エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

鴨武彦教授

2014-11-25 13:01:50 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 

 

 

 

 鴨武彦教授のお写真を、インターネット上に探したけれども、見つからないので、先生の岩波新書『国際政治をどう見るか』を代わりに出しました。

    鴨さんの、国際政治の教科書を引っ張り出したら、鴨さんの訃報記事が出てきたんですね。あまりにも、タイミングが良すぎなもんだから、早速、その記事を載せました。

 早稲田大学政治経済学部政治学科で、藤原保信教授と共に「二大巨頭」と言われたその一翼が、鴨武彦教授。お二人とも50代の若さで亡くなりましたね。「若死にするのは善人だけ」を、お二人の死に思いました。

 鴨武彦教授は、私と同じ国立市民。何度か国立で偶然お目にかかりあいさつしたことがあります。一度はバス停で。私は当時、知的障害の子どもの施設の職員でしたから、その子どもの登校に付き添っていました。鴨先生も、同じ学校に通う、まだ小学二年生?の娘さんを連れておいででしたね。政治学科の出身だとお話すると、労を労うような言葉をかけてくださいました。心根のお優しい先生。

 その先生の授業で忘れられないことがいくつかありますね。その一つが、第2次世界大戦の時に、なぜ日本人は「戦争反対」を口に出して言えなかったのか?という件。先生は、相当数の、当時、力ある人にインタヴューして分かったこととして、教えてくださいました。鴨先生は、腰から剣を抜く格好をされて、「これが怖かったからです」とおっしゃいました。特に2・26事件以降、その傾向が強くなったと言います。「戦争反対」を唱えると、身の危険を感じたんですね。

 今はどうかしら?

 「戦争反対」を唱えると、身の危険を感じる、というほどではない。でもね、隣町の国分寺祭りでは、「戦争反対」を唱える、ご当地の「九条の会」が、毎年参加していたその行事に、行政から「参加できない」と言われちゃう時代になっちゃってる。鴨先生が教えて下さったようにね、私どもは「身の危険を感じる」ことなく「戦争反対」をハッキリ主張できるように、したいですね。

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上辺の付き合いが好きな日本人

2014-11-25 10:00:42 | エリクソンの発達臨床心理

 

 何でもかんでも消費していると、問いを問うことを忘れちゃう。すると、自分の頭で考えることも止めて、自動人形になっていきます。そのようにして、人は知らず知らず「最悪」に加担していくわけですね。それを、鋭くも悲しく指摘したのが、かのハンナ・アーレントですね。

 p81第2パラグラフ。

 

 

 

 

 

 人を大事にすることに関心がある状況は、必然的に、現代人の社会的な性質に応答します。機械仕掛けのロボットは人を大事にすることなどできません。機械仕掛けができることと言ったら、「個性の小包」と安売りの希望を交換することくらい。人を大事にする気持ちを表現する一番大事なやり方、特に、自分をなくしちまった機械と化した人と結婚することを表現する一番大事なやり方は、その「チーム」の考えです。このように描写することは、問題を起こさずに働く従業員の考えとは、それほど違いがありません。すなわち、その人は、「理に適って独立的に」協力的で、忍耐深くあるべきですし、それと同時に、野心的で意欲的であるべきだ、という訳ですね。

 

 

 

 

 抽象的記述のところだけ訳すと、「何のことやら」と思う方が出るかもしれませんね。明日、具体的記述の部分を訳します。

 要は、現代人は、結婚においてさえ、本音の付き合いよりも、上辺の付き合いしかしてない、ということを言いたいようですよ、フロムは。ですから、離婚が多いのもある意味必然でしょうね。

 上辺の付き合いが好きなの点、日本人は、欧米人よりも一歩抜きん出てますね。結婚しても、男も、女も、仕事から戻るのが、子どもが寝る時間、20時以降、ということがざらでしょ。北欧のように、「週35時間で、残業0、通勤は1時間以内」が常識じゃあないのでね。欧米人は「不可思議に思う」ようですよ。親になって、子どもが寝てから帰宅するような働き方をしている日本人を。

 日本人全体が、自分を騙してませんか?

 

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真理はあなた方を自由にしてくれます

2014-11-25 05:16:02 | アイデンティティの根源

 

 子どもって、不思議な存在ですね

 p225の第2パラグラフ。

 

 

 

 

 

 

 この「エピジェネティック」の原理は、基本計画のそれぞれの部分が次々に発達するものですが、すぐに、皆さんのなじみのものとなるでしょう。というのも、人生の巡り合わせに関する伝統的なヒンドゥー教の概念では、人生に固有の4つの目標が(ダーマ、すなわち、徳を定義する秩序、アータ、すなわち、事実の力、カマ、すなわち、リビドーを捨てる悦び、モークシャ、すなわち、解放の平安)4つの段階において、連続もし、相補的でもある完全になります。この4住期とは、見習い期間、家庭持ちの期間、隠者の期間、行者の期間です。この段階は、鋭い方向転換によって、それぞれ分かれています。しかし、それぞれの段階は、その前の段階にかかっていますし、完全が可能になるのは4つの段階すべてにかかっています。

 

 

 

 

 

 エリクソンの発達段階、フロイトの発達理論だけじゃぁなくてねヒンドゥー教の「4住期」と関係があるのかもしれませんね。エリクソンも、西洋中心主義ではない。ユングと共通しています。「真理」を重んじる態度ですね。真理がいかに大事かわかってくるとね、人って自由ですね。

 

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