合でも、「コンビニ食品の安全性」とか、「コンビニ・バイトの低賃金使い捨て労働」とか、「フランチャイズによる搾取」とか、「24時間営業による資源浪費」とかこそ問題にすべきなのに、それらの具体的な問題点には目を塞ぎながら、徒に「外国の消費文化だからダメ」と排撃しているだけ。フジテレビ抗議デモの主張からは、そんなイメージしか思い浮かんで来ません。それでは、たとえコンビニを「昭和の駄菓子屋」に置き換えた所で、ジャンクフードや低賃金搾取やピンハネの構造は何も変わらない。
そもそも、あの抗議デモの中に、普通の一般市民はどれ位いたのですかね。デモの井出達や活動スタイルで判断する限り、「在特会」の街宣デモにしか見えませんでした。シュプレヒコールの音頭取りの女なんか、脱原発デモの時に「朝鮮太鼓ヤメロー!」とガナリまくっていたネトウヨの女とそっくりだった。
そんなデモを幾ら見ても、「故郷の福島を破壊した原発にも反対しないで、何が”国を守れ!”かよ、他にやる事ないんかよ」という気持ちにしかなれませんでした。
ただ、バッジさんの仰る疑問については、私も疑問に思いますので、時間が空けばもう少し調べてみようとは思います。あんなネトウヨのキモい動画なんて、正直言って見たくもないのだけれど。
●Unknown (バッジ@ネオ・トロツキスト) 2011-08-23 23:52:22
現代日本の民族劣化現象って、政治や経済分野だけじゃないんですよね。もう、あらゆる分野で劣化が指摘され問題になっている。
文化方面なんて、最悪だと思いますよ。特に、テレビ文化。
セリフも満足に発声、発音出来ないジャリタレ役者とか、デジタル技術の助けをライブでまで要求するシンガーもどきとか・・・・
今日も話題になったんですけど、最近はNHKの時代劇ドラマも酷くなってしまった。「篤姫」とか「江」なんて、フジTVのジャリ版「大奥」並みの酷さです。NHKも一昔、二昔前の「今朝の秋」や「蝉しぐれ」みたいな外国人すら感動させてしまうような名作ドラマをもう作れなくなっている。
困ったもんです。
歴史修正主義者の嫌韓流ネトウヨたちにしても、日・韓の劣悪商業文化の洪水的な押しつけを甘受する義務はないし、かつての被侵略国に「領土問題」なるニセ問題まで言い立てる排外主義や自民族優越思想が台頭している現在では、一定の「反論権」も生じる。
ま、過去や国家による悪行に囚われない真の左派こそが、この種の問題を正確に分析し対処出来るんでしょうがね。
まずテレビですが、民放のバラエティ番組に顕著なように、「内容の無さを放送テクニックでカバーしているだけ」なのが露骨に分かるもの。見せ場をわざとCMの後に持ってきて、しかもそれをCM前に煽ったり。外国映画の字幕でもないのに、出演者の発言をわざわざデカ字のテロップで画面の下にも流して、無理やり注目を惹こうとする姿勢が露骨に目に付く。
バラエティもバラエティなら、ニュース系もニュース系で、「報道ステーション」は単なる「その日起こった出来事集」に堕してしまっているし、解説番組も「やしきたかじん」のネトウヨ番組のように、2ちゃんレベルのアホが誰でも言えるような事を言っているだけだし。
そして民放も民放ならNHKもNHKで、政府・与党や経団連の単なる広報番組と化してしまい、自分の意見も、ジャーナリズムとしての矜持も何もない。しかも性質の悪い事に、そんな「垂れ流し」でしかない報道を、恰も「公正・中立」であるかのように勘違いしている節すら感じられる。
新聞も基本的な状況は同じ。とりわけ中でも産経のトンデモさが突出しているが、他の朝日・毎日・読売・日経も本質的には同じ。「赤旗」や「日刊ゲンダイ」は流石にそこまで酷くないが、それでも「産経以下よりはまだマシ」レベルにしか過ぎない。「赤旗」も今や数ある左派ブログと同程度の値打ちしかないし、「日刊ゲンダイ」も小沢擁護キャンペーンで「産経と合わせ鏡」でしかない事がすっかりばれてしまった。
中にはそうでもないテレビ番組や新聞記事もありますが、そんな番組は平日の仕事返りには到底間に合わないし、新聞記事もその大半は他県の地方紙のもので、それじゃあ購読なんて無理だし。
だから私は、日々の情報は主に幾つかの左派ブログ・サイトから収集しています。新聞やテレビを見なくなった当初は物足らなく思ったものですが、今はもう慣れました。
