エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

約束の力

2013-10-05 04:28:46 | エリクソンの発達臨床心理

 

 対抗ヴィジョンの特色が語られています。ウソがない、陽気で楽しい、ということが大事ですが、繰り返されることが多い、という点にも注意が必要です。今日はその続きです。

   Toys and Reasons.  『おもちゃと、覚めた精神』のp170。下から8行目途中から。 

 

 

 

 

しかし、新しい説教によって納得できるのは、古い説教によって抑え付けられてきたことに対して同じ激しい怒りを抱えた(そして、多くの場合、ずーっとグルになってきた)人だけなのです。その同じ激しい怒りとは、赤ちゃんの時期の対抗ヴィジョンにおいて支配的であることが多いですが、言い訳を言い張る必要があるものなのです。ともかく、伝統的な自由の価値を、いっそう普遍的な、世界に対する見方の中に甦らせる変革の目印は、男女のいろいろな関係子どもと教師の関係地域社会の人間関係の中にあります。つまり、その変革の目印は、栄養と体全体に注意を払う中に、いかなる年齢の人でも、その人に対する新しい視点の中にあります。あるいは、環境に対するエコロジー的な態度スピリチュアルなことに対するエキュメニカルな態度の中にあるのです。時に排他的で気まぐれなことも多いのですが、こういった傾向は、それにもかかわらず、一連の対抗ヴィジョンをもたらします。この一連の対抗ヴィジョンは、特に、官僚政治の排他的な支配に対して、1人のより普遍的な人において、対抗しようとします。

 しかしながら、ベラーが私どもに思い出させてくれたように、革命でさえその憲法がなくてはならないように、さまざまな改宗はさまざまな約束をもたらします。それで、対抗ヴィジョンが約束の力を証明できるのは、動揺せず、確信を持って日常生活を礼拝にすることによってしか出来るませんね

 

 

 

 

 

 対抗ヴィジョンは新しい約束をもたらしてくれます。しかも、その約束には素晴らしい力があります。そして、この素晴らしい力が発揮されるのは、日常生活を礼拝にすることによるのです。約束の力は、まさに日常生活の儀式化の力でもあります

コメント
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