エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

インターメッツォ: エリクソンの叡智 : 偽りの前進

2016-10-24 01:27:06 | 間奏曲

 

 

 
「《私》という感じ」と真実な関係
   仏道は自己なり 「仏道は自己なり」とは、浜松市半田山の龍泉寺参禅道場の門にある、道元禅師の言葉です。仏教も、非常に心理学的だと感じさせる言葉ですね......
 

  Chilhood and Socirty から。p.82から。

 

 

 

 

 

 お互いに自分で自分をコントロールするということは、ここで(訳注:一歳半過ぎに)一番苛酷な試練に出逢うことになります。もしも、外から加えるコントロールが厳しすぎたり、早すぎたりして、躾は子どもが自分のお腹や働きを自由な選択と自由意思でだんだんコントロールとようとするやる気をそいでしまえば、子どもは二重に反抗し、二重に負け犬になることになります。自分の身体(ウンチが怖くなります。それはまるで、内側に住んでいる敵のオバケみたいです)も、外も頼りないから、その子は、退行したり、偽りの前進をしたりして、自己満足のコントロールを満たさざるを得なくなります。

 

 

 

 

 今のニッポンには、退行している人も、偽りの前進の人もごまんといますね。

 偽りの前進をさせられた人たちは、いずれ必ず「退行」しますしね。だいたいそういう子どもが、私どもサイコセラピストにお鉢が回ってきますしね。

 あるいは、子どもっぽい大人たち、あるいは、ウソとゴマカシだらけの、大人になり切れない大人たちが多いのも、「偽りの前進」の成果です。

 

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インターメッツォ: アダムが教えてくれたこと : 人がまとまる要

2016-10-24 00:04:22 | 間奏曲

 

 

 

 

 
≪真実の関係≫の基本の「き」
  あの世とこの世を分けるルターの考え方は、問題アリでした。 Young Man Luther 『青年ルター』p.235の第2パラグラフ、下から5行目途中から。 ......
 

 ヘンリー・ナウェンの『魂の向き』Spiritual Direction を味わいます。今宵は、p.45。ナウェンさんのお話の続き。重たい知的障害の青年アダムから教えて貰ったということの続き。

 

 

 

 

 

 最後に、アダムが私に教えてくれたことは、まとまりのある集団ですね。「何かを共にすることは、1人でするよりも大事だ」ということです。私は1人でことをなすことに関心がある世界から来ましたけれども、今はアダムと一緒にいますでしょ、アダムはとても弱く、脆く、人なしにはいられません。私はアダムをホットケマセンもんね。私ども2人は、あらゆる人が必要です。…一番弱い人が私達を繋げるみたいに、アダムがまとまりのある集団を作り出すんですよ。アダムが私どもを1つにしてくれます。アダムはいろんな人を世話されなくてはなりませんし、脆い存在ですから、私どもは、本物の、人を大事にする、まとまりのある集団になることができます。

 

 

 

 

 

 

 日本にも「子は鎹(かすがい)」という諺がありますね。弱い存在が、人と人を繋ぐ要になる。

 石原慎太郎や、津久井やまゆり園の事件の犯人は、「弱い知的障害者には、存在価値がないから殺せ!」と言いますでしょ。人と人がまとまりがあること、やり取りする悦びを知らないから、そんなバカを言えるのでしょうね。

 ナウェンさんは、

 弱い立場の人が、人と人を繋げて、まとまりのある集団を作り出す

という真実を見つけることができました。

 逆に言えば、

 人が集団を作るのは、助け合い、補い合うためだ

 ということもハッキリ分かりますね。

 

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怒りは、煮えたぎったお湯じゃぁ、ありませんから

2016-10-23 12:04:30 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
この世とあの世を分ける落とし穴
  ルターも、言ってることとやってることが違っちゃいました。 Young Man Luther 『青年ルター』p.235の第2パラグラフ、下から13行目途中から。 ......
 

 

  発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog 「犬として育てられた少年」。p163、第2パラグラフから。インチキ療法は、本当にヒドイ。

 

 

 

 

 

 「抱っこ」療法は、何時間も続けるようにできてます。食事休憩もトイレ休憩もありません。「抱っこ」療法をしている時には、大人たちは子どもをなじって、怒らせます。それはまるで、赤ちゃんの頃になじることが足りなかったみたいでしょ。怒りを「解放すること」が、将来激しい怒りを爆発させずに済む、と考えられたんですね。それはまるで、脳が怒りを、グラグラ煮えたぎってお湯みたいにため込んるみたいで、怒りをあらかじめ晒すことで、怒りを空っぽにできる、と思ってたみたいです。「抱っこ」療法の面接は、子どもが落ち着きを取り戻した時だけ、おしまいになりました。

 

 

 

 

 

 食事にも、トイレにも行けない…。一時間くらいなら良い場合もあるでしょうけれども、何時間ともなれば、問題が出てきますね。人を怒らせておいて、落ち着きを取り戻さなければ、解放しない…。言語道断ですね。

 

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本来の目的、患者の利益を忘れたDSM

2016-10-23 10:37:51 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
防衛機制は、親譲り?
   人を大事にする=人間皆兄弟  謙遜と客観性は、意外に近い。 p111第4パラグラフ。      人を大事にする...>続きを読む ......
 

  発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.139。第3パラグラフ、4行目途中から。DSMの話の続き。

 

 

 

 

 

DSM-Ⅲの前書きが明確に警告しているのは、DSMの分類は、法医学の場や保険の目的で用いるのには、正確さを欠いている、ということです。それにもかかわらず、DSMは、強力な力のある道具になりつつありますね。保険会社は、保険金の支払いのためにDSMの診断を求めますから、最近では、研究費もDSMの診断に基づいていますし、研究計画もDSMの分類に従って作られていますまでになったんですね。DSMは、大きな文化的流れにもなりました。トニー・ソプラノ(訳注:人気テレビドラマの主人公)がパニック発作とうつ病だってことは、誰でも知っていますし、(訳注:人気テレビドラマの)「ホームランド」のキャリー・マティソンが、躁うつ病(双極性障害)だということも、どなたでもご存知です。DSMは、仮想空間の産業になってますから、アメリカ精神医学界は、これで、100億円も稼いでますもんね。問題なのは、本来はお役に立つはずの患者さんのために、DSMがなってるのかなぁ? ということです

 

 

 

 

 

 こういう問いは、反語的な場合がほとんどです。DSMは本来の患者の利益を忘れで、別のこと、のために使われている、という訳です。

 

 

 

 

 

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インターメッツォ: エリクソンの叡智 : 3つの視点

2016-10-23 09:13:04 | 間奏曲

 

 

 
最初は微笑み
  ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐......
 

 

  Chilhood and Socirty から。p.37から。

 

 

 

 

 

 臨床上の課題と、偏見とは、別物です。私どもはひとりびとりの様々な危機について研究していますけれども、それは、そのひとりびとりの危機に治療的に関わることによって、研究するわけですね。そうしながら解るのは、今までお話した3つの経過が1つに流れ、すなわち、人生の中の3つの側面になる、ということでする。1つの流れも、人生も、どちらの言葉も、等しく大事にしてきました。身体の緊張、ひとりびとりの不安集団の激しい動揺はね、人間の不安が、研究のそれぞれの方法に現われる、それぞれの視点でしかありません。

 

 

 

 

 

 エリクソンは、人間の不安を、安心と信頼に発展するように、臨床していたわけですね。その臨床から解かったことを、ここで述べているんです。それも、身体、自我、対人関係の3つの視点を明示したところが、エリクソンの鋭いところです

 


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