映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。漫画家・故杉浦日向子の代表作の映画化作品「百日紅 ～Miss HOKUSAI～」です。
僕が杉浦日向子の存在を知ったのは、江戸風俗を描いた漫画「風流江戸雀」がきっかけで、江戸に興味を持つきっかけとなった作者でもあります。世間では、NHKの「コメディお江戸でござる」の解説で知られるようになり、46歳でガンで惜しまれつつ、この世を去りました。しかしながら、ここに来て彼女のエッセイや作品が注目を浴び、今回の作品の他にも柳楽優弥主演の合葬が実写かされています。
今回の作品「百日紅」は、彼女が20代後半に、浮世絵師・北斎の娘、応為が主人公に描かれたものです。
絵を描くこと以外興味のない父北斎(鉄蔵)と父の代筆をするほどの才を持ちながら、色恋に疎い応為(お栄)の絵師の生活を中心に、師弟の画業のエピソードと盲目の妹との交流を通じて江戸に生きた人々の姿を生き生きと描いています。
花魁と北斎とのやり取りやお栄の描いた「地獄絵」に悩まされる家の解決の糸口となるシーンなど、江戸絵画への深い洞察も感じられる随所に興味を惹く作品でした。
アニメ作品としても、後世に残したい代表作になると思う優れた映画です。
