エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

言葉にならない言葉   自分の本音を語れない発達トラウマ障害≒愛着の子ども達

2016-05-29 01:56:43 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
アベシンちゃんの 目隠し作戦
   言葉と戦車  目には見えないこと > モノと数 エリクソンは、心の根っこにある傾向をはたして変え...
 

 

 発達トラウマ障害≒愛着障害の子ども達にも、楽しい話しか、面白そうな話をするのが一番ですね。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第6章、本のタイトルにもなっている「犬として育てられた少年」のp.127、6行目途中から。

 

 

 

 

 

その子は何も言う必要がありませんでした。何も言いたくない場合のことです。伝えたくない話題が何かできれば、私は「ねえ、教えてよ」と伝えて、話題を変えます。何時でも、子どもは止めたいと思えば、会話も終了です。何年もの間、話したくない若い女性のクライアントが1人だけいました。しかし、その週末は、その女性がスタッフに語ったのは、「私が話ができる唯一の人は、『あのカーリーヘヤーの精神科医』よ」ということでした。

 

 

 

 

 

 素人さんですと、「言葉にしたことが本人の言ったこと」、「一言も言わなければ、何も言ってない」という勘違いをしがちです。

 でも、そんなことを言ってたら、精神科医も、サイコセラピストも、1日だって仕事になりません。「眼は口ほどにものを言う」ということわざがあるくらいに、「語らずとも、語っている」ということが山ほどあんですね。

 特に、発達トラウマ障害≒愛着障害の子ども達は、自分を失っている子ども達です。自分の気持ちを言葉にすることが非常に難しく、言葉にした場合でも、親や教員などの大人が望んでいそうなことを言いがちです。いいえ、発達トラウマ障害≒愛着障害の子ども等は、大人が望む言葉を、言わされている場合が実は多いことを、私どもは忘れてはいけませんね。

 

 

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インターメッツォ : 独りと慰め

2016-05-29 00:47:07 | 聖書の言葉から

 

 
ルターに最大の敵は、「悪い良心」
  ルターは、「詩篇」記者の異なり、揺らぎの中で信頼とは真逆の不信、疑いの方に流れやすかったみたい。ですから、絶望のどん底からいつまでも抜け出せずにいたので、深ー...
 

 

 昨日、ヘルマン・ヘッセの詩集を読んでいて、も一つ取り上げようと思いましたものが、次です。

 

 

 

 

 

 

 独り Tuost(慰め)

 

 

 地上には

 大小の道がたくさん通じている。

 しかし、みな

 目指すところは同じだ。

 

 馬で行くことも、車で行くことも

 ふたりで行くことも、三人で行くこともできる。

 だが、最後の一歩は

 自分ひとりで歩かねばならない。

 

 だから、どんなつらいことでも

 ひとりでするということにまさる

 知恵もなければ、

 能力もない。

 

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願い

2016-05-28 07:36:02 | 間奏曲

 

 

 
アベシンちゃんのチャンバラごっこ : 安倍晋三首相のオシバイ・作り話・ウソ
   ウソになる想像力 真実になる想像力  心の根っこにある傾向は変えられるの? 鋭い政治学者ハンナ・...
 

 たまには、詩を一編。ヘルマン・ヘッセ、高橋健二訳。

 

 

 願い Und dennoch hofft mein Herz

 

 無言のうちに多くを語っている小さな手を

 差しのべて下さる時、

 私はいつかあなたにたずねました、

 私を愛してくださるか、と。

 

 私はあなたに、愛してください、とは望みません。

 ただ、あなたがそばにいてくださることを知り、

 あなたが時折り無言でそっと

 手を差しのべてくださることを望むばかりです。

 

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インターメッツォ : 心の底からのアーメンによって

2016-05-28 07:07:19 | 聖書の言葉から

 

 

 
揺らぎの中で
  ルターは絶望のどん底にいた時、その絶望のどん底に落ち込む言葉に繰り返し戻っちゃた。戻らなきゃぁ良いのに、それがなかなかできなかった。 Young Man ...
 

 矢内原忠雄全集は、全部で29巻。矢内原忠雄先生の言葉をもう一度と思って、さて何にしようかと思っていたら、この全集15巻の『月報』の中に、矢内原忠雄先生の弟子の、高橋三郎先生の言葉が出てきて、今日は、高橋三郎先生の言葉にしようってことになりました。

本文中の「先生」とは、もちろん、「矢内原忠雄先生」のことです。矢内原忠雄先生が、東京大学を軍部の圧力によって辞めさせられてから出していた、無教会の月間誌『嘉信』を読み返しての感慨を記しているところです。

 

 

 

 

 

 虚偽と悪に対する先生の激しい怒りが、どれほどすさまじいものであったか。その烈しさに触れて、私は粛然と襟を正さずにはいられなかったのである。何気なく読み過ごしていた言葉の背後に、どれほどの実体がひそんでいたか。私はそれを、年と共により深く理解するようになった。預言者の言葉を私自身のものとして味読することは、実に一生の課題だと思う。そして、その課題を追求するためには、一切の借り物を退け、一言一句を、自分の心の底からのアーメンによって裏付けられたものとして、体験を通して、みずからの体験を通して学ぶこと。つまりそういう意味において自己に忠実であること、以外に道はないのである。

 

 

 

 

 

 ですから、最晩年、交通事故による脊椎損傷で、ご自分で聖書のページをめくることさえできなくなっても、あれだけ確信に満ちた言葉を、高橋三郎先生は、語ることができたのだろうと思います。

 虚偽と悪と言っても、今私が課題にしているのは、矢内原忠雄先生や高橋三郎先生に比べれば、遥かに「小物」チャチですが、高橋三郎先生の言葉を、心の底からアーメンによって、追体験したいと思いますね。

 

 

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話し合いがイキイキとした変化をもたらす

2016-05-28 03:01:38 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
歩くことは、人生を歩くこと
  身体の使い方が、自分や人の気持ちに対する見方に繋がってたり、人生に対する姿勢とも繋がってんですね。何故なんでしょうか? The life cycle cp...
 

 

  発達トラウマ障害≒愛着障害の子ども達も、回復過程に入るためには、日常生活、自動運転とは違う視点で自分を見ること、すなわち、一歩下がった態度で、自分を見つめ直すことが大事でしょ。

 The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.340の、第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 もう1人のボランティアは、別のやり方をするように頼まれます。それは、学生の皆さんが、他にあるいろんな選択肢が、どのように演じて示されるかを理解するためです。物語と衣装のお陰で、プログラムの参加者たちは、新しい役割にあるリスクを冒すことができるようになります陽気で楽しい雰囲気と役者たちから助けが物を言いましたね。演劇の後のグルーブディスカッションの中で、「このシーンは、皆さんの学校で起きていることに似ていますか? それもと、違いますか?」、「皆さんが必要な敬意を皆さんは払って貰ってますか?」、「皆さんは、皆さんの中にある違いをどのように解決しますか?」などの問いに学生さん達は応えます。こういった議論によって、イキイキとした変化が生まれますね。それは、学生ボランティアの皆さんが自分の思想や考えを変えるのと同じです。

 

 

 

 

 今までと違った役割があり、それを実際に行うリスクを引き受ける覚悟をする。今の自分や自分の学校、自分の仕事場、自分の地域、自分の社会…を今までとは、違った視点で眺めてみる。そして、それを何人かの人たちと一緒に話し合う。

 話し合いによって、イキイキとした変化がもたらされる。民主主義のお手本ですね。

 

 


 

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