エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

憲法九条 憲法十三条

2014-07-07 10:45:57 | エリクソンの発達臨床心理

 

 
自由な想像力と、血まみれの想像力
  「陽気で楽しい」のスピリットが、現実を歪めてしまうのは、いったい何故なんでしょうか?それが不思議でなりません。 今日は、その謎解きの初めです。...
 

 将来の世界を見通すイメージ、すなわち、ヴィジョンには、ウソとゴマカシが入り込む場合もあれば、ビィビィッと来るほどのリアリティがある場合がある。

 今の日本のように、「積極的平和主義」が、戦争をする国の始まりをしめすのに、「何ら平和主義に変更を加えるものではありません」という、ウソとゴマカシだらけの見通しが語られ、また、一流企業と言われているあまたの会社が、将来の見通しのためではなくて、目先の利益のために、ウソとゴマカシだらけであることがハッキリした昨今、リアリティがあるような見通しが果たしてこの世に存在するのかなっ? といぶかしく思う人がふえているのではないでしょうか?

 しかし、たとえば、日本国憲法が語るヴィジョンなどは、今も生きているし、生かすべきなのではないのか? と私は思うのです。憲法九条、憲法十三条。それは、デマゴキブリが語る、ウソとゴマカシだらけの未来とは真逆の、人間の真実があると私は確信します。

 日本国憲法九条 

第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
 
 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 日本国憲法十三条

第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

 

 毎日この条文を読んで、毎日を過ごすと、自分の道をより確かにできると感じますね。

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あなたは生きていて良いんだよ!

2014-07-07 05:53:25 | エーリッヒ・フロムの真まこと(の行い)

 

 対等になるには、強い立場のものが弱い立場の人の下に立つとき。理解、understandは、その意味で対等の時でないと、成り立たない。

 今日は、p45の下から6行目、Motherly Loveから。

 

 

 

 

 

 母親が子を思う気持ち

私どもは、前節で母親が子を思う気持ちに性質について、すでに触れました。そこでは、母親が子を思う気持ちと、父親が子を思う気持ちの違いについて論じましたね。そこでご指摘しましたように、母親が子を思う気持ちは、自分の子どもが生きていることと子どもの求めていることを、掛け値なしで肯定することです。しかし、このことに大事なことを、一つ付け加えなくちゃいけません。子どもが生きていることを肯定することにはね、2つの側面がある、ということです。1つは、子どもが生きていることと子どもが成長することを守るために、けっして欠くことのできない、世話と責任です。もう1つは、単に守る以上のことなんです。それは、自分の子どもに生きていることに対して真実な気持ちを感化する心の向きです。生きていることに真摯であれば、その子どもは感じます。「生きていることは素晴らしい」、「幼い男の子も、幼い女の子も生きている値打ちがある」、「この世に生きているって、素晴らしい」とね。

 

 

 

 

 エリクソンは、赤ちゃんはお母さんに対するときに、2つのものを見ているといいます。1つはお母さん。もう一つは、お母さんの瞳に映った自分自身。赤ちゃんは、お母さんの瞳を通して、自分を知るものなんですね。

 フロムも、ここの件で、同じことを別の表現で言っています。あ母さんが、子どものことを掛け値なしで大事にするときはじめて、子どもは「自分は生きていていい」と感じることができます。「この世に生きているって、すばらしい」と感じることができます。

 ところが、今の日本では、ビックリするほどたくさんの子どもが、掛け値なしで大事にされることが少ないんです。大事にされるとしても、いつだって、条件付き。「〇〇したら、ご褒美上げるからね」というわけです。

 ですから、ビックリするほどたくさんの子どもが、自分がこの世に生きていていいのかどうか? がハッキリわからないのです。いいえ、「死んじゃったほうが良い」と感じているのです。お金持ちの家でも、貧乏の家でも変わりません。都会でも田舎でも変わりません。一人親でも両親がそろっていても、差はありません。

 ですから、フロムのこの本が教えて下すっていることが、値打ちものなんですね。

 

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