ただ難点を一つ挙げれば、三面記事の話題には疎くなった。大阪・天王寺の「ドラム缶遺体バラバラ事件」も、職場で話題に上って初めて知った位で。でも、そんな「どうでも良いニュース」なぞ、後で幾らでも追っかけて行けば良いし。
歴史修正主義者の嫌韓流ネトウヨたちにしても、日・韓の劣悪商業文化の洪水的な押しつけを甘受する義務はないし、かつての被侵略国に「領土問題」なるニセ問題まで言い立てる排外主義や自民族優越思想が台頭している現在では、一定の「反論権」も生じる。(バッジさん「盗人にも三分の理」)
いや、それでも私としては辛口の評価をせざるを得ません。高岡発言の裏事情も次第に分かってきて、高岡が低俗な韓流ドラマの押し付けに怒っている事も理解出来ましたが、それならそれで、もっと別の言い様があるのでは。
マスコミの劣化は、別に韓国だけでなく日本の問題でもあり、それを糾さなければ「俳優使い捨て」の現状も変革できない事は、当事者ならそれなりに分かっている筈。別に左派の様に「経済グローバリズム・新自由主義」反対を叫ばなくとも。
にも関わらず、それへの反論が単なる「韓流嫌い、うちら日本人だから伝統番組しか見ない」だけとは、大人の発言として余りにも幼稚過ぎませんか。これじゃあ「2ちゃんの厨房」と全然変わらない。とても「パッチギ」主演俳優の発言とは思えない。
バッジさんが左派の問題意識として、高岡に別の見方を提示できなかった責任を感じておられるのは分かりますが、私は高岡自身のそういう「未熟さ」についても、もっと責められて然るべきだと思う。
フジテレビ抗議デモにしても、仮にマスコミの劣化状況や情報操作、愚民思想に対する正当な怒りがあったとしても、では何故それが共謀罪法案・ネット規制法への怒りに向かわずに、「人権擁護法案だけ」に向かうのか。
それは、彼ら彼女らが、何でもかんでも「反日VS嫌韓・嫌中」の対立軸でしか捉えられない単細胞人間だからじゃないですか。中国の人権問題も、それを陰で支えている多国籍企業の新自由主義的搾取には頬かむりして、反共・反中国人の発想でしか捉えられない。
だからバカなネトウヨからしか支持されない。身内である筈の元祖「嫌韓流」作者・山野車輪からも内心バカにされる始末で。
幾ら幸福実現党が「消費税廃止」を掲げ、その主張に限っては支持出来たとしても、その他の同党の主張のトンデモさを考えれば、同党なぞ到底支持できないのは明らかです。幸福実現党の支持が広がらないのは、あくまでも同党の「自業自得」によるものです。フジテレビ抗議デモへの私の評価もそれと同じです。
「朝ズバ」「ミヤネヤ」などの朝・昼のワイドショーで、よく司会者がその日のスポーツ新聞や夕刊紙の紙面を張り出して解説するコーナーがあるでしょう。あれなぞ典型的な手抜きです。
なぜなら、単に他の新聞記事をなぞるだけで、手間も金も頭も殆ど使わなくて良いからです。
一応は記事を引用する形をとっていますが、実際は文章を一字一句なぞるだけ。解説も論評も何も無い。
これでは「引用」ではなく只の「転載」です。転載は、それをするだけの価値ある告知やアピールを転載してこそ意味があります。しかし、ワイドショーで取り上げる話題は、どうでも良い三面記事や芸能ゴシップばかり。まるで「お前らにはこの程度の話で充分」と適当にあしらわれているようで、見ていて非常に気分が悪い。
そんな番組ばかりだから、昔あった夜7時台のゴールデンタイムも消滅してしまい、どの番組も10%台や一桁の視聴率しか稼げなくなってしまったのです。「今まで視聴者をバカにし、その上に胡坐をかいてきた罰だ」「自業自得だザマアミロ」・・・だけで済めばまだ良い。そんなバカ番組のお蔭で、国民の知的レベルが低下し、政治へのチェックが行き届かなくなっているのかと思うと、我ながら歯がゆくてなりません。
これがもし三面記事の解説なんかじゃなく、「池上彰の学べるニュース」の手法で、例えば5月3日の憲法記念日に日本国憲法の解説をするとか、8月6日には広島平和宣言や原爆慰霊碑の碑文についての解説とコメントを入れるとか、労働基準法が施行された日には労基法の解説をするとか(不当労働行為への対処法なども入れれば尚更良い)、そうすれば日本の政治も今よりもっとマシになるのに。
マスコミがその体たらくなら、「一丁私のブログでそれをやってやろうか」とも思うのですが、流石に毎日の事となると、個人が趣味の範囲でやるにはどうしても無理がある。
同感。更に付け加えれば、音楽雑誌やスポーツ芸能メディアの体たらくも同様。
