冬は鍋も良いですが、もっと簡単に冬の味覚を楽しむ方法があります。それは「おでんうどん」作りです。冬の暖か(あった)かメニューの代表格であるおでんとうどんを組み合わせたメニューです。うどんをおでんに放り込んで焚いたら出来るので、鍋料理よりも簡単に出来ます。しかも値段も安いです。それでいてコスパは最高です!
この「おでんうどん」は、元々、広島県の山中にある備後落合という駅のホームに、昔あった立ち食いうどん店の看板メニューでした。備後落合駅は、今でこそ1日数本しか列車が止まらない無人駅ですが、昔はJR芸備線と木次(きすき)線の乗換駅として賑わいました。蒸気機関車の機関区や駅前旅館もある立派な駅でした。今も広い駅構内や残された側線、草に埋もれた機関車の転車台などに、その名残が見てとれます。
しかし、高速道路が開通し、乗客がそちらに流れると、みるみる寂れ、今は単なる秘境の無人駅に成り下がってしまいました。駅前旅館も立ち食いそばも、もはやありません。おでんうどんも、近くのドライブインで冬の間だけ販売される季節限定メニューになってしまいました。
今日、その味を自宅で再現してみました。スーパーで買って来た198円のおでんセットに、28円のうどんの玉を鍋に入れ、数分間焚くだけでOKです。これがメチャ美味かった!冬の休日の昼食メニューに更に一品これが加わりました。
このおでんうどんを更に現地でも食べたくなりました。木次線沿線には、おでんうどんと並ぶ看板メニューとして亀嵩(かめだけ)そばもあります。出雲坂根駅から三井野原駅にかけてはスイッチバックやループの絶景も堪能できます。更に島根県側に出て、玉造温泉や出雲大社にも足を伸ばせば、映画「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」の舞台になった一畑電鉄の電車にも乗れます。まさに鉄道マニア垂涎の聖地です。
現在、備後落合駅には1日数本の列車しか止まりません。朝、駅に降りたら14時過ぎまで次の列車は来ません。しかし、国鉄OBや地元住民の方の協力で、駅の待合室には往年の写真が飾られ、ちょっとしたミュージアムみたいになっています。週末には「奥出雲おろち号」というイベント列車も走るようになりました。
私の今の勤務シフトでは隔週の火・水曜日が公休日となります。予定では、2月2・3日と16・17日が該当します。このままでは2月7日以降も緊急事態宣言が継続する可能性が大きいです。しかし、今まで働き通しに働いた上、休日の外出も買い物と銭湯通いだけで我慢して来たのです。イベント列車も走らない平日なら、そんなに人は集まらないでしょう。今さら一泊二日の秘境駅巡りぐらいしてもバチは当たらないと思います。
尚、備後落合駅とおでんうどんについては、下記の記事を参照の事。
発車1日たった11本、山間のターミナル備後落合駅に変化 乗客増の陰に地元の支え | 乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/82197