エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

一番破滅的で自滅的な源であると同時に、最も崇高な源

2014-11-04 14:03:20 | アイデンティティの根源

 

 神様を見る眼差し=神様の眼差し。お互い様。

 p361の21行目途中から。

 

 

 

 

 

次に、ヘーゲルは、別の面で同様な全体に及ぶ約束にも、ある程度の注意を促しているようにも思われます。その約束とは「人が神様のことを知るのは、神様が人の中にご自分を知る範囲でだけだ」ということです。今まで見てきたように、人間の無意識こそが、一番破滅的で、一番自滅的な衝動の源であると、人間は理解しなくちゃぁならない、ということを最終的にフロイトは決意したのでした。アインシュタインもまた、フロイトと同じように、間もなく発見したのは、その無意識こそが、最も尊い、科学技術的独創性と繋がっているものでもある、ということです。

 

 

 

 

 

 無意識は、「パンドラの箱」であると同時に、「宝島」。

 無意識は、「たんツボ」であると同時に、「清き泉」。

 無意識は、「ごみダメ」であると同時に、「宝石箱」。

 選ぶのは、あなた!

 

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信頼すればこそ

2014-11-04 10:16:42 | エーリッヒ・フロムの真まこと(の行い)

 やけくその勇気は偽物。人も自分も傷つける。

 人を大事にする勇気こそ本物。自分が損する勇気があるから、人を大事にできる。

 p117第3パラグラフ。

 

 

 

 

 

 信頼と勇気の練習をするためにやることってあるのかな? 実際問題、信頼とは、刻々と毎日毎日、練習することもできます。子育てにも信頼が必要です。眠るにも信頼が必要です。どんな仕事を始めるのにも信頼が必要です。ですが、私どもはこの種の信頼に慣れるのに時間がかかります。子どものことが心配で苦しんだり、不眠で苦しんだり、建設的な仕事ができずに苦しんでいたら、誰でもが信頼できません。その人は、疑り深いし、誰ともお近づきになれませんし、思い煩ったり、長期の計画ができなかったりします。

 

 

 

 

 心配なのはね、信頼が足りないから。ですから、「思い煩ってはなりません」なのでしょう。子育てをはじめとして、あらゆる創造的な活動は、信頼にできる花なんでしょうね。

 

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天才 五嶋みどり

2014-11-04 06:35:38 | エリクソンの発達臨床心理

 

 先日のヨーヨー・マさんも天才ですけれども、この五嶋みどりという人も天才でしょう。「社会福祉にも関心が深い天才音楽家」くらいのことしか知りませんでしたが、今回「プロフェッショナル 仕事の流儀」のプログラムを録画で見て、素晴らしい! と思いましたよ。

 五嶋みどりさんが大事にしていることは、「自分と向き合うこと」。

 本物は違いますよね。自分と向き合うことなしに、「本物」なんて、ありえない。その自分が「本当の自分」ですから、「本当の自分」と向かい合わずして、本物なんてありえないでしょ。「自分は偽物ですけれども、作品は本物」なんてことは絶対にない。

 音は、じゃぁ、どこから現れるのか。ウァイオリンと弓で出すのが音じゃぁ、ない。五嶋みどりさんは、「音は自分の中から」聴こえてくるものだと言います。Find your voice. ですから、内側から聴こえてくる音を、表現するのが、演奏だということになります。

 「自分を出す」と「出る杭は打たれる日本」でしょ。「自分を出す」には通常、勇気が必要です。でも、五嶋みどりさんのように、出る杭の出方が、「出過ぎ」だと、打ちようもないんでしょうね。かのバーンスタインが、世界が、認める存在です。

 「自分を出す」時に五嶋みどりさんが気を付けていること。それは「素直」だと言います。そりゃそうでしょうよ。でもね、この「素直」になるために、年がら年中、「ドレミ」からウァイオリンを練習している。イチローとも通じる、徹底的な基礎の練習の繰り返し。まるで修道僧か、雲水か。それは、練習を通じて、「欲をそぎ落としていく」ことだそうですね。欲があると、「本当の自分」が素直に出ることにはならない。「欲」があると、出てくるのは、素直な「本当の自分」じゃぁなくて、「厚化粧の自分」だったり、「見てくれのいい自分」だったり、「武装した自分」だったりしますでしょ。

 「素直」と言っても、ですから、何もしないことじゃぁない。努力に努力を重ねた上で初めて与えられるもの。セレンディピティなのかもしれませんよね、「素直」もね。 

 自分を出すことはどういうことなのか? 自分を出すことは素晴らしい、などといろいろと感じ、考えさせられて、非常に愉快です。

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