歌謡界やロック・ジャズ、大相撲やサッカー、フィギュアなど、多様な文化の世界の問題状況を抉れるメディアって、今の日本にはもう、皆無ですよ。小沢教の「日刊ゲンダイ」だけじゃなく「赤旗」にも「週刊金曜日」にも「NMM」にも、もうほとんど期待出来ないもんねwww
>高岡発言の裏事情も次第に分かってきて、高岡が低俗な韓流ドラマの押し付けに怒っている事も理解出来ましたが、それならそれで、もっと別の言い様があるのでは。
日本では、文化芸術分野の「労働運動」の欠落も大きいよね。ハリウッドの俳優や音楽家、ライターたちが組合(Union)作って自分たちの待遇改善や文化要求実現、反戦要求などのためにストまで打てることと比較すると、日本ではこういう方面でも、すご~~~~く遅れてるんですよね。
>バッジさんが左派の問題意識として、高岡に別の見方を提示できなかった責任を感じておられるのは分かりますが、私は高岡自身のそういう「未熟さ」についても、もっと責められて然るべきだと思う。
最近の日本人の基礎的社会教養、社会性の貧困は、主に自民党政府と文部省など体制側の責任でしょうが、社会主義幻想抱えて惰眠を貪っていた20世紀左翼にも責任の一端があるように思うんですよね。「理論が現実に立ち後れている」し、左翼のアンテナが錆びついちゃっているから、「赤旗日曜版」なんかもさっぱり面白くない。
>マスコミがその体たらくなら、「一丁私のブログでそれをやってやろうか」とも思うのですが、流石に毎日の事となると、個人が趣味の範囲でやるにはどうしても無理がある。
一人じゃ無理でしょうよ。
今の日本のメディア状況に危機感持つ「同志」たちが数十人、「コレで良いのか日本のメディア文化」とでもスローガン掲げて、ネットで共同で手分けしてテレビ・新聞にとってかわるぐらいの大きな構えの運動をやったらどうでしょうかね?
既成メディアや2Chに対抗出来るような「日本社会全面改革」のための言論・表現運動です。
政治経済から文化スポーツ、趣味風俗・家庭生活、医療福祉教育問題まで、どんな分野でも「現代の問題」を鋭く摘出して論陣張れるような総合サイト!
「21世紀の思想と科学を」みんなで共同創出するようなサイトですよ!
資本が国境を越えた運動を激化させた結果人々の間に産まれた不満は、国家主義や拝外思想に回収される。工業製品でも文化商品でも、安い輸入品が国内の雇用や企業を圧迫すると、排外主義が頭をもたげてくる。
でも、幾ら排外主義が頭をもたげて来ようと、諸外国から相手にされず、かといって今さら鎖国する訳にも行かず、経済的苦境の打開にも何ら役立たないのでは、徒に袋小路に入り込むだけ、国民に不満がたまるだけですね。そのたまった不満のはけ口が、かつては戦争という形で、今も極右テロのような形で暴発する。
しかし、幾ら暴発しようと、それで失業や不況が改善される訳ではない。戦争特需も一時の仇花にしか過ぎず、最後にはコテンパンにやられて、侵略のツケを支払わされるだけ。現実は何も変わらない。
この様に、排外主義に囚われている限り、この「堂々巡り」からは抜け出せません。考えれば至極簡単な理屈なのに、それに気付かない人が余りにも多すぎます。
それぞれの国での近年の国民経済の発展と、その一方でのグローバリゼーションによる国民生活破壊という共通現象から、アジアの歴史問題も伴い日・中・韓3国共、国内で自民族優越思想や排外主義が台頭してきている。
日本の靖国派が中韓国民から反感をもたれるだけでなく、中韓間でも相手国への嫌悪感情や拒絶気分が拡大してきています。高句麗問題や韓国兵の過去の問題をはじめ、さまざまな案件で中韓間にも反目や嫌悪感情が産まれている。
http://www.youtube.com/watch?v=qUT9BLWIu_I&NR=1
中国が南方諸国と領土問題で紛糾しているようなこともある。
そこに、今日の文化交流、スポーツ交流が、資本の運動でもあるという問題が重なっている。
韓国の文化輸出政策のような国家資本主義的政策に、外国国民の拒絶反応も出てくる(このへんは、国家ぐるみで外国人がやって来る点で、マクドナルドや餃子の王将の展開とも異質な問題を含んでいますよ)。
だから、問題把握や事態の解決には、国際的な立体的な取り組みが不可欠でしょう。
中韓にも単なる「反日」にとどまらない「本格的ウヨ」が誕生している以上、靖国右翼さえ黙らせれば事態が丸く治まるわけではないと思います。
万国の抑圧民よ、団結せよ!
