先日、宇宙飛行士の野口総一さんが語る、宇宙開発のヴィジョンが素晴らしいものでした。それを引き出した、キャスターの小野文恵アナウンサーも素晴らしい。野口さんは、宇宙から見た地球の写真を掲げながら、「私は、こういう絵を子どもたちにずっと見せて生きたい」と語るんですね。小野キャスターは、「それを見ることでしか得られない感情がある?」と問います。小野さんさすがです。それに応えて、野口総一さんは語ります。「まさに、眼の前の地球は1つだという感覚が持ってもらえると思います」。素晴らしいなぁ、と感じました。それは≪超越≫と≪真の平和≫に繋がる話だからです(8月28日(土曜日)「週刊 ニュース深読み どこまで進む? 日本の宇宙開発」)。この番組は、NHKの人たち自身が「平和」について、ハッキリとは語れない苦しい事情がある中で、たぶん小野さん自身が語りたいであろうことを、宇宙飛行士の野口総一さんに、代わりに語ってもらった感じが、如実に伝わってくる感じでしたからね。
この「眼の前の地球は1つという感覚」は、「人間皆兄弟」と同じですよね。これはキリスト教で言う「自分を大事にする程度に、あなたの身近な人を大事にするようになっています」、あるいは、禅でいう「自他不二」に通じますよね。自他を分け隔てせずに、共に大事にしようという発想です。この発想で真実に生きていけば、たとえ紆余曲折があろうとも、仲良くやっていけますでしょ。平和と平安が生まれます。
この逆は、ご承知のように、「人類を上下2つに分けるウソ」ですよね。これに、、rejectivity リジェクティヴィティ 「大事にする相手の仲間から、仲間はずれにしたい、底意地の悪い気持ち」が加わると、あらゆる意味の戦争でしょ。それも、諍いや戦争がなかなかやめられないように、無意識の生け贄になっている状態ですからね。そういう人は、特に日本人は、「内輪と外」、「ウチとソト」を知らず知らずのうちに分けていますでしょ。それはすでに、「人類を上下二つに分けるウソ」に、やられている状態なんですね。心の中に、「万里の長城」、「ベルリンの壁」、「イスラエルのパレスチナ居住区の壁」がありますよね。それは無意識にできている心の壁です。ですから、意識してその心の壁を取り除き続けることが必要ですね。そのためには、やっぱり、信頼が必要ですね。
聖書には、
「実に、キリストはわたしたちの平和であります。二つのものを一つにし、御自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し、規則と戒律ずくめの律法を廃棄されました。こうしてキリストは、双方を御自分において一人の新しい人に造り上げて平和を実現し、 十字架を通して、両者を一つの体として神と和解させ、十字架によって敵意を滅ぼされました。 」(新約聖書「エフェソの信徒への手紙」第2章14節~15節)
とありますもんね。
「眼のまえの地球は1つのいう感覚」を豊かに持つ「新しい人」になりたいものですね。