65オヤジのスタイルブック

DVD・薄氷の殺人

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。ベルリン映画祭で、金熊賞(作品)と銀熊賞(主演男優)を受賞した話題作「薄氷の殺人」を観賞

 

最近、中国映画のノワール作品が国際映画祭で評価を得て注目されています。今回の作品もベルリン映画祭での最高賞をW受賞しましたが、単館上映のため、あまり日本では知る人が少ない作品でした。

リャオ・ファン演じるジャン刑事は、15か所所で発見されたバラバラ遺体を捜査で容疑者を逮捕する際に銃撃戦が起こり、容疑者と同僚の刑事が亡くなり事件はお蔵入りに。

5年後、刑事をやめ、警備員となったジャンは、5年前に起こった事件と類似したバラバラ事件が起こったことを元同僚の刑事から知らされ、被害者は、容疑者の妻のリアンの知人で、リアンに近づいて情報を提供を依頼されます。リアンを調べるうちに、死んだはずの容疑者の姿が浮かび上がってきます。

謎めいた女リアンとジャンの関係と二つの事件の真実が少しづつ明らかになり、リアンに惹かれていくジャンの心理が微細に描かれていて、事件の緊迫感と愛する人を肉体的に支配することしかできない、不器用な男の姿を見事に演じています。

凶悪犯罪をベースに、男女の心理状況を活かした巧妙なサスペンス。冬の季節と炭鉱の町を舞台にした、黒と白の対比。原題のタイトルである白昼の花火のラストなど。叙情的な演出の中にある享楽と狂気が入り混じった演出に感嘆しました。


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