>それぞれの国(注:日中韓)での近年の国民経済の発展と、その一方でのグローバリゼーションによる国民生活破壊という共通現象から、アジアの歴史問題も伴い日・中・韓3国共、国内で自民族優越思想や排外主義が台頭してきている。
>だから、問題把握や事態の解決には、国際的な立体的な取り組みが不可欠でしょう。
中韓にも単なる「反日」にとどまらない「本格的ウヨ」が誕生している以上、靖国右翼さえ黙らせれば事態が丸く治まるわけではないと思います。
韓国情勢についてはまだ調べきれていないのでここでは触れませんが、中国情勢についてはブログ「虹とモンスーン」の下記記事あたりが参考になると思います。
・中国:化学工場の撤去を求める数万人の抗議行動が勝利
http://monsoon.doorblog.jp/archives/52765970.html
・結党90周年を迎える中国共産党(上)(下)
http://monsoon.doorblog.jp/archives/52412176.html
http://monsoon.doorblog.jp/archives/52536465.html
・中国6・4天安門事件22周年~闘争を発展させよう
http://monsoon.doorblog.jp/archives/52209738.html
・1989年の「北京の春」と労働者の闘争
http://monsoon.doorblog.jp/archives/52173373.html
表向きはまだ中国「共産党」主導の「社会主義国」を自称する中華「人民共和国」。しかし、その内実は、文化大革命の終焉を機に始まり、その後30年以上に渡って続いた資本主義化によって、とっくにアメリカ合衆国のような新自由主義・強欲資本主義の国に変質してしまっています。それどころか、中国民衆には、米国並みに制限された「言論・集会・結社の自由」や「労働基本権」すら保障されていない。そういう意味では、米国よりも更に悲惨な「搾取天国」に変質しまった、と言えるのではないかと思います。
しかし、その中においても、マルクスが「資本主義は自らの墓堀人を準備する」と喝破した様に、民衆の闘いが前進しています。
それに対して中国政府は、従来の共産主義では「自らの墓堀人=労働者階級」も伸張しかねないと懸念を抱き、1989年の天安門事件弾圧前後から、それまでの共産主義に代わって民族主義・愛国心を強調し始めたのではないか。
でも、政府から「愛国主義・排外主義」を幾ら煽られた所で、「空腹も貧乏も解消されない」「現実の搾取から解放されない」事に、やがて民衆自身も次第に気付き、中国国内でも再び労働争議や農民暴動が頻発するようになります。
そういう意味では、今の中国の状況は、日本で言う大正時代の米騒動の時期に似ているのではないでしょうか。
勿論、解放への道のりは平坦ではない。「言論の自由」から「ストライキの自由」「生存権獲得」に要求を発展させた中国民衆も、政府が再び「愛国熱」を煽れば、簡単に現体制支持や排外主義の方向に寝返ってしまう。それは我々日本人自身が、米騒動に引き続く昭和以後の歴史の中で、身を以って経験してきた事です。
実際、ストライキや民主化の決起文書を見ても、「自由」や「生存権」の要求は事実上漢民族のみに限られ、チベット・ウイグルその他の少数民族の人権や、女性・身障者の権利については何ら言及されていない。そういう視野の狭さも同時に感じ取れます。
中国人の中にも、日本の靖国右翼やネットウヨクと同類の「糞青」が闊歩しているのは確かです。しかし、「糞青」や「靖国右翼」の運動では、現実の資本主義搾取に対して、何ら歯止めにはならない。寧ろ「愛国」の名の下で、人権要求が抑え込まれる事になる。言わば「自分で自分の首を絞める結果」にしかならない事は、明白な事実です。
中国版の変質した偽「共産主義」でも、それに機械的に反発するだけで、非民主的体質については同根の「右翼排外主義」でもない、本当の共産主義、人民解放の国際的な運動が、今ほど求められている時はない。
だから、人民自らが解放の武器を更に発展させ活用しようという発想や努力も当然に生まれない。人民は共産主義の理論や運動に期待をもたない、もてない。解放の武器を、今となっては古くさいものでしかない民族主義で代用しようとする。代用できると錯覚する。
だから、体制側の用意した枠組みさえも超え出て排外的な自己陶酔や差別に陥る。
南北統一の課題を残す韓国民衆も独裁政権打倒と経済発展が民衆の一部に変な自信や優越感を植え付けてしまったらしい。正当な反日機運だけでなく近年では中国侮蔑やベトナム侮蔑までが登場している。
やはり、現代は科学的で民主的な新しい羅針盤が世界中で求められているのだと思います。
国際主義の地平にしっかり据え置かれた21世紀製の羅針盤が。