エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

身体を強くしても、心まで強くできる訳じゃぁ、ない‼

2015-11-12 01:33:04 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
1人の人が家庭で4人も5人も介護する社会つて?
  昨日のクローズアップ現代。ご覧になりましたか? 愛着障害の子どもがこんなにたくさん、こんなにヒドイ状態であるのも、日本社会の「豊かさ」にあるウソとゴマカシ、「...
 

 

 

 発達トラウマを負わされた愛着障害の子どもは、≪私≫、本当の自分を生きられない、最も深刻な、ほとんど自閉症の人並みに深刻な障害です。私はもともと自閉症の子どもたちが≪私≫を取り戻すことを臨床し、研究していたんですが、世の中の方が、ほとんど「崩壊」といっていいほど激変して、普通の見える子どもたちが、大挙して「自閉化」=「愛着障害化」したため、その臨床もできるようになってしまった訳です。極めて残念なことですね。

 ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第13章 Healing from trauma : Owing your self 「トラウマから癒されること :本当の自分を生きること」p.213の第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 

 心からホッとできるのって、発達トラウマを負わされた子ども達は、自分に何が起きたのかに気付いて、自分が戦っている眼には見えない悪魔たちのことを理解出来た後の話でしょ。たとえば、思い出していただきたいんですけど、第11章でご紹介した子ども達は、子どもを性愛の対象にする司祭たちから虐待されてたんですね。この子たちは、定期的にジムに通って、筋肉増強剤を飲んで、身体はバカ強くなったけれども、私どもが面接すると、まるで怯えた子どもみたいでしたよ。この心傷ついた男の子たちは、心の底では、途方に暮れていたんですね。

 

 

 

 

 

 身体を鍛えるのもいいでしょう。しかし、それは内面の強さを反映するものであればいいのですが、司祭に性的ないたずらをされていた、この男の子たちみたいに、身体はバカ強くなっても、心は途方に暮れている、ということもありますからね。

 こう言う愛着障害の子どもたちに一番大事なのは、温もりであり、タッチであり、「怒られない」人間関係、楽しく陽気な人間関係なんですね。

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